閑話04話 眷属神たちの新年
新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくおねがいします。
「ジャンヌ様、そろそろお時間です。」
「ありがとう、シェラザード。全員揃ってるかしら?」
新年を迎えて数日たった今日は、眷属神たちが今年はじめて一同に集まる新年会の日。
元旦などは家族がいる眷属神もいるので緊急時以外は休日にするのがシィル様の方針になります。
まぁ、年末の忘年会をひきづって二日酔いの人もいるので、その対処のためでもありますが。
「すでに揃って会場の説明を頼んでいます。。女神たちには料理を。男神たちには酒樽を運ばせています」
「つまみ食いとかは程々のさせてね。流石にシィル様にお出しするのにそんな恥ずかしいものは見せられないわ」
「それは女神様たちが団結して対応されております。男神たちがすでに酒盛りを始めそうな勢いでしたので、運ばれたお酒は厳重に管理され
てました」
「シィル様とフィオナ様を呼んできて頂戴。急いだほうが良さそう」
急がないとシィル様の挨拶の前に酒盛りが始まりそうだ。
新年くらいしっかりしてほしいものだ。
「わかりました。先にシィル様を呼んでまいります」
さすがシェラザード、見ならないながらもフィオナ様の性格をわかっている。
フィオナ様を先に呼んでしまうと酒盛りを始めてしまうのが目に見えている。
「さて、そろそろいきますか」
シィル様はまだ創造神としては新米なので、それほど眷属神をいるわけではありませんがそれでも全員が集まるとそれなりの数になります
。
定期的な報告会でない限り全員が集まることはありませんので、新人の見習いの子たちには知らない眷属神たちもいます。
新年会はそういう見習いたちの顔合わせの意味もあります。
そういう意味では見習いの子たちからするとちょっとした試練みたいなものですが、そこは頑張ってもらいましょう。
「ジャンヌ、シィル様はまだか」
待ちきれない様子で男神が言ってくる。
「シェラザードが迎えに行っています。もう少しだけ待ってくださいな」
「ふむ。今年もいいものが奉納されておる。早く飲みたいものじゃ」
「はいはい、挨拶が終わるまでは待ってくださいね」
そんなやり取りをしているとシィル様がフィオナ様を連れておいでになりました。
「そら、落ち着かぬか。シィルの挨拶が終わるくらい待てぬのか」
男神たちの落ち着かない様子をフィオナ様が諌めます。
横でシィル様がしかたないなぁといった様子で苦笑しておられます。
「あんまり待たせても可哀想だし、始めようか」
シィル様の言葉に待ってましたと言わんばかりの様子でグラスにお酒を入れていく。
お酒がみんなにいき渡ったところで、シィル様のお話が始まります。
「長々と話してもしようがないので手短に。昨年は皆のおかげで大きな問題もなく終わることができた。今年も無事に過ごせるように手を貸
してほしい。それでは乾杯」
乾杯が終わると眷属神たちはお酒に料理と手を伸ばします。
見習いの子たちはシィル様や眷属神たちにお酒を手に挨拶に回っています。
古株の眷属神たちやフィオナ様は見習いたちの挨拶が終わるまでは動けないため、料理を手に取るとのんびりとした雰囲気で見習いたちが
来るのを待ちます。
私も挨拶をされる側のため、シィル様のそばで料理をつまむことにしています。
今年は豊作だったためか、質の良い料理が揃っています。
「このあたりは今まで見たことがない料理ですね」
「箱庭が全体的に方策だったようだから、新しい料理を作る程度の余裕があったということだろう」
「デザートも豊富ですし、女神たちが喜んでます」
甘いお菓子は女神たちに大人気です。
箱庭を豊かにすると、こうして食文化にも影響が出るので、みんなそれなりに真面目に取り組んでいます。
それ以外の文化も影響が出てくるため、安定して反映する箱庭を持つ創造神はお供え物もたくさん手にすることができます。
「シィルよ、この酒も良い塩梅じゃ」
「フィオナ様、見習いの子たちの挨拶が終わるまでは程々にしてください。酔いすぎると、挨拶に来る子達が怯えかねません」
「なにを言うか。この程度で酔いはせぬよ」
「そういって、去年は絡んでいたではありませんか」
実際、フィオナ様はお酒に強いのですが去年は態度の悪い見習いの子に腹を立てて躾し直されていました。
あとを引くような怒り方ではなかったのですが、それ以降躾し直された見習いはずいぶんとおとなしくなったものです。
まぁ、いい意味でおとなしくなったので良いのですが、ちょっとした信者のようになっていたのが気がかりです。
シィル様に従順で害がありませんので、まぁいいでしょう。
「ジャンヌ、こっちは気にしなくていいから君も楽しむといい。ほら、この料理なんて美味しいよ」
「すみません、シィル様」
考え事をしていたのがバレたのか、気を使われてしまった。
「ほれ、そなたも飲まぬか」
「フィオナ様、お酌をあなたがしたら見習いの子がお酒を注げなくて困るじゃないですか」
「そなたがボーッとしておるから悪いのじゃ。ほれ、挨拶に来たぞ。さっさと杯を開けぬか」
急かされるままに杯を空けて御酌されます。
お酒はあまり好きではないのですが、飲まないと見習いの子たちが困るので止む終えません。
せっかくの宴会なのであまり長く捕まえるわけにも行きませんので簡単な話をするとすぐに開放します。
シィル様やフィオナ様もこちらに気を使いつつ他の見習いの子たちの相手をしておられます。
もっとしっかりしないとと思いながら、見習いたちの相手を務めます。
今年もシィル様のお役に立てるように精進しようと心に決め、来年も楽しい新年会を迎えたいと思いました。
本当は元旦に更新したかったのですが、コミケとかの疲れた出て無理でした。
更新速度が落ちないようにがんばりますのでよろしくおねがいします。