14、入学式
これからは今回のように投稿が遅れると思います。
気を長く待っていただけると幸いです。
「えー、であるからして、本学院の生徒であることに誇りを持ち・・・」
合格発表の翌日、俺たちは体育館のような施設に集められ、俗に言う入学式に参加していた。
そして約500の新入生たちは、お馴染み校長のクソ長いスピーチの洗礼を受けていた。
やはりこの世界でも校長のスピーチというのは退屈なものらしい。
俺の周りに座っている生徒も睡魔と必死に戦っているようだ。
(・・・何かこういうところは一緒だよなぁ・・・
早く終わんねぇかな・・・)
などと思いながら自分も睡魔と戦っていると、校長の話がひと段落ついたようだ。
・・・さて、そろそろ俺の出番かな?
「えー、ここで、新入生の諸君に、素晴らしい才能を持つ今期のトップ達を紹介しよう。
エリス君、アルク君、カグラ君、シャルロット君。
・・・前へ出てきたまえ」
「「「「はい!」」」」
俺とルームメイト達は声をそろえて椅子から立ち上がった。
そして四人で校長の前へと出て行った。
「・・・まずはエリス君。
平民出身ながら座学試験を満点で合格した才女だ。
この国、この世界に貢献することを私は期待している」
エリスは紹介された後、オドオドしながら生徒たちに向かってお辞儀をした。
・・・拍手が上がったが、どうもまばらだ。
平民が取り沙汰されるのが気に食わないのだろうか?
「次に、カグラ・シノミヤ君。
今回の剣術試験で圧倒的な技量を見せつけてくれた。
わが校の誇る『剣鬼』リョーマ君の妹君だ」
カグラはリョーマの名前が出てきて少しムッとしたが、すぐにすまし顔に戻して一礼した。
今度はさっきよりも大きな拍手が響いた。
リョーマというのは相当有名らしいな。
「アルク・フォン・ヴェルダンディ君。
魔法試験において中級魔法を軽々と扱って見せた天才だ。
本学院で更なる成長を期待したい」
アルクに関しては特に言うことはない。
普通に紹介されて普通に一礼した。
「そして最後に、座学・剣術・魔法全ての試験において彼女ら3人に次ぐ記録を出した今期の実質的トップ、シャルロット・フォン・オーガスタ君だ。
今期の学年長は彼女だ。
新入生をうまく導いてくれると信じているよ」
俺も他の三人と同じように一礼をした。
すると、一層大きな拍手が起こった。主に男子陣から。
・・・因みに、学年長とは、学年ごとの生徒会長のようなものだ。
前世ではそういう物とは無縁だったから不安であったが、さして難しい物でもないだろう。
・・・というか、魔法や剣の試験も上位扱いだったのか。
魔法は言わずもがな剣術も特に何をしたという訳でもないと思ったのだが・・・
まあなってしまったものは仕方がない。オーガスタ家の皆々様も鼻が高かろう。
その後は俺が前日に用意したありきたりなスピーチをして入学式は終わった。
入学式の後、通常なら寮に戻るのだが、先程壇上に上がった俺たちは校長に呼び出された。
校長室まで行くのに色々と生徒から話しかけられたが、、キリがなかったので適当に挨拶をして目的地へと向かった。
「ふむ、今日はお疲れ様。
案の定生徒たちにもみくちゃにされたようだね」
俺たちが校長室に入るなり、校長が疲れ切った様子の俺達に言ってきた。
「ええ。
・・・主にシャルロット様にですけれど」
「シャルロットさん、凄く人気だったです!」
「・・・まあ、容姿端麗、何でもござれなんてほっとかれる方がおかしいわよ」
「あはは・・・恐縮です」
「学年のトップ集団が女子で埋まるというのも前代未聞だしね。
君たちには期待しているよ」
そう言うと、校長はコホンと咳払いをして続けた。
「じゃあ、改めて自己紹介をしよう。
私はトルネロ・イクターマン。一応この学院のトップだ。
まあ名ばかりのトップだし、そんなに畏まらないでくれると嬉しい」
「・・・よく言いますね。
遥か遠くの私の郷里まで名の通る方だというのに・・・」
「はは、嬉しいね。
そんなに大したものでもないよ」
「はぁ・・・兄にも貴方のような謙虚さがあれば・・・」
「あー・・・リョーマ君か。
彼は何というか・・・うん。
見た目ほど接しにくい訳ではないんだけどねぇ」
俺は少しトルネロが目をそらしたのを見逃さなかった。
隠し事という訳でもなさそうだが・・・リョーマと何かあるのだろうか?
「・・・あぁ、話が逸れたね。
シャルロット君には学年長を任せたが、一人では何かと不便だからね。
三人にはシャルロット君のサポートを頼みたい」
・・・要は生徒会への勧誘である。
俺としてもこの三人と活動できるのはありがたいが、強制はできない。
「シャルロット様さえ良ければ喜んで」
「私もやります!もっとシャルロットさんとお話ししたいので!」
「・・・私はパス。色々と面倒そうだし」
・・・と、カグラ・エリスは生徒会へと任命された。
アルクには断られてしまったが、他の生徒からも募集をかけるそうだ。
新しい友人とかもできるといいのだが。
その後、俺達新任生徒会は今後の学院での活動を教えられ、解散した。
何でも、他学年の生徒会と話し合いとかもするらしい。
リョーマとやらも学年長らしいし、色々と話せるかも。
そして驚いたことに、学園祭みたいなこともするらしい。
イベントもかなり豊富らしい。
・・・俺はこれからの学院生活を楽しいものだと思っていたが、これはトラブルだらけの日常の幕開けになるのであった。




