父の死
「また、コンビニ強盗。。。」
テレビを眉間にシワを寄せて睨み付けていると、
夫が不思議そうに聞いてきた。
「そんなにコンビニ強盗が気に入らない?」
あまりにも思いがけない夫の質問に
キョトンとしていると、
「いや、なんかね。。。
お前ってあんまり、これが正しい、
間違ってるとか言わない方だろ?
でも、強盗事件については、
いつも険しい顔をして、
見ている気がするんだよね。」
「ああ。。。」
どうしよう。
そういえば、まだ、話していなかった。
「どうした?」
困った顔をして黙りこむ私を心配してくれる夫。
「。。。ひかないでね。」
「んっ?」
「今まで話したことなかったけど、
実は、私の父ってね、
私がまだ、赤ちゃんの時、
強盗事件に巻き込まれて殺されたの。」
「えっ ?」
「あっ、殺されたっていうのは違うか。。。
たまたま父がいた近くで強盗事件があって、
その騒ぎで起こった事故に巻き込まれたのよ。」
「。。。。。。」
「詳しい事は知らない。
母は、話してくれなかったから。
ただ、ニュースで強盗事件がある度に、
母が『あの事件さえなければ』って、
いつも言ってたの。
多分、そのせいじゃないかなぁ。。。」
思い出したくもない。
幼い頃の思い出。
「。。。強盗事件ってコンビニ?」
「いや、多分、違うと思うよ。
何の事件かは知らない
。。。っていうか、興味もない。」
重々しい空気が私たちを包んだ。
ああ。。。
こうなるのがわかってたから話さなかったのに。
お願い。
私を嫌いにならないで。
面倒そうな女だって思わないで。




