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バグから始まるVRMMO活動記  作者: 紙紙紙
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第124話

大変お待たせ致しました。今日から更新再開します。今後ともよろしくお願いいたします!

 結局仕事が忙しくログイン出来なかった。そして、ぐっすり寝て気持ち良い土曜の朝を迎えた。

 時間は朝の十時、ちょっとばかし寝過ぎたな。

 夏樹は昼手前に帰るって言ってたし、その前に朝飯……かどうかは微妙だけど済ましておこう。


 部屋を出て階段を降りると母親が慌しく靴を履いていた。


「あら、起きたのね。ご飯ならテーブルあるから食べてね? あ、そうそう。後輩ちゃん達の分も残しておくのよ? お父さん待たせてるし、暗くなる前に帰ってくるわ」


「えっ、ちょっ!」


 母親は急いで玄関の扉を開けて出て行った。車のエンジン音が遠ざかって行く。

 後輩って……ヴェスナー達だよな? 伝え忘れ……あれ、昨日そんなこと言ってたような……? まぁいいや、いつ来るんだろう?

 スマホを取りに部屋に戻ろうと階段を上がっているとインターホンが鳴り、玄関の扉を開けるとそこには荷物を持ったヴェスナー達だった。


「亜樹さん! おはようございます!」


「「おはようございます(っす)」」


「おはよう」


 朝から元気のいい挨拶をするヴェスナー、セゾン、ヘストの三人と、眠そうになりながらも挨拶するクシュに思わず笑ってしまう。


「いらっしゃい。さ、入って入って」


 ヴェスナー達を招き入れ、居間へ行く。

 コップに飲み物を注いでいると四人が別々の柄の紙袋を持って集まってくる。


「亜樹さん、これ、母からです」


「私も同じ」


「俺は手作りドーナツ!」


「俺っちはバイト先のめちゃうまアップルパイっすー」


「いいのにそんな……ありがとな」


 四人分を注ぎ終わってそれぞれの前にコップを置く。


「すぐ朝飯食べるから寛いでて」


「ゆっくりでいいですよ」


「慌てて食べると詰まるよ? 颯斗みたいに」


「いつの話ししてんだよ!?」


「はいはい、イチャイチャしないそこの二人」 


「「イチャイチャなんてしてない!」」


 ヴェスナーが揶揄うと見事にヘストとクシュの声が重なり笑ってしまった。

 用意されている料理を温め早速食べ始める。

 その間、クシュとヘストは勉強している一方、ヴェスナーとセゾンは夏樹のゲーム機で遊んでいた。

 食べ終わる頃に玄関の扉が開き「ただいま」と夏樹の声が聞こえてくる。


「おかえり、飯は?」


「いる! シャワー浴びてくる。皆んなちょっと待ってて」


 そう言って夏樹は風呂場に向かった。


「そう言えば、クロウカシスの方はどうなったの?」


 夏樹が戻ってくる前に気になっていた事を尋ねるとゲームしながらヴェスナーが答える。


「一応順調。大会前には間に合う……かな? あ、史季! 今のはないだろう!」 


「知らないっすよ〜隙を見せてる方が悪いんだい!」


「くっそー」


 僕が喋り掛けたせいでヴェスナーはピンチになってしまったようだけど、すぐにヴェスナーは持ち直したようだ。逆にセゾンがピンチに陥っている。


「ウィルは大会に出る?」


 その様子を見ているとクシュに尋ねられた。


「多分出ない、かな? まだわからないけど」


「亜樹さん出たら優勝しそう」 


「兄貴なら確実だよ」


 戻ってきた夏樹は首にタオルを掛けて座っている僕の後ろから被さる。


「重いんだけど……」


 そう言うと夏樹はすぐに離れ、料理を温め食べる。

 しばらくして夏樹も食べ終わり、前回と同じく部屋を別れて、ログインした。

 ログインすると瞼を閉じて寝息をたてているルキが目の前にいた。

 僕に気が付いたのかゆっくりと瞼を開き僕と目線が合う。

 すると、ルキは僕の首に腕を回して頬をすりすりしてくる。その仕草に口元を緩めてしまう。可愛いな。


「ルキ、新しい街に行くよ」


「うん!」


 ルキに抱きつかれながら体を起こし、ベットから降りると寝室の扉が開き夏樹が入ってくる。


「兄貴、ヴェスナー達が来たら、ナハルヴァラのハウジングエリアに立ち寄ってから街へ行くよ」


「了解」


 ルキは僕から離れ夏樹の元へ走っていく。


「ナツあそぼ!」


「お、おう」


 夏樹とルキが遊んでいる間にインベントリを整理して、要らない物はクランチェストにしまい、消耗したアイテムを補充した。

 そして、ヴェスナー達から着いたことを知らせる通知が来て、迎えにいく。廊下でアカネさんに会って誘ったが予定があるようでパスだそうだ。


「よし、ハウジングエリアに転移するぞー」


 ヴェスナー達と合流して、光に包まれ僕達は転移をした。



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