友になれたかもしれない二人
「……見付けるから」
「え?」
「俺が必ず、翡翠を救う方法を見付け出すから!」
冬夜はそう呟き
「遥……、翡翠を頼む」
そう言って、翡翠を近くの境内に座らせて歩き出した。
「冬夜さん!」
翡翠は力の限り叫んだ。
無理なのに……。
翠だけを殺すことは……出来ないのに……。
翡翠が泣き崩れると、遥が翡翠の肩に手を置いた。
「気の済むまで、やらせてあげるしかないよ」
「でも!」
「男ってさ、どうしても譲れない時があるみたいなんだ。……私には分からないけど」
そう言って、小さく笑った。
そして翡翠の隣に座ると
「私さ……あなたが嫌いだったのよ」
突然、言い出した。
「え?」
「だって、いかにも女の敵じゃない? 綺麗で儚げでさ……。誰にもなびかなかった冬夜を、一瞬でモノにして……。マッジで腹が立つ!」
遥の言葉に、翡翠が悲しそうに俯いた。
「ほら! そういうところも大嫌い! 普通さ、言い返すでしょう?」
遥の言葉に、翡翠は口をパクパクさせてから
「こういうとき、なにを言ったら良いのか分からなくて……」
そう呟いた。
「え? あるでしょう? ほら、私に思っている事を言ってみなよ!」
挑発するように言われ、翡翠は重い口を開いた。
「羨ましいです」
ポツリと言われ、遥は目が点になる。
「いつだって強くて……凛としていて……、冬夜さんと肩を並べて戦えてずるいです!」
翡翠の言葉に、遥は吹き出した。
「な、なんで笑うんですか!」
「いや、私の方が羨ましいんだけど」
「なぜですか! 絶対、私の方が羨ましいです!」
ムキになって叫ぶ翡翠に、遥は小さく笑う。
「ねぇ、翡翠さん」
「はい? 羨ましい勝負は、譲りませんよ!」
何故かファイティングポーズする翡翠に
「普通に出会っていたら、私たち友達になれたかな?」
ポツリと呟いた。




