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新米創造神の箱庭創世記  作者: 月城みなも
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閑話02話 眷属神たちの交流

今年最後の更新になります。

仕事が忙しくなると途端に更新が怪しくなるのがだめですね。

なんとか更新が間に合いましたが、ストックが早速なくなったので頑張らないと。


前回に続き閑話です。

今回は眷属神たちのお話です。


「ねぇジャンヌ様、本当にシィル様は怒っていらっしゃらなかったのかしら?」

「シィル様はあの程度のことで怒ったりしないから安心しなさい」

「でもでも、あんなひどいことをしたんですよ、あの子たちは。やっぱり根絶やしにした方が・・・」

「そんなことをしたらそれこそシィル様に叱られるわよ。いいから落ち着きなさい」

 はぁ、どうしてこんなことになったのかしら?

 私は目の前に座って頭を抱えている後輩(?)を見ながらため息をついた。

 この後輩は私の主であるシィル様が作った箱庭から召し抱えた英雄-シェラザードといいます。

 立場としては私たち眷属神のさらに下で、いわゆる見習いになります。

 創造神の仕事はいつも人手不足で優秀な人材が箱庭に現れると、天寿を全うした後眷属神の見習いとしてスカウトします。

 あくまで勧誘のためスカウトされた人はスカウトに応じるもよし、断って輪廻転生に戻るのも自由です。

 スカウトに応じたものはスカウトした創造神の元で働くわけですが、この際、自分が所属していた箱庭には基本関わることが出来ません。

 自分がいた箱庭には良くも悪くも情が移るため、正しい判断が難しくなるからです。

 シェラザードが落ち込んでいるのも、自分がいた箱庭で自分の子孫がシィル様に失礼なことをしたことを気に病んでのことです。

 シィル様の敬虔な信者だったこの子にとって、子孫がシィル様に失礼なことをしていたなど悪夢以外の何物でもないのでしょう。

「もう問題は解決しているのだから、気にしても仕方ないじゃない」

「うぅ、シィル様になんとお詫びすればよいのか・・・」

「だからシィル様は気にしてないといってるでしょう」

 もう何度目になるんでしょうか。

 他の眷属神に押しつけられたのですが、さすがに鬱陶しいです。

 真面目で優秀な子なんですが、融通が利かない部分があると言いますかもっと柔軟に考えてほしいものです。

「シィル様が帰ってきた時にそんな顔を見せたら心配させてしまうわ。あなたが死んだ後のことまで気にしてもどうしようもないことでしょう」

「それはわかっているんですが、もう少しどうにかならなかったのかとどうしても考えてしまうのですよ」

「今後の課題として考えなさい。今はお茶会の時間ですよ。さあ、お茶が冷める前に召し上がれ」

 そんなわけで、こうして気にする見習いが多いため出身箱庭には関わらせないというのがシィル様の方針なのです。

「ふむ、ようやく落ちついたか」

 ようやくシェラザードを落ち着かせたと思っていると、タイミングを計ったように同僚がやってきた。

「人に押しつけておいて終わったら出てくるとか最低ですね、フィオナ様」

「なに、筆頭殿の方が私よりこういうことには向いているだろう」

「自分の担当している見習いの世話ぐらいしっかりしてください。といいますか、元創造神であるあなたの方が適任でしょう」

「今はもう創造神ではないのでな」

 肩をすくめながらそんなことをおっしゃっておられるこの方はかつて創造神であられたフィオナ様です。

 シィル様を召し抱えられた元は創造神だったお方です。

 シィル様が創造神になられたあと、管理していた箱庭を自信の眷属神から創造神に昇進された方々に任された後現役を引退されてなぜかシィル様の眷属神をしておられます。

 シィル様も困っておられましたが頭が上がらないそうでそのまま押し切られてしまったそうです。

 創造神をしていたことを踏まえて、眷属神の教育を中心にお願いしております。

 シェラザードのように精神面で難しいこの世話をお願いしているのですが、時々こうして面倒ごとを押しつけてきます。

 おそらく、筆頭を務める私の教育も兼ねているでしょう。

 実際、手に負えないような事態になるとどこからともなくやってきて助けてくれますし、感謝はしております。

 ただときどき面倒だと思ったら丸投げするのだけはやめていただきたいといつも思います。

「堅いことを言うな。そら、駄賃代わりにお菓子を持ってきたぞ」

 そういうと、囲んでいるテーブルの上にお菓子が現れる。

 焼き菓子にケーキ、果物をふんだんに使ったパイなどどれもおいしそうだ。

「一体いくつ持ってきたのですか? 三人で食べるにはちょっと多すぎますよ」

「なに、すぐに人数が増える」

「どういうことです?」

「せっかくなのでな、眷属の女神や見習いたちも呼んでおいた。仕事が一段落したら来るだろうよ」

「相変わらずそういうことには本当に気が利くのですね」

「賑やかの方が気がまぎれるだろうよ」

 こういう気遣いに関してはまだまだかないませんね。

 創造神として眷属神をまとめておられるのは伊達ではないのでしょう。

「すみません、フィオナ様。気を遣っていただいて」

「そなたはもう少し肩の力を抜くがよい。過ぎたことを悔やむのではなく、これからのために失敗を生かすことを考えよ」

 人が増えるということで、お茶の用意をしているうちにフィオナ様がきれいにまとめていらっしゃいます。

 なぜでしょう、おいしいところ持って行かれた気がします。

 釈然としない思いをしていると賑やかな話し声が聞こえてきました。

 どうやらフィオナ様が声をかけた女神たちがやってきたようです。

「シェラザード、立ち直ったのなら手伝ってください。フィオナ様もお茶を運んでくださいな」

「す、すみません」

「私を働かせるのはシィル以外だとそなたくらいじゃ」

「光栄ですね。皆に声をかけたのはフィオナ様なのですから責任持ってもてなしてくださいな」

 二人に準備を任せると私はやってきた女神たちを出迎えることにしました。

 想定外ではありますが、楽しいお茶会担ったのでよしとしましょうか。

年末のコミケに参加しております。

まぁ、新刊は間に合わなかったので箱庭創世記のSSを載せた無料のペーパーだけになります。

既刊は東方シリーズの二次創作とオリジナルの小説を用意しております。

興味がある方はよろしければ来てください。

参加日とサークルスペースは以下になります。

12/29(土)

西1ホール の-19b 極上素材?!

よろしくお願いします。

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