━フォレスト・ライフ━
「━ん、うぅ…」
少女は目を覚ますなり、辺りを見回す。
「ここは…?あたし、確か…森に遊びに来て、それで…」
ここまで呟いた所で、少女ははっとした表情を浮かべた。
「崖から…落ちたんだ。あの時、足元が突然崩れて…頭から…でも、なんでこんな所にいるんだろう?誰かが助けてくれたのかな?でも、誰だろう…とにかく、今はここを動かないほうがいいかな。あたしを助けてくれた人がまたここに戻ってくる筈だし、その時にお礼を言わなくちゃね」
少女は座り込んで、目を閉じた。
「あら、あれ何かしら?」
ブライトが遠くを指差した。何やら不思議な形の棒が落ちている。
「なんだ、これ?杖…みてーだけど」
「探してる子のものかしら?」
ギザギザした杖の先端は青い玉が埋め込まれた歯車のような形を、反対側はネジのようにキノコ型にふくらみ、十字の溝が彫られている。
「よく分からんが、その可能性はありそうだ。一応持っておくか」
ブラックは杖をブライトから受けとる。
その瞬間だった。
「うわっ!?」
地面から太いイバラが生え、一瞬でブラックの体を縛り上げた。
「ブラック!」
「ぐ…ブライト、逃げろ!」
「で、でも!」
「うるせぇ!どこから仕掛けてきてんのか分からねーんだから、とにかく離れろ!」
「…わかったわ」
そう言って走り出したブライトを、また太いイバラが捉える。
「きゃっ!」
ブライトはイバラに足を取られ転ぶ。
「ブライト!」
「痛ったぁ…な、何なのよ!?いったい!」
ブライトの声に反応するように、奥から一体のロボットが姿を現した。
「━侵入者は排除する!」