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バグから始まるVRMMO活動記  作者: 紙紙紙
121/165

第121話

 街灯に照らされた道を幌馬車が水の噴水で出来たアーチを潜り乗合所に到着する。

 乗客達が全員降りるのを見届けるてから御者の人と少し話したあと僕達は街に向かって歩みを進めた。

 色んな人達が賑わっている大通りを過ぎて三階建てはあるだろう木造建てのギルドに到着。

 中に入ると真っ直ぐに受付に並んで僕と夏樹、アカネさんの三人分の許可証を受け取りギルドを出た。


「アカネさん、僕はもうログアウトするけど……」


「もうそんな時間なのか、じゃ俺もログアウトすわ」


「えぇぇ! もうログアウトしちゃうの?! これからなのに???」


「はい……明日仕事何で……」


「うぅ……なら仕方ないわね。仮としてもギルドに申請しないといけないから早めにしてほしんだけども、今度はいつにインするかしら?」


「えっと――」


 僕が言おうと思っていると夏樹に肩を叩かれた。


「兄貴、平日やれる時間ないしそれぐらい俺がやっとくよ」


「私はどっちでもいいわよ」


「アカネさんがそういうなら、夏樹に任せるよ」


「了解!」


 話も決まって僕達はアカネさんと別れ屋敷に戻っていく。

 寝室に着くなり僕はベットに仰向けで倒れ込む。ルキも僕の隣で仰向けになる。


「疲れたなぁ……ルキ疲れた?」


「ルキはね、たのしかった!」


「そっか」


 僕はルキを抱き寄せ頭を撫でてやると嬉しそうな表情をする。

 ルキを寝かせ付けた後僕はログアウトした。

 ヘッドギアを外し、部屋を出て居間に行くと母親が食器を洗っていた。


「あら、亜樹。起きたのね。ご飯食べるなら冷蔵庫にあるから温めてね?」


 母親はそう言って居間を出ていく。

 冷蔵庫を開け用意されたのを温めテーブルに並べ食べ始めた。


「兄貴、一つ頂戴?」


 半分食べ終わった頃に夏樹が居間にやってきて僕の唐揚げを一つパクリと食べる。


「夏樹……行儀悪いよ。冷蔵庫の中にあるから」


「ほーい」


 夏樹はぱぱっと温めテーブルに並べ直ぐに食事を始める。


「あ、そうだ。兄貴、夏にやる二回目の対人戦大会のお知らせがあったけど見た?」


「へぇーそんなのあったんだ」


 箸を動かしながら夏樹の話を聞く。


「開催は夏の下旬。ルールは前大会と一緒の二日間掛けての対人戦。前大会優勝した人は二日目のトーナメント戦から参戦なんだ。兄貴は今回参加する?」


「うーん、今回も見送ろうかな?」


 そういうと夏樹は分かりやすく安堵する。


「なんで、安堵するんだよ……」


「え? あー……兄貴と戦いたくないから……?」


 夏樹は目を泳がせ答えた。


「本音は?」


「ご、ごちそうさまでした! じゃあ俺は部屋戻るよ!」


 いつの間にか食べ終わっていた夏樹は空になった食器を流し台に置き、部屋に戻っていく。


「逃げたな……まぁいいか」


 食べ終えた僕は夏樹の分の食器も洗い、風呂に入ってから部屋に戻り、明日の準備をしてから眠りに就いた。

 翌日、昼休憩中に同僚と昼飯を食べに店に行き座って食べていると同僚がスマホの画面を見せてくる。


「なぁなぁ、このVRゲーム知ってる?」


 そこにはリベラシオンオンラインのロゴが映っていた。


「知ってるって言うよりも一応やっているけど」 


「本当か!? じゃさじゃさこの動画もみた?」


 動画って言われて僕はドキッとなり、画面を見るとクロウカシスでの大怪獣バトルの動画だった。やっぱりか……!


「すごいよね……この動画」


「でしょでしょ! この動画がきっかけで色々調べてたらさやりたくなってさ~」


「そうなんだ」


 僕は食事を進める。


「てか、お前がやっていたのは意外だよ。ゲームとか興味なさそうな顔してんのに」


 失礼だなと内心思いながら聞き流す。


「よし、今度一緒にやろな!」


 みそ汁を啜っているといきなり言い出し動きが止まる。


「え、嫌だけど?」


 素直に言うと同僚が泣きついてくる。


「そ、そんなことい言うなよ! 頼むよ! 一人じゃ心細いんだよ! 俺のとんかつ一切れあげるからさ!」


「一切れかよ!」


「じゃ全部あげるからさ!」


 そうじゃないんだけどと思っていると周りの視線が集まっているのに気が付く。


「おい、周りのお客さんに迷惑だから静かに」


「たーのーむーよー!」


 ダメだこいつ。話を聞いていない。


「分かった分かったから静かにしてくれ」


「本当か! やったぜ!」


 直ぐに静かになる同僚を見て少しばかりイラっとしてとんかつを全て奪い取る。


「あ! 俺の!」


「全部あげるって言ったよな?」


「うぅ……そう、だけど……」


 同僚はしょんぼりして残ったのを食べた。流石にやりすぎたかな?

 そっと戻してあげると目を輝かせて「神様」と意味が分からない呼び方をされた。




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