表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/23

7、イッテェ!

.....。

虹宮家はその。

滅茶苦茶の相当に苦労しているんだな、と思ってしまった。

今の俺達の.....苦労の10倍ぐらい。

俺は考えながら目の前のお菓子を食べている静香を見る。

静香は?を浮かべながら俺を見ている。


「どうしたの?お兄ちゃん」


「.....正直言ってお前にも助けられているよなぁ、と思ってな」


「私は何もしてないんだけど。助言しただけ。全部お兄ちゃんが解決した」


「.....そうかな。俺は何だか誤解しまくりの人生だが。リセットも効かない様な」


「誤解しまくりは幾ら何でも違うでしょ。.....でも確かに思い込みは激しいかもね」


「.....そうだな」


俺は思いながら静香を見る。

静香はお菓子のチョコをパリパリ食べながら俺にも差し出してくる。

事実だが.....この家も相当に苦労している。


何故なら両肩の親戚がこの所有のお金を出してはくれてはいるが。

俺達は子供だ。

だから何方かがもうお金は出さないとか学費出さないとか言われて親戚の家に呼ばれたなら行かなければならないぐらいに危ない人生を歩んでいる。

両親が.....車の事故死してから、だ。


「というか母さんと父さんが死んで泣かなかったお前は偉いよな。.....変わりに俺は泣いたけど。情けなく」


「うん?突然だね?どうしたの?」


「.....俺の後輩の話を聞いてな。.....ちょっと思った事があった」


「.....?.....どういう話?」


「.....祖父母に育てられている話」


「.....ああ.....そうなんだ」


お菓子を食べる手が止まる。

そして俺を複雑な顔で見てくる。

俺はその姿を見ながら、大丈夫だ。今は明るいから、と切り出す。

すると静香は、でもそう見えてもね。お兄ちゃん。女の子は砂糖菓子の様に脆いから、と言ってくる。


「.....気に掛けてあげてね。.....きっとまだ悩んでいると思う」


「そうか。.....そうだよな」


「.....うん。そして出来れば.....春香お姉ちゃんも気に掛けて。絶対に誤解だからその浮気は」


「.....」


そうだな。

俺は思いながら飯島の事を。

春香の事をまた思い出す。

そして目を閉じてから開けてから。

そのまま目の前を見据える。


「間違いでも話は聞くべきだな」


「.....うん。そのいきだよ。お兄ちゃん」


「有難うな。静香」


「私は励ましているだけだから。後はお兄ちゃんが全て決める事だよ」


ところでお兄ちゃん。今度ゲームセンター行きたい、と言ってくる我が妹。

俺は、構わないがどうした、と言ってみると。

プリクラが撮りたいしゲームで遊びたい、と話してくる。

その姿に、ふむ、と顎に手を添える。


「まあ良いんじゃないか?.....ああそういえば。春香のチケット.....その。ライブチケットが2枚あるから先ず最初はそっちに行かないか」


「ああ。そうなの?.....じゃあ行きたい」


「アイドル活動も険しいもんだが.....な」


「.....?.....お兄ちゃん今日はまるで哲学者みたいな感じだね?」


「哲学者ってお前な」


いやいやだってそうでしょ。

まるで哲学者じゃない、と言ってくる静香。

俺はその言葉に苦笑しながら、まあそうだな、と返事をする。

すると静香は、ねえ。お兄ちゃん。それはそうと頬直った?、と聞いてくる。


「それは.....まあ」


「ふーん。本当かなぁ?」


「.....お、おう」


「お兄ちゃんの事だから勉強費とか言うんだろうけど」


そう言いながら俺達は見合う。

静香は、取り敢えずはこっち来て。お兄ちゃん。手当ての続き、と言ってくる。

俺は、いや。良いよ。絆創膏をくっ付けておけば、と言ったが。

だーめ、と言われた。


「.....お兄ちゃんはそんな適当で良いと思っているけど。その傷から感染したらダメだから」


「.....分かった。んじゃまあお世話になるわ」


「そうそう。初めからそう言いなされ」


そして俺は治療を受ける。

救急箱を持って来た静香に、だ。

それから寝かせられた。

治療の為に、だ。


「.....染みるよ。傷が出来ているから」


「そうだな.....イッテェ!」


「だから染みるって言ったでしょ。全くねぇ.....普通は警察呼ぶよこんなの。お兄ちゃんが悪いけど」


俺はその言葉を受けながら顎に手を添える。

平手打ちをされた事はもう恨んでいない。

そもそも俺が間違っている可能性だってあるしな。

思いながら俺は傷を治療をされながら。

そのまま溜息を吐いた。

.....。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ