再会~三郎太と友頼~
その人は、懐かしい場所で空を見上げていた。
「若様!」
翡翠と暮らしていた家に、友頼の姿があった。
縁側に座り、まるで心ここにあらず……という姿で空を見上げていた。
そんな友頼が、三郎太の声を聞いてゆっくりと三郎太の顔を見た。
「三郎太……?」
驚いたように目を見開いた後、ゆっくりと友頼が笑顔を浮かべた。
三郎太は友頼に走りより、両手を広げる友頼に抱きついた。
「三郎太か?……大きくなったな」
「若様……戻りました」
笑顔で答えた三郎太に、友頼の顔が曇った。
「頼久は……?」
「もう、大丈夫です。
立派に成長なされておりますよ」
友頼は三郎太の言葉に、小さく微笑み
「そうか……立派に育っているか……」
と呟いた。
少し痩せた友頼は、どこか儚げだった。
ここに居るのに、心はどこか遠くにいるようだった。
「友頼……また、飯残して……」
二人の再会を邪魔しないようにと思ったのか、席を外していた翠が怒った顔で現れた。
「すまないな……翠」
力なく笑う友頼の姿に、三郎太は悲しくなった。
「お前が俺を生み出したんだ。きちんと長生きして、責任取れ!」
そう言って怒る翠に、友頼は小さく笑い
「そうだな……」
とだけ答えた。
そんな友頼に、三郎太は両頬を音を立てて挟むと
「なにを弱気になっているんですか! 三人で生活するんでしょう! しっかりして下さいよ!」
と叫んだ。
三郎太の行動に目を見開いて固まる友頼に、翠も頷き
「まさかお前……、俺とこのチビだけにする気じゃねぇよな?」
と続けた。
「ちょっと! 翠さん、チビは失礼じゃないですか?」
「チビにチビって言って何が悪い!」
「うわぁ! チビって言った方がチビなんだからな!」
「どんな屁理屈だよ!」
二人の言い争いを唖然と見ていた友頼は、突然吹き出して笑いだした。
「何なんだよ、お前たち。
緊張感、無いなぁ~」
友頼は笑いながら
まだ笑える───
もう少しだけ、頑張ってみよう
と思えた。
三人での暮らしは、三郎太と翠の言い争いを友頼が諌めるという騒がしい毎日だった。
それでも、いつだって三人で笑いが絶えなかった。
男三人、こんな生活も悪くないと思っていた矢先、悲劇は起こった───。




