鋼刃武装メタリオン第七話 助けを呼ぶ声
感想を受けると嬉しい物です。一応打ち間違いないが無いか確認してますが、もしもあったら教えてください。すぐに直しますので
【視点 少年】
僕の名前はアルトで、10才家族は妹二人とママの四人でセラリムと言う村で暮らしています。
パパは村の守り手でしたが、五年前に村に襲いかかってきたモンスターから、皆を守り死んでしまいました。
いつも僕に魔王を倒した勇者様の話をしてくれたパパが、死んだ時は寂しさから何で居なくなったのかと泣いてばかりでした。
それでも、ママやまだ赤ん坊だった妹逹もいたから、今ではパパの代わりに守ろうと今では思っています。
そんな僕の仕事ですが、近くの東にある森で妹逹と遊びながら、果物やキノコ等を取ってくる事や晩御飯の準備のお手伝いです。
森には精霊様の加護があるためモンスターも近寄らず危なくのです。
今日も森で妹逹と遊び籠半分程の果物を入れ、後は村に帰り晩御飯のお手伝いをする日常が待っている筈でした…
でも、帰り着いた村は至るところから、煙が上り近づくと、ゴブリンの群れが破壊を繰り返していました。
「ママ!ママどうしてるの?」
「お兄村の人は逃げてるよね?」
「大丈夫だから、二人とも落ち着いて…」
壊されていく家を見て、取り乱し始めた妹逹の口を僕は塞ぐと慌てて森に引き返し、村から少し離れた気の影に二人を隠しました
「ここは、精霊様の加護があるから…大丈夫だからこの森から出ないで…僕は助けを呼びにいくから」
村にはパパの友達の守り手がいますが、あれだけ多くのゴブリンです。
多分敵わないでしょう…
パパが話してくれた正義の味方の勇者なんていません…
誰かが助けを呼ばないと村の人達は皆殺されるでしょう…
僕は正直怖くて震えてます。
モンスターを倒す力なんて無い。…でも、隣の村に助けを呼ぶ事は出来ます。子供の足です…どれだけ時間が掛かるかは分かりません
でもそれでも…僕はパパの子供です…
都合良く現れてくれる勇者なんて期待できません。
パパみたいに皆を助けるために隣の村に助けを呼びに走ります
村から離れてどれだけ時間がたったかは分かりませんが、途中でゴブリン四体に見つかってしまいました。
ゴブリンは僕で楽しむように…少しずつ死なないように、攻撃していきます。
多分僕はこのままいたぶられ殺されるでしょう…なら、僕は死んでも良い。僕に親切にしてくれてる村の人を
「助けて…誰か…助けて」
いつも、僕達に愛情を注いでくれるママを
「守って…誰でも良いから」
そして、死んでしまったパパが大好きだった。そして僕も大好きな妹逹を
「助けて…お願いだから…」
パパの話してくれた物語なら思いは届き勇者様が駆けつけてくれますが、現実は残酷です…誰も来ません
あぁ、僕がしたことは…無駄だったのかな?
子供が他の村へと助けを呼ぶなんて無理だったのかな?
…やっぱり勇者様何ていないのかな…
ダメだ…足にゴブリンの持つボロボロの剣が降りおろされました。
ボロボロでも、金属の剣です。折れたのでしょうか?足が変な方向に曲がっています。
それでも、僕は足が動かないから手で這って進みます。
足が痛い
涙が溢れる
誰も周りには見えない
ゴブリンは動きの遅くなった僕の恐怖を煽るようにゆっくり囲んでいきます
ゴブリンに囲まれました。
ゴブリン四体はゆっくりと武器を降り上げます
「勇者様…村を助けてぇぇえ」
もうダメだ。僕は死ぬでしょう…恐怖で目を閉じながらも…せめて大切な人達を守って貰えるように僕に出来る精一杯の声を上げます
グシャと酷い音がしました。多分武器を叩き付けられた僕の体が上げた音でしょう…案外死んでも、痛みと言うのはありません。
どうなったか確認をするため、ゆっくりと目を開けます
「えっ………ゆ…ゆう…しゃ…さま?」
銀色のマスクを被った僕より少しだけ年上そうですが、それでも子供がいました。
「違うよ…俺は勇者じゃない……ヒーローだ!…君を助けにきた!」
先程の酷い音はゴブリンが上げた音なのでしょうか?
一匹いません。
それでも、三匹のゴブリンの攻撃を、僕に覆い被さるようにして背中に受けています。
それでもお兄さんは、全く苦しそうにせず、多分僕を安心させるためでしょう?優しい声をかけてくれました。
「キャー退いて退いて!ガリオン覚えてなさいよぉぉお」
僕が、お兄さんに村の事を告げようとした時、見たことの無い金属の箱二つが残る三匹のゴブリンの内二匹を凄い速さで轢いて行きました…