第109話
「おおおっーー! なんて美しい所なんだ! それに高難易度でしか取れない素材がこんないっぱいあるなんて!」
「アテムアさんー。取っちゃだめですよーー」
転移したらアテムアさんは目を輝かしい遠くへ駆け出してしまう。大声で呼ぶむ手だけ振って戻ってくる様子がない。思わず溜息をつく。
「ウィル、この花なあに?」
足元で光っている花をしゃがんで見ているルキが聞いてくる。僕も隣に並んでしゃがむ。
「それは光草だよ。夜になると光る花だ」
「あっちは?」
今度は別の花を指さして聞いてくる。僕は一つ一つを鑑定してルキに伝える。
嬉しいそうなルキに少しばかり花を摘んで花の冠を作りルキの頭に乗せた。
「ん?」
「似合ってるよ」
ルキは一度冠を外し、じっくりと見てから冠を自分の頭に乗せ笑みをこぼす。
「えへへっ!」
僕はルキの頭を撫でてから、アテムアさんに視線を向けるとかなり遠くの方へ行っていた。
何してんのあの人……
「アテムアさんーー! 女王の城に行きますよーーー!」
僕の声が聞こえたのか猛ダッシュでアテムアさんが走ってくる。
「早く案内しておくれ! 採取したくて仕方ないのだ!」
ちゃんと守っていたことに僕は驚き、湖の中心にある城に向かった。
まぁその道中アテムアさんとルキの目移りが凄くてなかなか進まなかった。
道なりに進んでいく湖に到着するけど、以前あった橋が無くなっていた。
「ここからどう行くんだい?」
そう言われて考えるが思いつかない。あの時は女王がいたからだったよな。
「うーん。この女王から貰ったリングを翳してみる……とか?」
試しにリングを城に向けて翳してみると、リングから光が伸び扉に当たると、ゴゴゴと水中から橋が出現した。
「じゃあ行きましょうか」
「ああ」
橋を渡り城に着くと自動で扉が開く。中に入るとアテムアさんとルキは何もかもが結晶で作られた内装を見てはしゃぐ。
そんな中、僕は女王の事を呼ぶけども姿が現れなかった。女王がいる部屋の場所は覚えていなしどうしよかな……
そう思っていると広いエントランスの天井か光の球体がふわふわと舞い降りくる。僕の目の前まで来ると光の球体は徐々に人型になり、光が収まるとピンク色の妖精が姿を見せる。
『久しぶり、ウィル!』
「え……ペッ――」
『ダメーー! 真名言っちゃダメ!』
ペペの出現に驚いて思わず真名を言いそうになったけどペペが口を塞いでくれた。
「ご、ごめん。ありがとうペペ」
『しっかりしてよもう……でも、真名覚えて嬉しい』
ペペと話していると視線を感じる。アテムアさんとルキがペペの事を凝視していた。
「えっと、彼女はぺぺって言って、友人の妖精です。で、こちらの女性がアテムアさんで小さい子がルキだよ」
『女王様の御手伝い係を任せられているペペです。よろしくお願いします』
ペペは空中でお辞儀をする。
「アテムアだ」
「ルキだよ!」
軽く挨拶を躱すとペペが言う。
『ウィル、女王様が呼んでいるから付いてきて』
「わかった」
ペペが飛んでいく方に僕達はついて行く。
横に並んで歩いているアテムアさんが小声で聞いてくる。
「アンタ、妖精達の好感度はいくつなんだい?」
「好感度は……最大?って表記されてますね」
ステータスを見てからありのまま伝えたるとアテムアさんは目を見開く。
「アンタ、妖精の依頼クエストどれだけやったんだい!?」
「正確な数は分からないけど、始まったのは夜で、終わった頃には日が昇ってましたね」
アテムアさんはため息をついてから言う。
「NPCの中じゃあ、妖精の好感度が上げにくいのに……」
「そうなんですか?」
初めて聞いたことに素直に答えるとまたしてもアテムアさんはため息をつく。
「アンタ、攻略サイトを見ない方だね?」
「ゲーム内で実際に体験して知りたいから、あんま攻略サイトとかは見ないです」
「なるほどね……」
そう言うとアテムアさんは考えだす。
すると、先導していたペペが扉の前で止まりくるっと僕達に振り返ると、凄い勢いで開いて女王が出てくる。髪は濡れていた、全裸に見えてしまう格好をしていて思わず視線を逸らす。
「あの女王様! 服を着てください!」
『ん? 服なら着て――』
「そのくだりはいいんで、早く服を!」
『何を言っておる? 今から温泉に入るのだぞ? 其方たちも入るのだぞ?』
「えぇ……」
女王の勢いに流され何故か一緒に温泉に入ることになってしまった。




