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新米創造神の箱庭創世記  作者: 月城みなも
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いつもと変わらない箱庭

新規連載開始。

基本一話完結あるいは数話完結で進めます。

書くことを習慣づけるための練習用なので文字数は多くないです。

あと、つたないのは承知しているので中身のない批判はお控えください。

誤字脱字や矛盾の突っ込みなどは改善点になるので歓迎します。

「んー、どうしようかしら」

「どうかしたのかい、ジャンヌ」

「あ、シィル様」

 箱庭を覗きながら悩んでいると、創造神のシィル様がやって来ました。

 ここは世界の狭間。

 正確にいうと創造神たちが作った世界ーー箱庭を浮かべて管理しているところ。

『たち』といっているところからもわかりますが、創造神と呼ばれるお方は何柱もおられます。

 ただ、箱庭にすむ人たちからは高次元過ぎてこちらを認識はできません。

 また、基本的に自身の作った箱庭にしか干渉はできませんので、箱庭のがわからすると創造神は一人しかいないことになります。

 たまに複数の神様が共同で作った世界というものもありますので、あくまで基本的にではあります。

 シィル様は創造神に最近昇神された方で、私の主神であられます。

 あぁ、自己紹介が遅れました。

 私はシィル様に仕える眷属神のジャンヌと言います。

 シィル様にお仕えする眷属の筆頭を勤めております。

 成り立ての創造神にそんなに眷属神が使えているのかという疑問があると思いますが、ぶっちゃけると一人で世界を管理するのは大変なのです。

 自身の作った箱庭のなかに限りいますが、創造神は基本なんでもできます。

 しかし、世界というものは様々な要素が複雑に混ざりあってできているため、それらを一つ一つ管理して調整するというのは非常に難しいのです。

 はっきりいいますと、とある箱庭で問題になっているブラック企業顔負けの忙しさになります。

 このため、一柱の創造神には複数の眷属神がつかえて、管理をお助けしています。

 眷属神が増えると調整が大変になりますが、それでもお一人で管理するよりはよほどマシになります。

 そんなわけで、今日も私ジャンヌは箱庭の管理をお助けしているわけですが、最近作った箱庭でちょっと気になることがあって悩んでいました。

「この箱庭で干ばつが起きそうになっているのでどうしようかと思いまして」

「それ、最近人類が生まれた箱庭だよね」

「はい。時代的には農業が始まったくらいですね」

 目の前の箱庭を指しながら私はシィル様に報告する。

 この箱庭はつい最近創造したものだ。

 文明レベルは狩猟中心の世界から農耕が始まったくらいのまだまだ脆弱。

 干ばつや冷害が起こったらすぐに崩壊する程度だ。

「ようやく農耕が始まったのでできたら全滅は避けたいと思いますが、加減が難しくって」

「干ばつが起こった場合、生き残る地域はどのくらいあるのかい?」

「そうですね・・・半分は残らないでしょう。3割程度でしょうか」

「う~ん、なにもしなくても生き残りそうだからなにもしなくていいんじゃないかな」

「ですがこのまま干ばつで人口が減ると、発展が遅れるのでは」

「それもまたひとつの結果だと思うけどね。それに、人類がいなくなったとしても動物や植物が残っているのであれば生命はなくならない。知的生命体が存在しない世界というのもひとつのあり方だし」

「ですが、この世界は知的生命体がいることを前提にした世界でしたよね? 方針的には生き残ってもらわないといけないのではないでしょうか?」

「その通りなんだけど、天候関係は不用意にさわると影響が大きいからね」

「それはそうですが」

 天候は箱庭を構成する要素のなかでも特に複雑なもののひとつです。

 ある地域の天候を操作するだけで世界全体に影響が出てくるため、天候を操作する場合はかなり気を付けなければなりません。

 今回の場合、干ばつが起こりそうな地域に雨を降らせるを降らせれば干ばつについては簡単に解決します。

 しかし、下手に降らせると今度は他の地域で干ばつが起こることになります。

 影響の少ない場所に干ばつを起こせばいいように思われますが、長い期間でみれば別の地域で干ばつを起こしたために新たな気候変動が発生してよりひどいことになるということもあり得ます。

 そうすると、また天候を操作することになりますので、いつまでも私たちがてをいれ続けることになります。

 箱庭は基本独立して存在することが好ましいため、神の手がずっとはいる状態は不健全でありよくはありません。

「想定される事態としては、普通に農作物の不作と水不足で人が餓死すること、あとは水源があるところとないところで戦になる感じでしょうか」

「狩猟民俗の方は食べ物や水のある地域に移動するだろう。案外彼らの方がこういうときは強いのかもしれない」

「もう少し文明レベルが上がれば食べ物を貯蔵するなどして備えるようになりますから、安定して作物を生産・貯蔵できる農耕民族の方が強いんでしょう。」

「今の段階だと普段安定している分、突発的に干ばつなんかで生産がダメになると途端に厳しくなるんだろう」

「・・・対策については神託を出して食べ物がある地域に誘導したり、ため池を作らせたりして備えさせる方向でよろしいでしょうか」

「うん。下手に手を出すと世界中が水没するかもしれない。前に別の神様で似たようなことがあったらしいから」

 以前、天候を操作した結果世界中で大雨が降って地上の生命体が押し流されるという事態になった箱庭がありました。

 気候を操作した結果、一時的に海にある水が大量に雨となり地上を押し流してしまったのです。

 神託をだして備えさせたため全滅こそしませんでしたが、かなり文明レベルがさがってしまったそうです。

「あそこまでひどいことにはならないだろうけど、今の人類で乗り越えられる程度であればこのままでいいだろう。むしろ、下手に手を出すよりは」

「困難を乗り越えさせて、成長を促した方がいい、ですか?」

「うん。これで干ばつなどの備えについて学べるだろう」

「わかりました、それでは神託を出しておきます」

「よろしくね」


 このあと、箱庭では神託を受けた箱庭の住人たちの頑張りにより人口を大きく減らしたものの無事困難を乗り越えたことを記しておきます。

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