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23、親戚の思い

.....。

ツインテールの女の子。

田中メルルという女の子が俺と春香が結ばれるのを応援するという。

その言葉は嬉しかったが、今はまだ誰とも付き合う気はないよ、と断る。

そして俺達はイルカショーを観ていた。

可愛いイルカ達が演技をしている中だが。

俺は溜息を吐いていた。


「.....悩んでいますか」


「.....そうだな。多少はな」


「.....まあメルルさんがあんな事を言ってくれば悩みますよね。.....でも私は遠慮してくれて嬉しかったです。先輩が.....メルルさんの言葉を」


「そうか」


「.....はい。だって.....私が負けちゃいますから。恋の戦争に」


言いながら俺の手をそっと握ってくる鈴香。

俺は少しだけ赤面しながら頬を掻く。

それから、今回は俺自身の気持ちもあったしな、と言う。

でもそれでも嬉しかったですよ、と笑顔になる鈴香。


「.....あそこで頷いたらどうしようかと思っていました」


「.....そんな軽い感じになるのも嫌だったしな。.....それは無いさ」


「.....はい。ですね」


するとイルカ達が大きくジャンプして飛び込む。

俺達はそれを、すげぇな、とか言いながら見ていた。

そうしていると鈴香が、先輩、と話してくる。

そして真剣な顔を見せる。


「.....どうした?」


「先輩はまた恋をしますか」


「.....ああ。それは.....そうだな」


「.....」


「.....すると思う。.....だけど今は何も考えられないかな」


「.....そうですか。.....でも手応えがありそうです」


「.....そうか。なら良かった」


そんな会話をしながらイルカショーを観る。

そしてイルカショーが終わってから俺達はお土産屋さんにやって来た。

鈴香は被り物をしたりして可愛らしく仮装する。

俺はその姿を柔和に見つつお土産を買って行った。



「.....それはマジか」


『.....お兄ちゃん。どうしよう.....』


鈴香と別れての帰り道。

静香から電話が掛かってきた。

その内容は、親戚が仕送りを減額する、というものだった。

俺は衝撃内容に鈍痛がする。


「.....参ったな。.....それは困る」


『それから帰って来なさいだって.....』


「.....帰って来なさいって言ったって俺達に帰る場所なんぞねぇよって感じだな」


『.....いきなり電話が掛かってきたから.....』


「.....」


俺はそれが目的なんじゃないか、と思い始めたが。

今更.....どうこうしようにも、と思う。

なら働くしか無いのか?

でもそれは.....無理か.....。

大切な妹をそれでも養うとか無理がある。


『.....お兄ちゃん。叔母さんと話出来ないかな』


「.....今度話をしてみるよ。親戚の家に行くのが何故嫌か.....説明をな」


『うん。でも無理はしないでね』


「.....取り敢えずは家に帰るから。.....待っていてくれるか」


『はい。気を付けて帰って来てね』


それから俺は電話を切ってから。

盛大に溜息を吐いた。

そしてそのまま帰路を急ぐ。

そうしてから家に帰り着いて玄関を開けると。

静香が不安そうな顔で立っていた。


もう一度言うがこの家は全て親戚のお金で成り立っている。

確かに生活費とかはあるがそれでも半数近くは親戚の家のお金だ。

だから戻って来いと言うなら戻るしかない。

この家を.....手放さなければならない。


「.....お兄ちゃん。この家は手放したくない.....子供のわがままだけど.....」


「それは俺も賛同する。.....だけど子供のわがままが何処まで通用するかだな」


「この家には沢山の思い出があるから.....なるだけ離れたくない」


「.....」


静香は.....言いながら涙を浮かべる。

俺は号泣して両親を見送ったが。

一番悲しかったのはコイツだったのかもな。


俺は考えながら.....静香を見る。

何れにせよ.....このままでは居られない。

全てを如何にかしなければ。

思いながら俺は写真立てを見る。

あの日から変わってない写真立てを。


「.....俺は取り敢えず叔母さんを説得してみる」


「.....私も頑張るよ。.....お兄ちゃん」


「そうだな。だけどこれは兄の仕事だ。だから兄に任せてくれ。なんとかする」


「有難う。お兄ちゃん。そう言ってくれて.....嬉しい」


グスグスと鼻を鳴らしながらも笑みを浮かべる静香。

だけど何とかするって言ってもな。

果たしてどうしたものか、と思える。


ガキの我儘だしな完全に。

思いながら俺は顎に手を添えて撫でる。

どうしたものか.....。


「この家の事を訴えたら良いかもしれないけど.....叔母さん達に。取られたく無いって」


「.....そうだね。.....そこら辺だよね」


「だったらどうするか、だな」


そう考えながら俺は少しだけ唇を舐めてから。

うーん、と悩んで考える。

と。

そうだった。

お土産を買って来たんだったな。


「.....取り敢えずはお茶にしないか。お土産買って来たぞ。お菓子」


「え!?本当に?!わーい」


「.....そこだけは子供だなぁ」


「だってお菓子はお菓子だからね♪嬉しいな♪」


先程とは正反対にニコニコする静香。

この笑顔を何時迄も守りたい。

だけど.....大人には大人の事情がある。

どうしたものかな、と思う。

果たして.....。

.....。

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