表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バグから始まるVRMMO活動記  作者: 紙紙紙
1/165

第1話

 今僕がいるのは玄関前。両親の見送り中だ。長い連休に入る為、両親は海外に旅行する計画を立てていた。当初は家族全員でってことだったけど弟に予定があったので二人で行くことになった。

 

「じゃあ、亜樹家の事よろしくね?」


「うん、わかってるよ」


「それじゃあ行ってきます!」


「いってらっしゃい!」


 両親に手を振りながら見送り姿が見えなくなると、僕は家に入り部屋に向かった。

 両親は海外、今年大学生になった弟は友人宅で連泊するからしばらくは帰ってこない。てことはしばらくは一人暮らし。前々から計画していたことがやっと実行できる。


 自室に到着した僕はパソコンの電源を入れ、その間に押入れにしまっているヘッドギアと先月リリースされたばっかりのVRMMO――リベルシオンオンラインのパッケージ版を取り出す。


 宣伝広告を見た時からやりたくてβテストの抽選に応募したけど外れ、先行プレイも忙しく出来なかったけど、ようやく始められるのだ。連休は遊びまくるぞ!


 お、立ち上がった。ソフト入れてインストールっと。


 リベルシオンオンラインは運営からはほとんど情報がなくプレイヤーが発見探索していくスタイル。βテストと先行プレイヤーで大体の情報は拡散されたが、それでも最初は批判はあった。けど一月経てば大分落ち着いた。


 このゲームはオープンワールドで種類豊富なジョブがあり、フィールドには数多くのダンジョンが存在している。リアルな異世界で第二の人生をってキャッチコピーにしているゲームだ。


 現在リベルシオンオンラインにて特定されているだけでもジョブは五十程。まだまだ条件が満たされず判明していないジョブもまだあるらしい。


 ジョブを大きく分けるとは戦闘に特化した戦闘職、採取に特化した採取職、物作りに特化した生産職の三つ。

 僕がやりたいのは召喚した召喚獣と共に戦う戦闘職――召喚士になろうと思っているんだ!


 ……インストール終わりっと。冷房の温度を少し下げてヘッドギアを頭に装着して、ベットに寝そべる。

 このヘッドギアに電源入れればゲームの世界に入れる。未知の体験に期待と不安が込み上げてくるけど勇気を出して電源を入れると意識が遠のいていく。




 気が付くと白一色の場所にいた。ここは何処だ?

 そんなこと思っていると声が頭に響く。


『リベルシオンオンラインへようこそ! 案内チュートリアルに沿ってキャラクターを作成してください。まずは貴方の分身となるキャラクターの名前を決めてください』


 名前か……どうしようかな。確か世界観的には中世ヨーロッパだったけ。せっかくだし名前もそれに合わせようかな。

 て、言ってもぱっと思いつかないな。あ、そうだ。最近見た映画の主人公の名前からとろうかな。


「確か……ファーストネームが【ウィリアム】でラストネームが【トワイライト】だったな」


 名前を入れると次の案内チュートリアルが始まった。


『次にキャラクターカスタマイズを行ってください』


 目の前にウィンドウ画面が現れた。これで行うのか。まずは種族からだな。

 

 このゲームには、人族、獣人族、エルフ族、小人族、魔族、竜人族、の六種族が存在している。ステータス的に特に差みたいのは無いためどれ選んでもいいらしい。僕も特にこだわりないから無難な人族を選ぶ。

 次に頭部パーツ。同じく拘りがないからデフォルトの顔はそのままにして髪の色を茶に変えて終わりっと。

 あとは身長は一八〇センチにしてっと。別にリアルの身長が低いから高くしてるんじゃないからな!


 残りのカスタマイズも終わり、最初の拠点になる街を選べば終わりだ。

 街は全部で五つ。僕は最初から決めていた、コバルトブルーの海に囲まれた街――ファルトリアを選ぶ。


『以上で案内チュートリアルは終わります。このキャラクターでよろしければ【YES】を、作り直しする場合は【NO】を選んでください』


 キャラクター画面が切り替わり選択画面へ。僕は迷うことなく【YES】を選択。

 

『充実した#€…6&リベ、°%#°-/ベタ、オ、・4**7オンラインライフを!』


 案内チュートリアルの音声が変に聞こえ首を傾げていると、直ぐに足元が光りだし思わず僕は瞼を閉じた。

 光が収まり目を開けると噴水広場に立っていた。


「凄い……」


 白い壁に橙色の屋根の家が立ち並ぶ街中、整備された石畳の道をゆっくり進む馬車、大通りで賑わっている多種多様なプレイヤーたち。見るものすべてに僕は目を奪われた。

 周りを見渡していると近くのプレイヤーとすれ違いと僕よりも身長が高いことに気づいた。


「あれ、一八〇センチに設定したのになんでだ?」

 

 噴水に近づき水面を覗き込むとそこには、カスタマイズしたキャラクターとは別の顔が映っていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ