第24話
「兄貴! 今のなに!」
「僕に聞かれても分かんない!」
夏樹に両肩を掴まれ揺さぶられる。その時、ミストレオパルドが動き出すのを見えた僕は体が自然と動き夏樹を庇おうと前に出る。
「カーメッ!!」
「GRAAA!?」
ミストレオパルドの真下から物凄い勢いの水が湧き天井まで一気に押し上げる。水が収まるとミストレオパルドは地面へ落ちた時の衝撃がダメージ判定があったようでミストレオパルドのHPはなくなりドロップアイテムを残し消滅した。
「兄貴倒しちゃった、のか?」
「みたいだね……これってありなの?」
「うーん、微妙だけど倒せたんだしありで!」
「そう、ですか」
何とも微妙な終わりを迎えたミストレオパルドに心の中で謝罪をする。
その後、ドロップアイテムを回収して、壁に現れたボタンを押すとボタン近くの壁がガタンっと音を立て横にスライドした。そこには下の階層に続く階段があり僕達は次の階層の向かう。
「なぁ兄貴、さっきのってゲンブの力だったのか?」
階段を下っていると夏樹が尋ねてくる。僕はゲンブのスキル欄を見ることにした。
「多分なんだけど、レベル30で覚える周囲の水を操る魔法ウォーターコントロール、だと思う」
「へー、そんなのあるんだ。水がゲンブなら、土がビャッコ、風がセイリュウで、火がスザクって感じでそれぞれ操れる感じ?」
四匹のスキルを確認して僕は答えた。
「みたいだね」
「ふーん。ちょっとした疑問聞いてもいい?」
「疑問?」
「兄貴は召喚獣たちの固有スキルで各属性の魔法が撃てるんだよね?」
「レベル20までの魔法しか使えないけどな」
「兄貴は20までの魔法しか使えないけど、兄貴の召喚獣達ってレベルの上限ていうか制限みたいのないのかって」
「んー……言われてみれば……」
僕は立ち止まり思い返す。
最初にフィールドで戦った時はゲンブは援護のために僕が使えないウォーターウォールを使ってくれた。夏樹を助けた時だってそうだ、コボルト達を分断できるか頼んだら凄い勢いで湧く水で打ち上げていた。まだ水属性の範囲魔法を使ってないから確証はないけど、もしかしたあの時に使っていたのは範囲魔法だったのかもしれない。そして、今回の件だ。
それ含め夏樹に伝えた。
「制限ないみたいだね……あ、そういえば訓練場でゲンブの水球で遊んでたじゃん? あれってウォーターコントロールだった?」
「うーん、どうだろ……ウォータープリズンって魔法があるからそれかも」
「ちなみにその魔法は何レベで使えるの?」
「35で使えるようになる」
「てことは制限ないっぽいな……強くね?」
「あはは……」
僕と夏樹はゲンブを見るもゲンブ自身はのほほんとしていて僕達の視線を水のように受け流していた。
「それも追々調べるとしてそろそろ二階層に着くぜ」
「おう」
色々と思うところはあるけど一旦置いといて、先ずはこのダンジョンを攻略だ。
気を引き締め直して二階層に進んだ。




