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ナク コト シカ デキナイ
この後の事は、よく、覚えていない。
狂ったように泣き叫ぶ私を、
小さな子供をなだめるように夫が来て、
「大丈夫。大丈夫。。。」
と、優しく言いながら、
いつものように優しく頭を撫でてくれたのは、
かすかに覚えている。
「舞衣、翔太を頼むよ。」
目の前に、心配そうに私を見つめる
息子の翔太の姿があった。
私は、ほとんど無意識に、
翔太を抱き締め泣きながら震えていた。
夫と警察が何か話をしている。
私にわかるのはそれだけ。
あぁ 。。。。。。
あたたかい。
翔太を抱き締めながら、
私は、少し、寝ていたようだった。
「大丈夫ですか ? 大丈夫ですか ?」
遠くから声が聞こえる。
「舞衣。。。ちょっと行ってくるから。」
夫の声に 『ハッ』として意識が戻る。
「。。。。。。大丈夫だから。」
夫が優しく私の頭を撫でる。
ポロポロ ポロポロ ポロポロ
ポロポロ ポロポロ ポロポロ
涙が止まらない
ポロポロ ポロポロ ポロポロ
ポロポロ ポロポロ ポロポロ
ダレカ ナミダヲトメテ
ポロポロ ポロポロ ポロポロ
ポロポロ ポロポロ ポロポロ
私は、ただ、
泣くことしかできなくて。。。
夫は、私服の警察官達に連れられて、
家を出ていった。




