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加害者の家族  作者: Nagare〆
大切なもの
18/64

朝、目覚めると、

いつも隣で寝ているはずの

夫の姿が見えなかった。



今、何時だろう?



時計を見ると、

まだ4時にもなっていない。

日も昇っていないから真っ暗だった。


変な時間に起きちゃったなぁ。

と、思いながら、

トイレにでもいるのかな?

と、布団から出る。



息子は、

気持ち良さそうに深く眠っている。



トイレに行ってみる。


夫の姿はない。



モヤモヤ モヤモヤ モヤモヤ


嫌な予感がする。


窓から外を見る。



。。。駐車場に車がない。



モヤモヤ モヤモヤ モヤモヤ


嫌な予感がする。



お願い。はやく帰ってきて。


ねぇ、どこに行ったの?



モヤモヤ モヤモヤ モヤモヤ


涙が止まらない。



モヤモヤ モヤモヤ モヤモヤ


お願い。帰ってきて。



何度、

窓とソファーの往復をしただろう?



何度目か忘れたけれど、

もう、日が昇って明るくなってきた頃、

なかったはずの場所に車が止まっていた。



自分でもどうしてかわからない。


その車の中に夫の姿を見つけた時、

これは、

見なかった事にしなければいけない気がした。



自分でもどうしてかわからない。


ただ、私がこの場面を見たことを

夫に話してしまったら、

もう夫は、帰ってこないような気がした。



私は、あわてて布団に戻ると、

何事もなかったかのように寝たふりをした。



お願い。帰ってきて!



ただ、それだけを強く願って。




しばらくして、玄関から音がした。



帰ってきてくれた!




「あれ?どこかに行っていたの?」


まるで、今、起きたかのように

眠そうに目をこすりながら言うと、


「ああ、眠れなくてね。

コンビニに行ってた。」


と、夫は、

いつものように笑って答えた。


「お前がこの前、飲みたがってた、

新商品のドリンクも買ってきたよ。」



ほら、いつもと変わらない。



モヤモヤ モヤモヤ モヤモヤ


モヤモヤ モヤモヤ モヤモヤ



気のせい 気のせい 気のせい



私は、幸せなの


この幸せは、ずっと続くの











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