恋愛とは?
今回私はついに、「もてる技術」の開発に成功した。
特別にここの読者にだけ、この技術を伝授しよう。この技術さえ身につけてしまえば明日からあなたももてもてになる!?
まず、第一に考えたいことは、もてるということはどういうことかということだ。
もてるということは他人から愛されていたり、他人が自分に恋をしていたりする状態を指す。
だから、もてるためにはまず、「恋」と「愛」そしてこのふたつが合体した「恋愛」とは何かを解き明かさなければならない。
恋愛というものにはいくつかの段階があり「好き」があって「エロ」「「恋」「愛」「恋愛」という経緯をたどる。
「好き」というのがまず来るわけだが、「好き」っていったい何なのだろう。
色んな「好き」があるとは思うが、人間同士に限っていうと「好き」とは
「こんな素敵なあなたになりたいんだけど、私はあなたじゃあないからあなたになれないんで、『好き』っていう感情で消化しよう」という憧れや
「あなたは素敵なものを持っているけど、私は諸事情があって絶対それを持つことはできないから『好き』っていう感情で消化しよう」という羨望が多いようだ。
もちろん「好き」は他にもいろいろあるが、恋愛においての「好き」はほとんどこの二つの感情分析で間に合うと思われるので、他の「好き」ことは置いておいて先に進むことにする。
そしてまずは「エロ」から始まるわけだが、これは「自分の好きなことをしたいと思う、もしくは自分の好きなことをする」という状態だ。
オッパイを触りたい(もしくは触る)・パンツが見たい(もしくは見る)・セックスがしたい(もしくはする)は全てエロの範疇に入る。
そして、エロというものは対象を特定はしても、対象となる個性は特定しない。
つまり、誰のオッパイでも誰のパンツでも誰の性器でも構わないものだ。
だから、エロというものが恋愛と比べて極めて下品なもののように世間では感じられているようだが、エロがなければ恋愛だって始まらない。
エロは必ず他者を求めるものだから、人間関係の入り口にもなりうるものなのだ。
しかし、エロには心がない。
だけど人間には心がある。
だから人はエロだけでなく人を好きになってしまうのだ。
さて、それで「恋」とはなんなのかという話なのだが、これはズバリ「私の好きな人が何かをしている」状態である。
「恋」だけをズバリいってしまってもわかりづらいと思うので、説明は後にして、取り急ぎ他のものもズバリいってしまおう。
「愛」とは「自分の勝手な押し付けを相手が喜んで受け入れているという状態」である。
そして「恋愛」とは「自分の愛している相手が自分に恋していて、自分の恋している相手が自分を愛しているという状態」である。
もう、恋愛なんてすごく完成された状態で、人間ここまできちゃおうとお互い幸せで幸せでたまんなくなってしまう。
だから人はみんな恋愛したがるのだ。
まだ全然分かんないという人がほとんどだと思うが、もうちょっと我慢してね。
読み進んでいくうちに、だんだん恋愛がわかってもてるようになってくるから。
では、まずは「恋」の説明から。「私の好きな人が何かをしている」とは非常に非能動的な状態で、自分からは何もしない(もしくはできない)ような心理状態にある。
「私の好きな人がサッカーをしている」「私の好きな人が勉強をしている」「私の好きな人がボーっとしている」のが恋なのだ。
そうして、恋している人はそれを見てぽっと頬を赤らめたりする。
でも恥ずかしくて話しかけたりできない。
イマイチなんだか分からないと思われている読者がほとんどだと思うが、まさにイマイチなんだか分からない、ほーっとした掴み所のないふわふわしたものこそが恋なのだ。
そして、「愛」。
「自分の勝手な押し付けを相手が喜んでいる状態」である。
世の中には単なる押し付けはたくさんあるが、相手が喜んでいればそれを愛という。
「慈愛」「親の愛」「神の愛」全て相手が喜んでいるから愛として成り立っているのだ。
だから自分が「愛」しているということは、自分ひとりの問題ではなく、相手の喜びがあって初めて成り立つものなのだ。
だから別れ話の際に「自分はこんなに愛しているんだから別れない」なんて抵抗することは全く意味がない。
相手が喜んでいない押し付けはもはや「かつて愛であったもの」でしかない。
人を愛するということは、崇高で難しい行為であり、簡単ではないのだ。
さらに人を愛するには「押し付ける何か」を持っていなければならない。
空っぽの人間には押し付けるものが何も無いので、人を愛することなんてできないのだ。
だから、人を愛せるようになるためには人間的成長というものが欠かせない。
ただし、全然ダメ人間がまるで価値のない下らない押し付けをしても、相手が喜んでいさえすれば「愛」は成立してしまう。
意外に、根拠も実力も無いくせに、自信だけあるヤツがもてたりすることが結構あるのもこういった理由からだ。
そして、この「恋」と「愛」が同時に成立しているのが「恋愛」なんだから楽しくないわけが無い。
自分が何をしても相手はうれしいし、相手が何をしても自分もうれしい。これぞ、人生の春! そりゃあ、誰だって恋愛したくなりますよ、実際。
ここまでをしっかり理解した後、次回は恋愛の具体的な技術について。