職務質問
夕食準備をして夫の帰宅を待つ、いつもの生活。
ただ今日は、出雲と少し違っていた。
「パパさん、遅いですねぇ。」
息子をあやしながら一人言のように呟く。
「ぱぁぱっ!にゃいにゃい。」
舌ったらずの息子の言葉が愛しい。
いつもなら、遅くても18時には帰宅する夫が、
今日は、19時を過ぎても帰ってこなかった。
昔から帰りが遅くなる時は、
必ず連絡をくれたのに。。。
ここ最近、なかったモヤモヤが、
また、はじまった。
ダレト イッショナノ ?
ダレト アッテイルノ?
嫌だ いやだ イヤダ
また、疑ってる。
嫉妬深い女
嫌だ いやだ イヤダ
信じようよ。
彼は、そんな人じゃない
外から救急車の音が聞こえた。
ハッ と、する。
もしかして事故にでもあった?
急にとても心配になって、
スマホを手に取り夫へ電話をかけた時、
玄関から音がした。
トゥルルルル トゥルルルル 。。。
「んっ? 電話かぁ ?」
のんきな夫の声が聞こえる。
「あっ、ゴメン。私。」
慌ててスマホの呼び出し音を消す。
「あっ、遅くなってゴメン。
実は、職務質問、うけてた。」
「職務質問 ?」
「うん。オレ、そんなに怪しい感じかな ?」
夫の落ち込んだような言い方に、
思わず笑ってしまう。
「あはははは。 うん。 あやしいかもっ !」
15才も年上なのに、どこか幼さの残る人。
私の大切な人
ゴメンね。
もう、疑ったりしない。
側にいてくれるだけでいい。




