負けない
「夫がコンビニ強盗などするはずありません。」
私は、精一杯、堂々と、
はっきりした口調で、
刑事の目を見て答えた。
「えっ? あっ ? そ、そうですか ?」
弱々しく青ざめて震えていただけの私が、
態度を一変させたからだろう。
目の前の男は、
面食らったようなマヌケな顔をして、
やっと、黙った。
「この子を預けられる場所はありません。」
翔太をギュッと強く抱きしめた。
「母は、もう高齢なのでこの子の
面倒は見れません。
御近所にお願いできるほど親しい方も
いません。」
「。。。足しかに、そのようですね。」
「どうしても。。。と、言われるのなら
まずは、
弁護士さんを連れてきて下さい。」
確か、これでいいのよね。
冤罪から逃れるためには 。。。
ああ、もっと、しっかり
テレビを見ていればよかった。
ふぅぅぅぅっ 。。。
刑事は、大きくため息をつくと、
呆れたような顔をして
少し、何かを考えているようだった。
やがて。。。
「私達は、お話しを聞きたいだけです。」
「それとも、何か問題があるのですか?」
コイツ キライ
「それなら、ここでいいのでは?」
「確かにここでもいいのですが、
実は、この後、お部屋の中も
見させて頂く事になっています。」
まさか、
捜査令状とかいうのも出てるの?
「本当にお話しを伺うだけです。
本日中には帰れますので。。。。」
ウソツキ
「弁護士、呼びたければどうぞ。
私達は、弁護士の斡旋はしていませんので。」
くやしい! くやしい! くやしい!
どうせ、知ってる
弁護士なんかいないわよ。
バカにして !
行けばいいんでしょ。行けば !
どんなに脅されたって
絶対に負けないんだから!
コノ クソヤロウ !




