━ミリオン・ライフ━
「…それって」
「断言はできませんが、彼らの反応を見るにほぼ間違いないかと思われます」
「でも、あいつらは100年前には流石に作られちゃいないだろう。なんで知ってたんだ?」
「当時の事はデータが残されてはいるのですが、なにぶん古いものなので完全に読み取ることはこちらではまだ出来ていません。ですが、その転移者の話の部分は欠損しておらず普通に読むことができました。またそのデータはいくつも複製されているので、彼らがそれを手に取っている可能性は高いです」
「…つーか、それ読んだから反乱を決意したんじゃあないのか」
「恐らく」
「…まぁとりあえずこの話はここらへんにしといて、いったん俺は戻るぞ」
「あたしも帰るよ、お姉ちゃんも疲れてるだろうし…」
「ボクも賛成かな」
「皆さん、ありがとうございました。また協力をお願いします」
4人が振り返ろうとしたとき、後ろから声がした。
「あ、あれ?もう終わっちゃったの?」
そこにいたのはブライトだった。
「ブライト!?お前…」
「ついさっき目が覚めて、ブラックたちが面白そうなことしてるって聞いたら…そりゃあ、ねぇ?」
「ずいぶん元気だね…」
「当たり前よ。獲物を独り占めなんてされちゃたまったもんじゃないわ」
「ところで、シードは?」
「ああ、あいつだったら…」
「…お前は本当に病み上がりなのか…?」
ブライトのさらに後ろから、シードが歩いてくる。
「あら、遅かったわね」
「…お前が速すぎるだけだ」
「ふふん。当然よ。ところで結局ここ何がいたの?」
「それは━」
ブラックは状況を説明した。
「…え?逃げたの?」
「ブラックを見るなりね」
「何か意味ありげな感じだったかな」
「何それ、つまんない奴らね」
「俺の身体の事を知ってそうだったが…だとしたら…」
「だとしたら?」
「あいつら、俺を生かしちゃおかないって言ってやがったんだよな。つまりまぁ…そういう事だ」
「なるほどね、それはいい事を聞いたわ」
「えっ?」
「もともとあたしたちの目的って、そのロボット軍団を壊滅させることだったんだけど…あいつらがブラックに目をつけたって事は、つまり『合法的にあいつらをボコボコにできる』って事よ」
「血の気が強すぎない…?」
「そうかしら?まぁいいわ、片付いたんだったら一旦戻りましょ。ちょっと休んだらまた出発ね」