第68話
更新遅くなってしまってすみませんでした。
切っ先を向けながら俺はオルトさんのセリフに疑問を抱く。
プレイヤー？ オルトさんもプレイヤーの筈なのにその言い方だとまるで違うかのような……
「どうした？ 来ないナラ我から行くゾ！」
考えるのは後だ。来る……！
「【蛇糸】」
糸を分厚い網状にすると先端がパカっと口のように開くと蛇のように襲ってくる。
攻撃を避け糸を切ろうとするが厚すぎて刃が通らなかった。属性刀士になった時ＳＰの他にＭＰのゲージも現れ、俺が属性を纏わせ際はこのＭＰを消費している。長引いたらＭＰがなくなる。その前に決める。地面に刀を突き立てスキルを使う。
「【八重葎・土】」
地面から土で出来た先端が尖っている針のようなものが伸びると更にそこから枝分かれし広がり俺の姿を完全に隠す。
「ソンなことしても無駄ダ！ 【独楽糸】」
隙間から見るとオルトさんは糸を一塊にし、独楽の形にすると回転し俺の向けて飛ばしてくる。
凄い音を立てながら壊し来る。今のうちだ。
俺は上の方に一気にジャンプしてオルトさんを見るとギロっとした目と合う。
「ソコか！」
俺を見つけるやいな独楽をこちらに飛ばしてくるオルトさんに間合い詰めながら斬るスキル【一閃】を使い独楽を叩き切りながら近づいて行く。
「遅イ！ 【狂い糸】！」
四方八方から糸が襲い掛かってくるが俺はそのまま突っ込んだ。
「フッ。血迷ったか。所詮はプレイヤーか……我の糸に包まれたが最後。我の勝ちは決まりだ」
「あんま、プレイヤーを舐めるなよ？ 【霞桜・光】！」
オルトさんの背後に現れ、目にも止まらぬ速さでオルトさんの首を刎ね飛ばす。
糸に襲われる前に俺は体を霧状に変え相手の背後に出現すると同時に斬るカウンターのスキル【霞桜】に、俺のＭＰを全て使い四つの属性を纏わせるときのみ使える光属性を纏わせることで光速で斬ったのだ。。一か八かだったけど上手く行ったおかげでオルトさんのＨＰを全損することに成功した。
頭が切り離された体が倒れ込むと黒い煙が一気に広がり観客席も見えなくなってしまった。
その中を黄色く光る爬虫類の二つの瞳がこちらに近づいてくる。俺は急いで鑑定した。
「その姿がオルトさん……いや、こういうべきかな？ 浮遊城デモニオキャッスル第十七階層ダンジョンボス――ボーティスと」
「我を見テモ驚かぬカ、プレイヤーよ」
「似たような奴を知っているからな……それで、お前の目的は……って聞いても答えないんだろう？ プレイヤー側の実力調査ってとこなんだろう？」
ボーティスは不敵な笑みする。
「……今回はオ主に勝利を譲ロウ」
その言葉だけ言いボーティスは黒い煙の中に溶け込み煙が晴れるとどこにもボーティスの姿はなかった。
『オルト選手の姿がどこにもありませんね。これはナツキ選手の勝ちでいいんでしょうか？ ミスターＮ』
『オルト選手のＨＰを全損させていたのでナツキ選手の勝ちです』
『確かに。では、第一試合勝者ナツキ・トワイライト！』
あの後なのかまばらな拍手が聞こえてくる。まぁいいさ。色々と気になるけことはあるけど考えるのは後だ。俺は兄貴にＶサインを送り控室に向かった。
控室に戻った俺はソファーに深く腰掛けた。疲れた……。
すると、トントンと扉が叩く音が聞こえる。
「夏樹？」
兄貴の声が聞こえ重い腰を上げ扉を開けた。
「よかった。中にいたんだね。返事ないからいないと思ったよ」
「ちょっと疲れたから座ってただけだよ。それよりもどうしたの？」
「あ、うん。おめでとうって言いに来ただけだから、次の試合まで時間あるしゆっくり休めよな。それじゃ」
「兄貴……っ」
立ち去ろうとする兄貴の袖を俺は思わず掴んでしまった。
兄貴は不思議そうに見てくる。
「あ、えっと……元気がでるから。その……頭撫でて欲しい、です……」
「仕方ないなぁ～」
兄貴は俺が小さい時にいてくれたように優しく頭を撫でてくれた。
「元気でた？」
「うん。サンキュー兄貴」
「じゃあアルナさんの試合を見に行ってくるからちゃんと休めよ！」
兄貴は走って観客席に繋がっている通路に向かっていく。
姿が見えなくなり、扉を閉め、俺は控室にあるモニターを起動させて第二試合の様子を見ることした。
