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プロローグ
もしあの日、あたしがあの子を殺さなかったら…
もしあたしがちゃんと話を聞いていたら…
君はこんなにも苦しまないで済んだのに…
「キャァ!やめて…!」
「さよなら」
「いやぁぁ‼」
……グサッ……
ポタリとたれた赤い血が脳に焼き付いて離れない…
「ごめんな、こんな事頼んで……」
「ううん!祐介がこれでいいなら、あたしは嬉しい」
「麻美…」
「…これで、星野麻美にしてくれるの?」
「………」
「え…?上野から星野にしてくれるんでしょ…?」
「……んなわけねーだろ?」
あたしは…騙された…
人殺しと言う罪を負わされた…“だけ”
祐介の元カノをあたしは殺した。
彼女を愛してる人がいるとも知らずに……