━メタル・ライフ━
ブライトはブラックを肩に背負う。
「ねぇ…あんた一体、何者なのよ?いきなり襲ってきて…」
「…SEED WOMAN」
「ん?何て…」
「SEEDと呼んでくれたらいい。それが私の名前」
「そ、そう…で、あんたはなんでこの森にいるのよ?」
「さっきと聞いている事が違うようだが」
「ああもう、面倒ね」
「私はこの森を護るためにここにいる。私はこの森に踏み入る者を許さない」
「ずいぶん物騒じゃない?でも、その行方不明になった娘には何もしなかったの?」
「…あの姉妹はこの森が好き。だから私たち、この森に棲む皆があの姉妹を好き。だから助ける。それだけ」
「へぇ。それで、あの娘はどこに?」
「貴様は黙るという事ができないのか」
「はいはい、悪かったわね」
ブライトは文句を垂れながら、シードについていく。
いつしか森には、生物の気配がするようになっていた。ブラックがもし起きていたなら飛び上がって喜ぶだろう。
数分歩いたのち、シードは歩みを止める。
「ここにいるの?」
「ああ。昨日、近くの崖下に倒れてるのを見つけた」
シードの目線の先には、大量の葉っぱの上に眠っている少女の姿があった。
歯車をあしらったモチーフのついた白い大きな三角帽に基盤のような模様の緑色の上着。下には薄い桃色の服を着ており、透明な水色のスカートに、またも歯車をモチーフにしたスカートを重ねている。左腕には大きな青色と白色の物体を装着している。
「この娘が…あたしたちの探してた娘?」
「レイニーズに頼まれたと言っていただろう。間違いはない。私はあの姉妹のことはよく知っているからな」
「まだ意識は戻ってないの?」
「残念だが、まだだ。かなりひどい怪我をしていたからな…これでは彼女に申し訳が立たない」
「うーん…ブラックの意識があればなぁ」
「どうにかなるのか?」
「どうやらこいつ、傷を癒せるらしいから…あたしもやってもらったし」
「そうか…すまない」
「い、いや別に謝らなくても…もう過ぎた事なんだし」
そう言って、ブライトはブラックを地面に寝かせた。