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テクノ・ライフ  作者: カリンカ
11/18

━ヒール・ライフ━

ブライトとシードはしばらくお互いに顔を見つめあわせ、無言の時間が続く。

冷たい風が木の葉を揺らし、草の間を抜ける。ブライトはときたま身体を震えさせていて、寒さを感じさせる。

「…寒いのか?」

シードがブライトに話しかける。

「ええ、寒いわ。そういえばあんたはロボットだから寒さとかとは無縁なのね」

「そうでもない。確かにこの程度なら関係ないが、あまりにも極端だと私の動力炉に影響が出る」

「どうなるの?」

「あまりにも暑いと動力炉がオーバーヒートするし、あまりにも寒いと停止してしまう。もちろんそれに対応した造りになっていれば別だが」

「ふぅん。ロボットはロボットで大変なのね」

「人間よりはマシだ」

「まぁ、そうね」


さらに時間がすぎた頃。

「…ん、うう…」

「あっ」

ブラックが目を覚ました。

「俺は…今まで何を」

「今まで眠ってたのよ」

「そうか」

ブラックは上体を起こし、周囲を見回す。すぐに自分と同じように横になっている少女の姿が目についた。

「あいつは…?」

「メタリカだ」

「お前は…さっきの。それに、メタリカって…あの女の事か?」

「そうだ。私はシード。先刻は悪い事をした。私もあの時は気が立っていたんだ」

「いや、まぁ…別にそれはもう構わねぇんだけど、あの女がもしかして俺達の探していた女なのか?」

「そうらしいわ。だから、あんたの力を借りたいの」

「俺の? …ああ、そうか。わかった」

「助かるわぁ。あたしはそういう力がないから…」

「…この力も本当は俺のもんじゃないがな」

「へ?」

「こことは前にいた世界でな、『癒魔(ヒーラー)』を名乗る女と一緒に旅をする機会があって、そいつに教えてもらったんだ」

「へぇ。あんたも隅に置けないわね」

「そいつはいろんな世界で仕事やってるらしいから、もしかしたらこの世界にも来てるかもな」

「ぜひともお目にかかりたいわね。あんたが誰かと一緒に旅してたなんて、よっぽどの変わり者よね」

「別にそんな事はない。それより、ちょっとだけ黙っててくれるか」

「わかったわ」

「━始めるぞ」

ブラックは少女の身体に手をかざし、目を閉じる。すぐに、辺りの空気が渦巻くのがわかった。

「これは…」

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