表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編シリーズ

Re:この異世界を救うとはどういうことでしょうか?

作者: だるは

Re:この異世界を救うとはどういうことでしょうか。

To:女神様


 この度はこの異世界に召喚頂きましたこと深く感謝します。

 今回このメールを送らせていただいたのは幾つか質問があってのことになります。

 

 私は女神様に召喚していただいてこの数ヵ月、異世界中を見回りました。あるときは発展した工業都市、またあるときは鬱蒼と生い茂る森林に住まう民族の里など様々な場所に出向きました。

 

 しかし、どの場所もとても平和なのです。確かに、人々の中には戦争や飢餓に苦しむものもありますが、それも全て常識の範囲内で、異世界からの干渉など不要に思います。


 たしか、女神様は私を召喚してくださった際に『貴方はこの世界を救うのです。』と言っておられましたが、魔王もおらず、竜すらいない平和な世界で何を救うのでしょう? その点についてご返答いただきたく思います。




Re:この異世界を救うとはどういうことでしょうか。

From:女神


 あれからもう数ヵ月ですか。久しいですね。元気にしているようで何よりです。

 

 さて、本題に入りましょうか。

貴方は世界を見回られたのですね。流石世界を救う勇者様です。色々な人を見つけたでしょう。優しい人、面白い人、強い人。


そう、世界は既に平和です。少なくとも私や勇者様が介入するようなことはありません。

ではなぜ私はあんなことを言ったのか?ですよね。


簡単です。『貴方はこの世界を救うのです』という言葉をそのまま考えてください。

そう、分かりましたね?

この世界というのはそこに住まう人々、生物、家々ではありません。


"世界"そのものです。


たしかに表向きは平和に見えます。しかし工業の発達による大気汚染、温室効果ガスによる温暖化、それに伴う海面上昇など様々な問題を抱えています。



貴方が救うべきはこの"星"なのです。



この苦しい叫び声をあげ続けている星―――言い換えれば"地球"を救って欲しいのです。


誤解を招く発言謝罪いたします。どうかこ 地球を救ってあげて。



Re:最後の質問

To:女神様


女神様の仰られていることは理解しました。ではどのようにしてこの地球を救えば良いでしょうか?



Re:最後の質問

From:女神


すいません、伝え忘れていましたね。

その方法は"原因(ヒト)"の排除のみです。

そうすればいずれ元に戻ります。




―――その日、アメリカのロサンゼルスに巨大な怪獣が出現し、数多の都市を焼き付くした。

その幸せは一体誰のものでしょう?

誰かの幸せは誰かの不幸。逆もまた然り。


お読みくださりありがとうございました。

不定期に短編を投稿しております、だるはです。

良ければ評価や感想頂けると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ