表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

気持ちの確認

実は菜緒最強伝説。

「それで確認だけど、2人とも透が好きになった、そうみていいのかしらね」

 菜緒がパリパリかじりつつ、目を左右に。

「少し違いますわね。好意を多少抱いた、それくらいでしょうか」

 海苔から口を離し、人差し指を唇に当てては触角を揺らす。

 不規則な動きの触角は、ほぼそのままゲネスの心情を表している――そう菜緒は感じ取った。

「ティーネちゃんも、もう少し知りたいかなーって思う程度だよー」

 海苔が気に入ったのか、目を閉じ、味わう様に口をもにもに動かしている。

 時折アホ毛がピンピンと、跳ねていた。

「ふーん、そう……」

 涼しい顔で聞き流し、新しい海苔を取り出すとかじり始める菜緒。

「っく!?」

「いたぁ!?」

 突如ゲネスとティーネが悲鳴を上げ、何を思ったのか天板に突っ伏して手のひらでバンバン叩き始めた。

「う……痛みに耐性はあまりないのですから、もう少し優し……くぅ!」

「の、の、の、の、伸びる伸びる、伸びて戻らなくなっちゃうー!」

 コタツ布団の中がもそもそと動き、コタツ全体がガタガタと揺れるが、菜緒は変わらず涼しい顔をしていた。

「どうしたの、2人とも」

 本当にわからない、そんな顔をしながらニッコリと笑顔を作る。

「す、好きですわ! 一歩手前な気もしますけど、透さんが好きですわよ!」

「ティーネちゃんも、透が一緒に居て欲しいって思ってます―!」

「やっぱりね。正直に言わなきゃ、フェアじゃないもの」

 白状すると菜緒が満足げに頷き、暴れていた2人はやっと静かになる。

 2人のその目には涙を湛え、突っ伏したまま半眼で菜緒の顔を睨み付けていた。

「何かの文献で、日本人は足の指も器用とか聞きましたが、恐るべしですわ」

「これがどえすってやつなんだ、ねぇぇぇぇっ!?」

 ティーネだけが再び、握り拳を作って天板に額をこすりつけてもがき苦しむ。

「禍の元ですわよ……」

 ひきつるような笑みを浮かべ、ゲネスは身を起こすと親指で涙をぬぐい、菜緒に真顔を向けた。

「本当に、まだ好きだとかはっきり言える段階ではない、それだけは理解してくださいまし」

「のぉぉぉぉぉぉ!」

「ん、それはわかった。まあまだ出会って間もないしね」

「ほぉぉぉぉぉぉ!」

「そうなのですよね。だから貴女にイニシアチブがあるのですけれども、私は負けませんから」

「はわぁぁぁぁぁ!」

「望むところよ」

「ほにぃぃぃぃぃ!」

「うるさいわですわ」

「静かに」

 もだえ苦しんでいるティーネの後頭部に、菜緒とゲネスの手刀――静かになった。


 ティーネ、撃チーン。

気分転換ですので。一応本編のキャラはそのままですけど、本編では見れないお姿かも?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ