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バグから始まるVRMMO活動記  作者: 紙紙紙
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第75話

「あのさ、夏樹。知っている範囲でいいんだけど。僕がログアウトしたらルキってどうなるんだ?」


 明日から月曜。てことは仕事だ。時間も時間だしログアウトしようとしたがルキの事が気がかりで夏樹に尋ねた。


「ルキが従魔的な存在のていで話すすめるなら、兄貴がログアウト中は眠り状態になって姿が見えなくるんだけど、違うならNPCのように目が覚めて活動している可能性もあるよ」


 ルキの頬を突っつく夏樹。反撃しようと夏樹の指を噛もうするルキ。怪我しても知らないからな。


「痛っ!」


 案の定、ルキに噛まれ痛がる夏樹。呆れた視線を向ける。


「ルキ、離してあげて」


「ふん!」


 夏樹の指を離してそっぽを向くルキ。僕はルキの頭を撫で宥める。


「いてて……明日午後暇だから様子みておくよ」


「助かる。じゃルキを寝かせたらログアウトするよ」


「了解、じゃあ先にログアウトっと」


 夏樹はログアウトし目の前から消える。

 ルキは夏樹がいたところを不思議そうに見ている。ルキを呼んで一緒に布団に入った。

 ビャッコを撫でてから戻し、ルキを寝かしつけログアウトした。



 仕事もようやく落ち着き定時に帰宅した僕は部屋着に着替え、居間に行くと料理をしている母親に手伝い頼まれ料理を運ぶ。その間に父親も席につき、少し遅れて夏樹も席につき食事が始まる。

 風呂に入って部屋に戻ると僕の漫画を読みながら夏樹が座っていた。


「なんで部屋にいるんだよ」 


「まぁまぁ。それよりも兄貴にお知らせ」


 僕は軽く息を吐いて、扉を閉めベットに腰掛ける。


「それで、どうだったの?」


「結論から言うと、ルキの姿はなかった。てことは、従魔的な存在ってことになる。つまり、ルキは兄貴の従魔って可能性が出たわけなんだけど、ステータスにはなんも記載なかった?」


 記憶を遡って思い出すが何もなかった。僕は首を横に振る。


「ないか……。まぁルキの事はゆっくり調べる、てか直接メフィストに聞いた方がよくね?」


「だね。平日はそんな時間内し、《亡者の墓場》に行けば会えると思うし、今度の休みに行ってみるよ」


「了解。今日はログインするの?」


「あんま長く出来ないけどその予定。あ、ギルドが混んでなかったらジョブクエ受けようかな」


 レベルもカンストしてジョブクエを受けられること思い出し提案した。

 これで、見習いが取れればフィールドで召喚出来る召喚獣が増える。


「じゃ、後程」


 夏樹は立ち上がり部屋に戻っていく。

 ベットに横になりヘッドギアを装着してログインした。


「ウィル!」


 ログインするといきなりルキに抱き着かれた。


「おはよう?」


「ウィルのこと待ってた!」


 僕は微笑みルキの頭を撫でた。うん、可愛い。


「兄貴、そんなことしてないでギルド行くんだろう?」


「あ、そうだった。ルキも連れて行った方がいいよな」


「連れて行かないと多分拗ねるよ」


 簡単に想像ができてしまい僕は苦笑する。


「ルキ、これから出かけるけど一緒に行く?」


「うん!」


 ルキを連れて僕と夏樹はファルトリアに飛び、ギルドに向かった。

 平日にも関わらず街はプレイヤーで溢れていた。ルキは初めて見るものばかりか余所見しっぱなしで立ち止まることが多かった。


「ルキ、手を繋ごう?」


 手を差し出すとルキは手を握ってくれた。なんか、小さい時の夏樹を思い出すな。

 そう思い夏樹を見る。


「ん? なんだよ」


「夏樹も手を繋ぐか?」


「なっ! 手を繋ぐ年齢じゃないわ!」


 プンプンと怒って夏樹は先に行ってしまう。揶揄いすぎたかな?

 ルキの歩調を合わせて歩いて行くとギルドに到着。

 夜なのに混雑しているギルドに入り、時間的にも余裕あったので受付の列に並び自分の番を待つ。


「おい、子供を連れている奴いるぞ」


「NPCじゃないの? 好感度上げでもしているんじゃね?」


「子供のかよ……あいつロリコンかよ」


「違えね、アハハ!」


 何人かは僕に対して変なこと言っているのが聞こえるけど、訂正するも面倒くさいし勘違いさせたままにした。聞こえてないふりをして順番を待っていると、ようやく自分の番が回ってきた。


「ファルトリアギルドへようこそ! 本日はどのようなご用件でしょうか?」


「ジョブクエを受けに来ました」


「レベルはカンストしているようですね。では、ご案内致します。」


 受付嬢は立ち上がりギルドの奥に進んでいく。


「兄貴、この先はついて行けないからここで待ってるよ」


「わかった。ルキもここで――」


「やだ! ルキも行く!」


 夏樹に預けようと思いルキに聞こく前に拒否られてしまった。

 深い溜息を吐き受付嬢に尋ねた。


「この子も連れて行ってもいいですか?」


「一人でないと――」


 突然受付嬢がザッザッと一瞬乱れたよに見えたが勘違いと思い目を擦ると何ともなかった。僕は頭を捻った。


「はい、問題ありません」


 受付嬢の許可も貰いルキを入れて部屋の前に。気合を入れて僕は部屋に入った。

 

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