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21、貴方は昔からヒーローだから

.....。

こんなもんで職場の環境が改善するとは思えない。

だけど.....ゴメンだがめっちゃスカッとした。

ぶん殴られた金髪がまるで弱腰だったのが.....本当にスカッとしたんだ。

俺は思いながら苦笑する。


「先輩」


「.....何だ?鈴香」


「.....私.....先輩がやっぱり大好きです」


「.....改めてだなお前。.....どうしたんだ?」


春香は仕事があると戻って行った。

その後の事である。

ネックレスとか。

装飾品とかぬいぐるみとか。

そんな鈴に似合いそうなものを選択していると鈴鹿がそう言った。


「.....恥ずかしいな。お前」


「.....私にとっては昔からのヒーローですから」


「.....え?昔.....」


ハッとする鈴香。

そして思いっきりの赤面で首を振って誤魔化した。

あ。そうそう。この装飾屋さんは大正時代からありますよ、と言って、だ。

ちょっと待て。

今のはどういう意味だ?、と思うのだが。


俺は、そうなのか、と曖昧に返事をしながら目の前の店主を見る。

店主のお婆さんはニコニコしながら俺達の様子を窺っていた。

少しだけ恥ずかしい。


「.....しかし.....孫が.....遂に男の子を連れて来るなんてねぇ.....」


「.....へ?」


「お、お婆ちゃん!それ言っちゃ駄目だよ!」


「あら。御免なさい。内緒だったわね」


「.....鈴香?どういうこっただよ」


俺は目を丸くしながら鈴香を見る。

鈴香は申し訳なさそうな顔をしながら、実は、と説明を始める。

何とこの店。

鈴と鈴香のお婆ちゃんのやっていた店だった。

俺は目をパチクリしてから、でもそれじゃ鈴に知られるんじゃ、と言う。


「いや。プレゼントはこの場所じゃ選ばない。.....お婆ちゃんを紹介したかっただけ」


「.....ああ。そうだったのか」


俺は苦笑いを浮かべながらお婆さんに頭を下げる。

すると、私は留子と言います、と自己紹介をしてきた。

俺は、俺は盾宮です、と手を差し出す。

そして握ってもらった。


「.....あらあら。.....好青年の方が来てくれて嬉しいわぁ」


「.....お婆様もお元気ですね」


「お婆様なんてそんな!おばばよ!私は!アッハッハ」


嬉しそうな留子さん。

俺はその姿を見ながら鈴香を見る。

鈴香は本当に嬉しそうな顔で見てきていた。

その姿を見つつ、因みに良い装飾品ばかりですね、と周りを見渡す。


「.....そうね。.....私が戦前から集めたコレクションもあるのよ?」


「.....ああ.....そうなんですね.....」


「旦那が出征して.....その後も大変だったけど.....でも集めるのは楽しかった」


「.....そうなんですね」


それにしても鈴香。どうするの?鈴に取られちゃうわよ?アハハ、と言ってくる留子さん。

俺は赤面しながら、まだそういう間柄じゃないです、と苦笑い。

鈴香も慌てていた。

もー!、と言いながら、だ。


「.....鈴香。言ってあげたの?.....盾宮さんに」


「.....え?.....何をだ?鈴香」


「.....あ、いや。お婆ちゃん言ってないよ」


「.....言わないと。.....恩があるんでしょ?盾宮さんに」


恩ってなんだ。

俺は考えながら鈴香を見る。

鈴香は胸に手を添えてから赤くなって顔を上げてくる。

私は.....昔から弱気でした、と。

そして言葉を紡いでいく。


「.....私達姉妹は.....貴方の幼馴染さんと同じ様に.....幼稚園で貴方と会っています」


「.....え?.....え!?」


「でも私達は体が弱かったのもあって.....お姉ちゃんがインフルエンザ脳症になる様な免疫しかありませんでした。.....その為に幼稚園には滅多に通ってませんでした。.....でもそんな時にイジメっ子がその事で絡んでくる中で貴方が守ってくれたんです。私達を」


「.....幼稚園で.....」


「覚えてないと思います。.....だって少しだけで引っ越しましたから。でも.....私は覚えてます。誰よりも貴方がイジメっ子から救ってくれたヒーローだって」


「.....それでお前らは正義深くなったのか」


「全ては貴方のお陰です。先輩」


俺はその言葉を受けながら.....赤くなって俺を見ている後輩を見る。

赤くなってしまう。

何でこんなにも可愛いのか。

全く、と思いながら。


「.....お姉ちゃんもきっと感謝してます。.....絶対に今の関係も昔の事も全部に対して」


「.....そうか」


「.....そうよ。.....昔からずっと好きって言ってたものね。鈴香」


「もー!!!!!バラさないでよお婆ちゃん!!!!!」


そんな事を何故覚えてなかったんだろうな。

思いながら俺はポコポコお婆ちゃんに寄り掛かる鈴香を見る。

すると鈴香はこっちを見てから。

真っ赤になった。


「.....ち」


「.....ち?」


「違いますから!!!!!む、昔から好きだなんて!!!!!嘘ですよぉ!!!!!」


そんな力説しなくても良いんだが。

目が回っているし。

嘘だってのがよくわかるので、だ。

俺は苦笑いを浮かべながら鈴香を見る。


「でも嬉しいよ。.....そんな昔から俺を想っていてくれたんだな。鈴香」


「.....はい.....」


「姉と一緒に好いてくれて有難うな」


「私はずっと好きという気持ちは変わりませんから。沢山愛して下さいね」


「.....ああ」


それからニコニコしている留子さんを見ながら。

俺は鈴鹿に言われて頭を下げた。

そしてそのまま店を後にしてから.....そのまま移動する。

次が本当の目的の場所らしい。

その場所は期間限定でオープンするぬいぐるみ屋の様だった。

.....。

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