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バグから始まるVRMMO活動記  作者: 紙紙紙
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第16話

「弟君! そっち行ったよ!」


「はい!」


 緑色の皮膚を持つ小学低学年程の身長の敵モンスター、ゴブリンが掻い潜って二匹が夏樹に向かう。


「はっ!」


 一匹のゴブリンに一気に間合いを詰め首を刎ねる。

 スキルを使った後の硬直時間で動けない夏樹にもう一匹のゴブリンが襲いかかるがファイアーボールをぶつけ吹き飛ばす。

 スザクを召喚はしていないが威力には不安があったが問題なく倒せた。

 ちなみにスザクを出してないのはどこまで倒せるのかの検証だ。


 敵モンスターと遭遇する前にアルナさんには、この事と召喚獣を召喚しなくても召喚獣のスキルが使えると伝えている。

 まあ当然のように驚かれ、あり得ないと言われたのだが「ゴッドクラスだしなぁありなのかな?」と自己完結して納得してくれた。



「サンキュー兄貴!」


「二人ともお疲れ! いい動きだったよ弟君! それにナイス援護だったよウィル!」


 ゴブリン三匹と戦っていたアルナさんが褒めてくれるた。

 アルナさんのHPを見ると一ミリも減っていない。


「アルナさんもお疲れさまです。三匹でも余裕でしたね」


「レベルが下がっても余裕だよ!」


 低レベル帯と高レベル帯がパーティーを組むとレベルが低レベル帯に合わせられ一緒にプレイできるようになる。

 レベルが下がるということはステータスも大幅に下がってしまうけどアルナさんには余裕だったようだ。


「弟君レベル上がった?」


 そう尋ねられ夏樹はステータスを見る。


「レベル3まで上がった」


「うんうん。さぁどんどん行こう!」


 そこから僕達は移動しながら敵モンスターを倒していく。

 かなりのハイペースで行ったおかげで零時になるころには、僕はレベル19、夏樹はレベル16まで上がった。

 そして僕は新しいスキルを使えるようなった。


 新しく覚えたスキルは範囲攻撃魔法だった。

 火属性はファイアーダンス、水属性はウォータータワー、土属性はストーンスパイク。風属性はウィンドスラッシュの四つ。

 対象を中心に八メートル以内の敵をって記載されているが、これは召喚してない時の事を言っている。

 何でそんなことが分かるかというとスキル検証の際に夏樹が気づいてくれたのだ。

 召喚してない時としている時じゃ説明が変わっていることに。

 だから、召喚すると多分……でもないけど、範囲の距離が変わると思う。


「お疲れ二人とも! これでダンジョン行けるね! ダンジョンの方がレベル上げしやすいけど敵モンスター攻撃が重たくなるから防具を揃えてから挑んでね!」


「わかりました。今日はありがとうございましたアルナさん!」


 夏樹も頭を下げる。


「また行こうね。そうだ、二人ともお金ってある? なければアテムアに装備を作ってもらいのも良い案だと思うけど……」


「流石にアテムアさんに作ってもらうのは……」


「あ、今アテムアに連絡したら素材さえ揃えてくれるなら作ってくれるって!」


 僕が断ろうとする前にアルナさんはアテムアさんに聞いていた。

 仕事早っ!


「そこら辺で売っている装備よりも品質は上で作れるしどうかな?」


「うーん、どうしよう……」


 ありがたい話だけど、流石にそこまで甘えるのは……

 そんなことを思っていると夏樹に肩をちょんちょんと叩かれた。


「兄貴俺に任せて」


「ん?」


 夏樹はアルナさんに尋ねる。


「アルナさん、必要な素材ってどこで手に入るのですか?」


「NPCの店でもいくつか売っているけど基本は敵モンスターからだね。後は、マーケットかな~」


「マーケット?」


 知らない言葉が出てくる。

 僕は夏樹に任せて黙って聞くことにした。


「ありゃ? マーケット知らない?」


「一応知ってます。プレイヤー同士で素材を売買するところですよね」


「そうそう。そこでならすぐ揃えられるよ。まぁ素材によっては高いのもあるけど二人の装備なら安く済むと思うよ」


「なるほど。アルナさん必要な素材教えて貰えますか?」


「ほいほい。ちょっと待ってね……はい、これ!」


 アルナさんはウィンドウ画面を見せ夏樹はスクショする。


「ありがとうございます。とりあえず素材が集めれるか分からないので一旦保留でお願いします。揃ったらまた連絡するので俺ともフレンド登録お願いしてもいいですか?」


「お、いいよ! はい、送ったよ!」


「登録できました。これからもよろしくお願いします」


「よろしく! あ、じゃ私からもいい?」


「なんですか?」


「堅苦しいの苦手なんだ~。だから、もっと気楽に接してくれてもいいんだよ?」


「…………いいのか?」


 夏樹は友人と話す感じで接し始める。アルナさんは砕けた話し方され目をキラキラさせている。


「そう、それ! そんな感じで!」


「了解」


 夏樹はやれやれとした表情をした。


「ウィルも堅苦しいからもうちょっと砕けた話しかたしてくれたらなぁ」


 アルナさんは僕をちらっと見てくる。


「兄貴は昔からこんな感じだから無理だよ」


「えーそうなの? うーんじゃあ仕方ないか!」


 なんか一瞬僕が話題に出た様な気が……まぁいいか。


 その後、アルナさんと別れ僕と夏樹はファルトリアに戻りログアウトした。




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