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バグから始まるVRMMO活動記  作者: 紙紙紙
53/165

第53話

更新遅くなってすみませんでした。

明日からは通常通りの時間に更新します。

 迫りくる黒い球体を見ながら僕は抵抗するが指一本動かせない。

 あれを食らったら大ダメージだ。避けないと。だが、どうやって……

 黒い球体は目前まで迫ってくる。


「カッメ!!」


 その時、ゲンブから強くて青い光が発せられるとゲンブを中心に大量の水が沸き上がり全体的に押し流す。


『くっ、小癪な手を……!』


 女王も押し流されたことで魔法の維持ができなくなり部屋全体に掛けられた重力と黒い球体は無くなった。

 動けるようになったのはいいけど水の流れが強すぎて溺れる!


「チュン!」

「ギャア!」


 動けるようになったスザクとセイリュウは僕の腕を掴み水上に持ち上げてくれるが流れのせいでなかなか持ち上がらない。


「ガウ!」


 僕の目の前に土の壁が現れ流れてくる水を堰き止めようやく息が出来るようになった。


「ごほっ、ごほっ……はぁ……み、んな……平気?」


 そう尋ねるとセイリュウとスザクとビャッコは頷く。

 水が収まるとゲンブは僕の所まで戻ってくる。


「ありがとなゲンブ。おかげで助かったよ」


「カメ!」


 僕は召喚獣達を順番に撫でつつ召喚獣達のHPを確認する。

 全体的にHPは半分を切っている。今すぐ回復させたいがそんな暇はなさそうだ。


『何なんだ……そ奴らは……! レベルがカンストしてもおらぬのにタイダルウェイブが使える筈がない! そ奴らは可笑しいぞ! あり得ない!』


 女王は杖に魔力を集中させている。きっと大技を使うつもりなんだろう。

 それよりも僕は女王の言い草に怒りを覚える。

 僕は怒りを込めて女王に言う。


「こいつらは僕の大事な相棒で、大切な家族だ! いくら女王でも今の言い草は許さない!」


 僕の言葉に呼応するかのように召喚獣達は強い光を放つ。そして、僕の目の前にウィンドウ画面が現れそこにはスキル【四神の共鳴】の発動条件が達成したと表示されていた。

 僕は急いでスキルを確認する。

 一度使用すると一週間は使えなくなるが、その代わりに属性関係なくランダムで最上位魔法が使えるようになる。

 女王に勝つにはこれしかないと思い僕は使った。

 すると僕の周囲に魔法陣が浮かび上がりルーレットが回る。そして、MPを全て消費して選ばれた魔法を僕は唱えた。


「メテオ」


『メ、メテオだと……?』


 上空からゴゴゴと轟音と共に何かが落ちてくる音が聞こえる。天井があって見えないけど多分隕石が降っているのだろう。

 女王は集中していた魔力を中断し、僕の所まで急いで飛んでくる。 


『お主、何をしたかわかっているのか! えい、話はあとだ。メフィストよ。こ奴らを連れて退避しろ』


「承知したぞ女王よ」


 メフィストは悪魔の姿に変わり僕と夏樹を片腕ずつ抱き上げる。召喚獣達はその隙に僕にくっつく。視界が一瞬暗転すると僕達は空にいた。

 周りを見渡すと無数の隕石が城だけではなく、その周囲にも落ち大災害になっていた。


「勇者よ、流石にこれはやり過ぎだと思うぞ」


『まったくだ』


 沢山の妖精を連れて女王は現れた。


「兄貴、こんな魔法使えたっけ?」


 そう尋ねられ僕はスキル欄にもともと無く先程覚えたスキルを説明した。


『お主、どういう魔法か知らずに使ったのか?』


「はい……まさか、こうなるとは思いもしませんでした……」


「流石兄貴! やる事成すこと半端ないぜ!」


「流石は勇者だ! 我が認めただけはある! ぶははは!」


『……ここには阿呆しかいないのか』


 隕石が降り終わると僕達は地上に降りた。

 見るも無残な光景に女王は涙を流していた。


『我の城が……我の花園が……』


「明日にはきれいさっぱりに元通りなっている。そう泣くではない女王よ」


『…………確かにそうだ。ここまで壊されたのは初めてだったのでな取り乱してしもうた』


 さっきまで落ち込んでいたのが嘘のように女王は元気を取り戻した。

 僕は女王に頭を下げ謝罪をする。


「本当にすみませんでした」


『そう謝るな人の子よ。明日には元通りになっておるさ。それよりも褒美を渡さなければな』


「え……いやいや、いいです! 滅茶苦茶にした僕……私が貰う資格なんて」


 断ろうとしたが女王は僕の手を掴み何かを握らせる。

 僕は手を開いて確かめるとそこにあるのは緑色の結晶で作られたリングだった。


『それは我を楽しませてくれた褒美だ。それを受け取らないなら、また我と一戦してもらうが……良いか? 我はそれでもよいがな!』


 受け取りたくない気持ちはあったが、また再戦しないといけなくなるのは嫌だった僕は渋々受け取った。


「あ、有難く頂戴致します……」


『つけてみろ』


 女王に言われ、僕は空いている左手の人差し指にリングを嵌めると何故だか女王は嬉しそうな表情をしていた。


 

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