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4、オーガスタ家

オーガスタ家。

レイマン・フォン・オーガスタ侯爵が現当主を務める貴族家の一つである。

長男グレイ、次男クリスト、三男アルク、四男ベルナ、そして一人娘シャルロット。

レイマンの妻、つまりはシャルロット達の母親は数年前に病気で死んだらしい。

家族関係は良好も良好。

家督争いなどの多い貴族家としては珍しいと思う。

貴族特有の選民思想なんかも無く、元一般家庭生まれには優しいものだった。


・・・で、今日は珍しく兄弟・父全員集合での朝食とのこと。

とりあえず俺は記憶に沿って食堂に向かった。

そこには、俺を待ちわびた様子の兄と父が居た。

それはいいのだが。



「シャ、シャル・・・王都の学校に行くなんて冗談だよな・・・?」


「そ、そうだ!全寮制の学院に行ってしまったら滅多に会えなくなるじゃないか!

それに学院にはお前を狙う狼どもがのさばってるんだぞ!」


「仕事や鍛錬で疲れた時に誰が俺たちを癒してくれるって言うんだ!」


・・・兄三人による駄々が始まった。

いや、分かる。妹の事は心配になるよな。元兄としてよぉく分かるとも。

・・・だが、程度ってもんがあるだろ!!

てかこれただの独占欲シスコンだろ


「何ィ!?それは本当なのか!?」


・・・後ろのクリストまで騒ぎ出した。

今の今まで兄達にはシャルロットの入学が知らされていなかった様だ。

まあ、父レイマンが事前に強く止められるのを阻止したのだろう。


「・・・悪いなシャル。ついポロっと言ってしまった。

数日後には知ることだったし問題はないと思うが・・・」


うん、隠しといたのは正解だったよ?

ついポロっとって・・・それでいいのか当主よ。


・・・さて、ボロが出ないようにしないとな。


「い、いえ・・・兄様方には隠していらっしゃったのですね。ありがとうございます。

それに心配いりませんよ、兄様方・・・」


「「「「心配するわァ!!」」」」


・・・見事にハモりやがった。流石に引くぞ。


「お前たちの気持ちは分かるが・・・私はシャルに世の中を知ってほしいのだよ」


「世間知らずなところがまた可愛いんじゃないか父上!」

「シャルに変な虫がついたらどうするんですか父上!」

「シャルを一人にして心配じゃないんですか父上!」

「シャr」


「ええい五月蠅うるさい!そんな事既に悩み抜いたわ!」


四男ベルナの言葉はかき消された。

てかお前もか父上。

・・・もうスルーでいいや。それだけ愛されてるって事だろ。

俺は学校に行ければそれでいいし。

憧れの普通の学園生活。魅力的じゃないか。この世界の学校がどんなものかは知らんが。


「えっと・・・もういいじゃないですか。

私が行くのはとりあえず試験ですし、まだ行けると決まった訳でも・・・」


「「「「シャルが落ちるわけないだろ!!」」」」


・・・凄い自信である。まあ自分でも落ちるはずはないと思うけどさ。



「・・・もういい。シャル、朝食を食べ終えたら中庭に来なさい。

ちょっと話・・・というかやっておくことがあるのでな。」


こうして始まった朝食は若干始終ピリピリした空気であった。


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