第111話
満喫した僕とルキはペペが用意してくれた部屋で召喚獣達と一緒にのんびりと過ごし、アテムアさんの帰りを待ったけど、アテムアさんは零時を回っても帰ってくることはなく、通知を送ってもそれすらも返信はなかった。
流石にアテムアさんを置いて帰るわけにはいかないし、どうしよかな。
「ペペ、今日ここに泊っていいかな?」
『大丈夫よ。なにか必要なモノある?』
「うーん、特には無い……かな? 」
『そう? じゃあ私は行くね?』
「色々ありがとうねペペ」
手を振りぺぺは扉の前へ飛んでいく。
僕は言い忘れたことがあってペペを呼び止める。
「あ、ペペ。僕のインベントリに苗木入れたのペペだよね?」
『半分正解で半分外れだよー』
ペペの返答に僕は頭を捻る。
苗木はペペからのはず。じゃあ何が外れだ? うーん、いくら考えても分かんない……
『苗木は私だけど、インベントリに入れたのはウィル自身だよ?』
「え、そうなの? 全然記憶にないんだけど……」
『そりゃ寝ぼけていたからね。うふふ。じゃ行くね~』
飛んで部屋を出ていくペペに僕は手を振る。
「アテムアさん帰ってくるのか~……ふぁー……眠い……」
時間を見るともう夜中の一時。アテムアさんにメッセージを送って僕は寝ることにした。
「そろそろ寝るよーみんな」
「はーい」
召喚獣達も鳴いて返事をする。
ビャッコは枕をどかし陣取る。
「えっと、頭を乗せてもいいのか?」
「ガオ!」
僕は横になり頭をビャッコのお腹の上に乗せる。
ビャッコが呼吸するたびに上下するけど、ふかふかで気持ちいいな。
ルキも僕の右側で横になり頭を乗せる。
「ビャッコあたたかい!」
「ガオ!」
ルキはビャッコの腹に顔をすりすりしている。
「ピィイ!」
スザクはビャッコに対抗してか僕とルキの間に入り翼を広げる。布団替わりなのかな?
「スザク、そんなことしなくいいんだよ?」
「ピィイっ!?」
スザクは落ち込んで翼を折り曲げる。
「ごめんごめん、言葉が足りなかったね。スザクが間にいるだけで暖かいんだから翼を広げなくていいってこと」
「ピィイ」
理解してくれたのかスザクは機嫌を直してくれた。
セイリュウとゲンブは体を小さくさせて僕のお腹の上で寝転がる。これじゃ寝返り出来ないな。
「みんなといっしょ、はじめて!」
「そうだね」
「ナツもいたらいいのに……」
「明日夏樹が暇だったら呼ぶよ。それじゃもう遅いからそろそろ寝ようか」
「うん……おやすみ……」
「おやすみルキ。皆もおやすみ」
召喚獣達はもう眠っているのか返事は返ってこなかった。
僕も目を瞑り眠りに就く。
しばらくすると、お腹が圧迫されて僕は瞼を擦り目を開けるとゲンブの大きさが戻っていた。
僕はゲンブを動かし……うん、動かない。仕方なくゲンブを揺さぶる。
「ゲンブ、起きてー」
「ガメ……?」
ゲンブはゆっくりと瞼を開ける。尻尾の蛇も目を覚ます。
「重いからこっちに移動してゲンブ」
「ガメ……」
ゲンブはゆっくりと浮かび僕が指定したところ――僕の横だけど――に移動してくれた。
ようやく寝れると思い目を瞑るけども寝れない……
時間を見ると三時間ほどしか経っていなかった。
僕はセイリュウを起こさないように持ち上げてベットに寝かせる。
起き上がった僕は窓に近づいて開けて夜風に当たる。そうしていると夏樹から通知が届いた。
『兄貴? 今どこにいるの?』
『今は妖精の花園にいるよ。そうだ、夏樹。今からこっちに来れる?』
『今? うーん、友達とダンジョン潜っているから行けないけど……なんかあるの?』
『特にはないけど、ルキが夏樹もいたらいいのって言ってたからさ。了解。ダンジョン気を付けてね』
『……すぐ攻略してそっち行くよ』
夏樹から通知が途切れ、眠くなってきた僕はベットに横になる。
寝息を立てているルキの頭を優しく撫でてから僕はもう一度眠り就いた。




