18 いたずらゴルドくん
『駄犬⇒金狼』第1巻情報 Vol.9
書籍版発売まで、あと4日……!
今回は、昨日お知らせしたとおり、特典のSSペーパーのご紹介です!
今日、ご紹介するのは……、
ゴルドウルフと入浴『リインカーネーション編』です!
特別に、ちょこっとだけお見せいたします!
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
『ゴルちゃんと入浴券』をはじめとする、『ゴルちゃんと~』シリーズ一連のチケットの発起人である、リインカーネーション・ホーリードール。
彼女は元締めでもあったのだが、チケットの乱造という不祥事を起こし、早々にその地位を追われてしまった。
いまやオッサンの認可印のあるチケット以外は無効となってしまったのだが、そんなことでへこたれる我らが大聖女様ではない。
彼女はありとあらゆる手段を駆使して、『ゴルちゃんと入浴券』の入手に成功していた。
「うふふ、ゴルちゃんといっしょにお風呂に入れて、ママ、とってもうれしい!」
スーパー銭湯さながらの、ホーリードール家の巨大な浴場。
だだっ広い洗い場の中央で、嬉々とした声がこだまする。
オッサンは腰にタオル一枚という出で立ちであった。これはまあいい。
しかし一緒に入っている、リインカーネーションまでバスタオル一枚。これは大変まずい。
なぜならば彼女の3桁をゆうに超えるバストは、そんな薄布程度では隠しきれるはずもないからだ
聖女というのは普通、一生をかけて仕えると決めた勇者以外には、肌を晒してはならない。
が……彼女の場合は、もはやそんなレベルではない。
ホワイトメロンのような物体が半分以上はみ出していて、桜貝のような先端にかろうじてバスタオルが引っかかっているという有様。
それがまた、動きを抑制するものが何もないものだから、片手をあげるだけで側面に触れ、
ふるんっ……。
と波打ち、身体を少し揺らすだけでも、
たゆんっ……。
とありあまる量感をアピールしてくるのだ。
しかもそんな状態では、
ぽろんっ……。
と、まろび出る事態が続出……!
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
もういきなりアレですが、ここから先はもっとアレな感じになっています!
リインカーネーションのアレが拝みたい方は、
第1巻の発売日、2020年5月25日に『アニメイト』様を要チェックです!
特典配布には開催期間、および配布数には限りがありますのでご了承ください。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、営業状況や時間が変更になっている店舗様もございますので、ご確認のうえお求めください。
また、今回お見せした内容は、ここからさらに修正される可能性があります。
実際の特典とは異なる箇所もあるかもしれませんので、ご了承ください。
こちらの書籍化情報のバックナンバーがご覧になりたい場合は、『活動報告』をご覧ください。
プリムラはキリーランドにあるスラムドッグマート支部の2階から、ぼんやりと窓の外を眺めていた。
少し前までランとわんわん騎士団がいたのだが、つまらないと言って出て行ってしまった。
――わたしはやっぱり、つまらない人間なのでしょうか……。
支部の前にある道は、聖女学校の通り道でもある。
ちょうど学校終わりなのか、多くの聖女の卵たちで賑わっていた。
彼女たちの着ているローブを、ひとつひとつ目で追うプリムラ。
フォンティーヌデザインのもの、リインカーネーションデザインのもの、パインパックデザインのもの……。
しかしプリムラデザインのローブを着ている者は、誰ひとりとしていなかった。
まるでこの世に存在していないのかと思えるほどであったが、そんなことはない。
通りを挟んだ向こうにあるスラムドッグマートの店内には、嫌というほど積み上がっている。
学校帰りの聖女たちの多くがスラムドッグマートに中に吸い込まれていくのだが、彼女たちが手に取るのはやはり、姉や妹の商品……。
それがプリムラの胸を、さらに締め付ける。
――わたしの商品が売れていないことを、おじさまはどう思われているのでしょうか……。
やっぱりわたしがつまらない人間だから、売れていないと思われているのでしょうか……。
ああ、おじさま……。
おじさまに、お会いしたい……!
朝、別れたばかりだというのに……。
わたしはおじさまに、お会いしたくてたまりません……!
締め付けの方向性がなんだか変わってきているような気もするが、ともかくプリムラは苦しんでいた。
しかしふと、離れたところにある店舗の異変に気付く。
店の中にいた客たちがびっくりした様子で、店の奥のほうを見ている。
まるで強盗でも入ったかのように凍りついていたのだが、彼女たちは店の出口のほうに視線を動かしていた。
やがて、店のスウイングドアを開けて、現れたのは……。
「ご……ゴルドくんっ!?」
そう、『スラムドッグマート』のイメージキャラクターである、『ゴルドくん』の着ぐるみであった……!
店員の誰かが客寄せのために着たのだろうと思ったが、なんだか様子がおかしい。
なにせいつもは子供たちを引きつれて登場するゴルドくんなのに……。
今のゴルドくんの後ろにいるのは、ガラの悪そうな若者たちであった。
その様はさながら、子供を集めたくて笛を吹いたのに、集まったのはチンピラばかりで、後には引けなくなってしまった笛吹きさながら……!
ゴルドくんは店の前で、数十人のチンピラどもに囲まれていた。
その手にはナイフやバット、チェーンやメリケンサック……。
彼らはみな高校生くらいであったが、およそ子供の喧嘩と呼ぶには物騒すぎるものばかりであった。
かたやゴルドくんの武器はというと……。
なんと、というか、やっぱり、というか……。
マジックハンド……!
「ふざけやがって……! そんなオモチャで、何しようってんだよ!」
「てめぇ、死ぬのが怖くねぇのか!?」
「バカなヤツだ! ショバ代の代わりに、命で払おうってんだからな!」
「今ならショバ代の2倍、いや10倍で勘弁してやらぁ!」
「それプラス土下座な! そしたら店をブッ壊すのは考え直してやってもいいぜぇ!」
するとゴルドくんは、どこからともなく手のひらサイズのゴルドくんを取り出す。
それは、土下座しているゴルドくんの人形であった。
この人形、一見殊勝なように見えるが、背中のあたりを押すと……。
……ピューッ!
っと水が飛び出し、目の前にいるチンピラにかかった。
「うわっぷ!?」とのけぞるチンピラに、ヤジ馬がどっと笑う。
「見て、あの人形!」
「きっと、『いたずらゴルドくん』の土下座バージョンだよ!」
「新しいのが出たんだ! さっそく買わなくちゃ!」
土下座どころか新製品のピーアールを始めるゴルドくんに、ついにチンピラたちはキレてしまった。
「野郎っ! ブチ殺せぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーっ!!」
……このあとは、言うまでもないだろう。
ゴルドくんは次々と襲いかかる凶刃にカスリもせず、マジックハンドで武器を奪い、手品のように犬の骨に変えて返す。
『いたずらゴルドくん』のいろんなバージョンを取りだし、チンピラどもを目潰しする。
最後は、
「こ……この『ジン・ギルド』に楯突いて、このままですむと思うなよっ! お……覚えてろよぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーっ!!」
お決まりの台詞とともにチンピラは退散。
ヤジ馬は一流のショーを見物したかのように、拍手喝采をゴルドくんに送っていた。
その一部始終を二階の特等席で眺めていたプリムラ。
ウットリしていたが、ハッと我に返ると、
「ま……まさかっ!?」
扉を蹴破る勢いで部屋を出て、転げ落ちるように階段を降り、事務所の外へと飛び出した。
丁々発止の喧嘩を、コメディーショーにできる人間は、プリムラの知るなかはではひとりしかいない。
「お……おじさまっ! おじさまぁーーーーーーーっ!!」
往来の中を駆け抜け、名を呼ぶプリムラ。
しかしゴルドくんは振り向いてもくれない。
プリムラは興奮のあまり、つい中の人を呼んでしまったと後悔。
息が切れるのもかまわず、ありったけの声で叫んだ。
「ごっ……ゴルドくぅぅぅぅぅぅーーーーーーーんっ!!」
それは、プリムラが『君』づけで呼ぶ、唯一の存在。
なぜならば彼女こそが、生みの親だからだ。
振り向いてくれた我が子に、少女は母親ような泣き笑いを浮かべて飛び込んでいった。
……もふっ……!
「ご……ゴルドくん、お怪我はありませんか? どこも痛くはありませんか?」
すると、ゴルドくんは「大丈夫です」とばかりに頷く。
「よかったぁ……。でも、こんな事をして大丈夫なのでしょうか? あの方たちは『ジン・ギルド』とおっしゃっていました。このあと大勢で、仕返しに来られるのでは……?」
するとこれに対してもゴルドくんは「大丈夫です」とばかりに頷き返す。
……しかし、大丈夫ではなかった。
返り討ちにあったチンピラたちは、自分たちのアジトには戻らず、そのまま、『ジン・ギルド』の事務所に駆け込んだのだ。
本来は兄貴に泣きつくつもりだったのだが、偶然そこに居合わせた組長に、締め上げられて白状してしまった。
「スラムドッグマートのヤツにやられた」と……!
すると、ただでさえ鬼瓦のようにコワモテの組長は、金剛力士のようにクワッと顔を歪め、
「なにぃ……!? スラムドッグマートだとぉ……!? ……おいっ、今すぐ組のモンを全員集めろっ! このまま黙っていたんじゃあ、『ジン・ギルド』の名がすたるっ! 舎弟から若衆から若頭、兵隊から鉄砲玉からヒットマンまで、ひとり残らずだっ! 全員、ヤッパを持たせろっ! スラムドッグマートに行くぞっ!!」
一気に、全面戦争へ……!!





