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加害者の家族  作者: Nagare〆
大切なもの
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はじめての要望

不思議なもので、

結婚したいと強く願っていた友達には、

なかなか結婚に興味がない男性ばかりが寄り付き、

誰よりも結婚はしたくない私には、

やたらと結婚前提で付き合いたいという男性が、

近づいてきた。


中には、素敵な人もいた。


だけどその時の私は、

過去のトラウマから抜け出せず、

特定の男性と付き合う気にはなれずにいた。


それでいて、人恋しい。。。


自分でも嫌になるくらい面倒な女。


こんな私に声をかけるんだから、

それだけでも夫が変人だというのがわかる。



でも、口説かれた覚えはない。



ごく自然に。。。?


いや、端からみると、

かなり不自然な状況でありながらも、

私達にとってだけは、

ごく自然に男女の関係になった。


好きとか嫌いとか、

恋愛感情とは違う気がする。


ごく自然に、

そうなるのが当然のように付き合い始めた。


はじめから、そんな感じだったからか、

それともお互いの性格か、

特に束縛することもなく、

ケンカもせずに今に至る。


あっ、いや、一度ケンカみたいなものはした。


息子を妊娠した時、

シングルマザーになろうとして別れ話をした時、

初めて怒ったところを見た。


まぁ、怒ったといっても、

本人は否定していたけどね。


何て言うのかなぁ、

オーラっていうの?

それが、スッゴク怒っている感じなのに、

必死でそれを抑えていて、

いつも通り一所懸命、話そうとしていたの。


普段なら、どんなワガママも

嫌な顔ひとつせずにきいてくれるのに、

この時だけは、

最後まで『うん』と言わなかった。


息子が産まれるまで、

いくら言っても別れようとしなくて。。。


息子が誕生したあの日。


耳まで真っ赤になって、

後は、私のサインだけの

婚姻届を持ってきたのよね。


「嫌になったら別れればいいだけだから!

サインして!」


って。

一体、何て言うプロボーズよ。


でも、

これがはじめてじゃないかな。


夫からの要望。


そういえば、後にも先にも、

夫から何か要望される事なんて無い気がする。


うーん。


忘れているだけかな?






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