もう幼い子供じゃない
お父さん お父さん 。。。
幼い日の記憶
確か、あの時、
今の息子と同じ、1才だった。
あまりにも幼くて父の記憶など残っていない。
でも、
大きな暖かい手のぬくもりだけは、
何故か覚えている気がする。
夫が、私の頭を撫でる。
あの時の感触が、
父に優しくしてもらったであろう
心地よかった幼き日の記憶を蘇らせる。
お父さん ごめんなさい
私さえいなければ、
お父さんは、死なずにいられたはず
自分という存在が許せなくて、
涙が止まらない。
お父さん お父さん お父さん 。。。
父に私の声は、届いているんだろうか?
お父さん お父さん お父さん 。。。
顔は、はっきり見えないけれど、
なぜか、笑っているような気がする。
お父さん お父さん お父さん 。。。
あぁ。。。
そう、この大きな手。
あぁ、 暖かい
大好きだった お父さん
優しかった お父さん
誰よりも
私を大切にしてくれた
お父さん お父さん お父さん
行かないで
お父さん お父さん お父さん
私を一人にしないで。
ママァ ママァ ママァ
遠くで、小さな子供の泣き声が聞こえる
ママァ ママァ ママァ
声は、どんどん大きくなる
ママァ ママァ ママァ !!!
あっ、 行かなきゃ
私は、もう、小さな子供ではない。
ママァ ママァ ママァ
ゴメン ゴメン ゴメン
今 戻るから少し待ってて
ママァ ママァ ママァ
大丈夫 大丈夫
私は、どこにも行かない




