恋はされるものではなくて、するもの
前回からそのもてる技術について読者の皆様に伝授しているわけだが、かなり複雑なので、簡単におさらいしよう。
恋愛とは「エロ」と「恋」と「愛」と「恋愛」があって、これを理解しないともてるようにはならない。
「エロ」とは「自分がしたいことをする」ことであり、「恋」とは「自分が好きな人が何かをしている」ことであり「愛」とは「自分の勝手な押し付けを相手が喜んでいる」状態である。
そして、「恋愛」とは「自分の愛している相手が自分に恋していて、自分の恋している相手が自分を愛している」状態である。
ここまでをよく理解して、ここからどうしたらもてるようになるか考えてみよう。
もてるとはすなわち恋愛したいということであり、恋愛するためには「恋」と「愛」をクリアしなければいけない。
エロは必ずしも必要な条件ではないのだ。
ただ、エロが恋愛の出発点になることは頻繁にあるというだけの話で、エロなんかなくってって恋愛は成立する。
しかし、世の中のほとんどが男性のはみーんなスケベ(女もだけど)なので、色々迷ってしまうのだ。
色々迷わないように、エロの話はもっと後まで取っておく。
そこで、まずは「恋」の話。
恋の細かい説明は先月したので、今月はどうやって他人に恋してもらうかという話。
相手に恋してもらいたいと思っている時点で、自分は既に恋しているわけで、自分の恋に関してはもはや問題ない。
相手がいかに自分に恋してくれるかだけである。
他人に恋されるということは「相手の好きな自分が何かをしている状態」を作り出すことに他ならない。
他人に恋されるという言葉はなんか違和感がある言葉だが「相手の好きな自分が何かをしている状態」というのも実によく分からん言葉だ。
このよく分からん違和感のある部分こそが、恋を解き明かす鍵である。
つまり、恋というものはするものであって、されるものではないということだ。
恋する人間が希望することは「恋されること」ではなく「愛されること」なのだ。
恋する人間が希望するのは「相手に何かを押し付けられて、自分がそれを喜ぶこと」をしたいのである。
ここで人はどうしたらいいのか分からなくなってしまう。
「恋する」ことも「愛される」ことも、自分が能動的に何かをするわけではなく、相手が何かをすることに対する自分の反応だからだ。
だから、人間若いころからみーんな恋に悩み続けるのだ。
これも当たり前で、人間が今の形になってから1万年くらいたっているとして、恋愛、特に家や身分、地位とかに関係ない自由恋愛なんていう考え方ができてからまだ、100年もたっていないのだ。
みんな恋愛が下手で当たり前なのである。
話がそれたが、それでは、恋をしていて、愛されたい自分はどうしたらいいのだろうか。
答えは簡単で、当たり前すぎて申し訳ないのだが、相手に好かれるようなこと、相手が喜ぶようなことをすればいいのである。
恋をしたら、次は具体的な何か行動をしないと恋愛は始まらないのだ。
「相手に好かれようと行動する」と相手と自分の間に関係性が出来上がる。
相手が何かを自分にしてくれることにこちらが喜んでいさえすれば「愛」が成立する。
しかも、ちょっと行動するとすぐに恋愛の中の「自分が恋している相手が自分を愛している」という状態が成立する。
実はここまでは簡単なことなのだ。
だって、恋している相手に「好きスキー」とかいって、相手が喜びそうなこと(プレゼントとか)をしたりして「ありがとう」と感謝されようが意地悪をして「やめてよー」とか嫌がられようが、なんだろうがこっちが「うれしー」なんていって喜んでいればいいのだ。
でも、それでは子供が好きな女の子に意地悪するのとたいした違いは無い。
話はまたまたそれて申し訳ないが、この中途半端な恋愛の状態は、ストーカーというヤツと同じ構造である。
「相手の気持ちに関係なくこちらが起こすアクションに対して、相手が嫌がっていてもこちらはうれしい」。ストーカー犯罪を起こす当事者が、恋愛との区別がつかず、犯罪意識が薄いこともこの辺に原因があるようだ。
ただし、これは恋愛ではない。
「愛」とはあくまで「相手が喜んでいる」自分の押し付けなのであって、行動の主体が自分で客体が相手であっても、心情の主体は相手であって心情的には自分は客体なのである。
「愛する」という行為が実は心情的には受身であるということは意外にわかりづらいことなのだが絶対に理解しなければならない。
どんなにいいことをしていようが相手が嫌がっていることを「愛」とはいわない。
それがもしかして「かつて愛であったもの」だとしても、今嫌がられていたら、それは「愛」ではないのである。
簡単に言うと「相手の気持ちが一番大事」という当たり前のことになる。
話がまたそれたが、これではまだ半分。次回は「自分が愛している相手が自分に恋をしている」状態を作り出す技術を伝授しよう。