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5話 冒険者(1)


 「ったくなんで俺がこんな目に」


 吹雪に打たれながら、馬車の上で手に吐息をかけながら男が言う。


 彼の名は、クローフ、エルフの冒険者である。通称「帰宅厨」と呼ばれている。


 というのは建前で実際には、エルフマフィア『アークツナイメタル』そのソルジャーつまり下っ端である。そして何で私がここにいるのかというと潜伏中の冒険者パーティー『白鯨』が、追い詰めたモンスター通称『鬼熊』を狩り損ねてしまい、その痕跡を追っているのである。


 ここで皆さまから質問が来るであろう。『なぜ、吹雪がやんでから鬼熊を倒さないのか』と思うだろう。正直言って私も思う。早く帰りたい、という気持ちをうまく隠しながら私は言ったのだ。


 「吹雪の中、あの魔物を追うのはやめた方がいい。帰ろう」と、訂正隠せてなかったかもしれない。それをリーダーのアイヒがは、


 「そう、あの魔物は強いんだ。だから、今のうちに殺すべきだ。幸い、ここにいるほとんどが吹雪に慣れっこなのだから。」と言う。


 「そう、ビビってるんじゃないの!クローフ!」


 「別に大丈夫なんじゃない?」


 「アイヒがいれば、大丈夫......」


 「お...おう、そうだ、、な」

 と、パーティーの女性陣のエカテリーナ、ナターリア、アリナの強烈の厚で俺は押し負けてしまった。


 女性恐し。


 それはそれと、彼らはよくとも俺はダメなんだよ。それぐらい配慮してほしい。


 そう、彼らは大丈夫なのであるこの寒さが、多分少し涼しいとしか思ってないのだろう。彼らの肌の色は、青、そう氷鬼(アイスエルフ)の部族のハーフである。それに比べて俺は純粋なエルフだが、氷鬼ではない普通のエルフである。

 なのでここは凍えるほど寒く、俺だけが羽毛の重装備を着ている状態である。


 配慮、それぐらいしろーーー!


 毎日、毎日、宿を借りる時、毎度隣からテメーラの喘ぎ声聞こえてるんだぞ。出来るだけ聞かないようにしているが、もしかすると全員で相手をしているのかもしれない。


 アイヒ、恨ましい!


 うちのパーティは全員エルフの中でも、まあまあ美人と呼ばれる女性だ。それらを独り占めなど羨ましいに決まってるだろう!!しかし、アンナは、守備範囲外である。体の方は、もう人間でいうと16歳あたりの体つきになってるが、私にはそんな趣味はないしかも彼女は、45歳と言ってまだ子供である。もっと大人になっていたら。


 クソ!


 内心そう思いながら、気を取り直して俺は周りを見渡す。自分は馬車の後方で熊が来るかの見渡しである。ほかのみんなは馬車の前方、しかもエカテリーナとアリナ彼ら最近仲がいいんだあな~なんかあったのだろうか、

 「何もないな」

 

 周りを見ても 木 木 雪 木 、、、、、、、、

 その繰り返し、さすがに詰まんない、しかし、それで油断して死ぬよりはましなので集中する。


 はぁ


 クローフは、ため息をする。何もないといいのだが。




 「はぁ~また言っちゃった」


 「まあまあ、気を取り直そうよ」


 「それでも、、、」

 

 隣を歩いてるアリナがエカテリーナを慰める。


 ハーフエルフであるエカテリーナは、クローフに好意を持っていた。なので、アリナ仲のいいアリナが最近その悩みの話し相手となってる。

 クローフは比較的気にしない方だが、本来エルフは血を重んじるよって必然的にハーフエルフを卑下する。彼女もその差別に苦しんできたものである。なので、初めはこのパーティーはハーフエルフで固めていた。しかし、ある日大きなイベントに参加するため人数合わせで募集したときに入ってきたのがクローフであった。私たちは、彼が純血のエルフであることはすぐに分かった。純血のエルフは皆、軽く精霊と契約できる。しかも、決定的なのはその絶大な魔力、普段はその魔力を隠しているが、魔法系統の冒険者である彼女はすぐわかった。それゆえに分からなかった。彼女にとってエルフとは、傲慢、そのものだった。だが、彼だけは違った。私たちにも等しく接してくれた。優しく接してくれた。同じ仲間のように接してくれた。それだけで嬉しかった。年齢=彼氏いない歴の彼女にとって初めて他人に対してトキメイタ時だった。しかし、いくら彼にアプローチしても気が付く素振りが見えなかった。


 彼女は、それゆえ決めていた。この仕事が終わったら彼にプロポーズすると、、


 「早く終わってほしいな。」

 そう彼女が呟いた時だった。


 「グオオオオオオオオオオオオーーーーーーー!!」


 追跡中の鬼熊と思われる雄たけびが聞こえる。

 

 「みんな戦闘準備!!」


 「「「了解」」」


 リーダーの呼びかけで皆臨戦態勢に消えり替えた。


 前衛であるマジックキャスターであるエカテリーナを人と同じ大きさの斧で戦うアリナ、刀を使うクローフ、魔法戦士であるアイヒ、たちアタッカーが囲んで、重騎士であるナターリアが最前列に行き周りを警戒する。


 生まれ故郷と同じよう吹雪の中音は雪により吸収される。


 しかし、敵が見えない。

 

 ただ聞こえるのは、荒い息、たまに草木を通り過ぎる音

 そして、自分の心臓の鼓動


 ドクン ドクン ドクン ドクン


 「ぐあああああ!!」


 すぐさまに振り向いた。しかし、そこにあったのはリーダー片腕を咥えられた。アイヒの姿と咥えた鬼熊の姿。

 すぐさま、鬼熊はアイヒを引きずりながら逃げる。

 

「させるか!!」

 しかし、それを見逃すほど私たちは弱くない。


 クローフは、アイヒが落とした剣を拾いアイヒめがけて投げる。


 それに熊が気を引いている間にアリナが鬼熊の背後を取り人一倍ある斧を振り下ろす。


 「死ねーーー!」


 「!!」


 投げた剣は鬼熊が跳ね返し、勢いをつけて前足を後ろを向きながら横向きに動かした。それによって、アリナの斧にあからさまな罅ができ、斧もろとも叩きつけられる。


 「グヲォオオ!!」


 咆哮によって皆、一瞬固まる。ちなみにアイヒはまだ咥えられている。


 「ーーーっ」


 鬼熊ら余裕がにじみだすように、そこには子供がおもちゃで遊ぶかのような喜びに満ちた顔があった。


 「おっらああああああああああああああああああああああ!!」


 その声の主はアイヒだった。その手には剣があり咥えられた腕はもう切られた跡があった。

 アイヒは、鬼熊が反応する前に心臓を刺す。

 鬼熊は、すぐにアイヒを吹っ飛ばした。


 クローフは、それに続いて前足の二本の関節の間を巧みに切り裂いた。鬼熊にはもうさっきまであった余裕はなく


 「グオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


 決死の覚悟で俺にかみつこうとする。しかし、

 バン!!

 鬼熊の攻撃は重騎士のナターリアによって跳ね返された。鬼熊は後ろに横転した。

 だが、

 「嘘だろ。」

 鬼熊は、後ろ押しを下げバランスを整え再び立った。

 「グオオオー、、、」

 キ――ン

 何も聞こえない。

 鼓膜が破けたんだろう。

 体が動かない。さっきの咆哮のせいで!!

 鬼熊は、クローフを見る。そして、口を大きく開け覆いかぶさるようにしてく食べ、、


 「死ねえええ!!!!!」


 叩きつけられた者がいたはずの巨大な斧をもった少女はおらず、獲物が気が付いた時には、その大きな頭は巨大な斧によって地面に叩き落されていた。


 残っていたのは、鬼熊のいまっだに消えない強い威圧感と咆哮の音だけだった。

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