2、リセット
.....。
3人居るとは言える。
何がと言えば俺に関わってくる人物。
その3人からは馬鹿にされたり浮気されたり小馬鹿にされたり。
もう本気でうんざりだ。
全てリセットしてやるつもりだ。
「ねーねー。私の妹が困ってたよ?」
3人目のその女子。
俺の目の前に現れた同学年の同級生。
名前は虹宮鈴という。
姉。
つまり姉妹なのだコイツらは。
一応扱いとしては.....鈴が先に生まれたので姉とされているが。
俺は眉を顰めながら見つめる。
何でそんなイカつい顔しているの?、と聞いてくる鈴。
そしてニヤッとした。
「鈴香、泣いてたよ?君最低だね。全く。いつもいつも.....」
「それはお前もな」
「.....え?」
鈴が顔を上げる。
そして俺を目を丸くしながら見てくる。
俺はその姿に、俺は二度とお前ら姉妹とは関わらない、と断言した。
教室だったがそんな事は構わない。
怒り混じりの目線で見つめる。
「え?ちょ。.....え?.....な、何をカッカしているの?そんなに.....」
「お前の冗談も。.....馬鹿にするのも良い加減に呆れた。.....俺はお前を拒絶する」
「.....え?.....じょ、冗談だよね?」
「冗談な訳あるか。.....俺はお前が嫌いだ」
「.....」
みるみる顔が歪む。
それは泣く寸前の顔だ。
俺はその姿に構わず続ける。
二度とこの場所に来るな、と。
すると鈴は、分かった。もう二度と.....来ない.....、と悲しげな顔をして俯いた。
一度だけこっちを見たが。
そんな事も無視した。
これで完全にリセット出来たな。
全てが、だ。
☆
「せ、先輩」
「.....」
「.....せんぱい!先輩.....先輩!!!!!」
呼ぶ声がする。
だが俺はその言葉を無視してからそのまま歩く。
そして靴を履いた。
するとガシッと抱きつかれる。
「何でそんな.....わ、私が.....御免なさい。何があったか分からないです。貴方に.....貴方の.....過去がそんな形だったなんて知らなかったです!御免なさい!だ、だから.....無視だけは.....」
「良い加減にしろ。お前とは関わらないと決めた」
「そんな.....お願いします!私が.....私が.....!」
「今までずっと俺を馬鹿にしてきた癖に今更か?.....俺はもうお前とは付き合わない」
「.....」
涙を流し始めてから崩れ落ちる鈴香。
俺は鈴香を一瞥してから。
そのまま歩き出す。
するといきなり胸ぐらを掴まれた。
それは見慣れない男子生徒達.....っていうか。
俺はその顔に見覚えがあった。
何というか俺の教室の男子生徒達だ。
関わり合いの無い陽キャだが。
「テメェ調子に乗んな。何やってんだよさっきから」
「俺達はお前を見ていてめっちゃ腹たてているんだが」
「そうだっつーの。一発ぶん殴る」
「.....」
そして平手打ちを喰らう。
俺は静かにその陽キャを睨んだ。
それから、お前ら俺の気持ちなんて知らないだろ、と言う。
そうしてから、良い加減にするのはお前らだ。俺の気持ちすら分からないのに、と言ってから。
そのままドンッと突き飛ばしてからそのまま去った。
「なんだよアイツ」
「マジあり得ねぇ.....」
「死ねよ」
そんな言葉を受けたが。
元からボッチである俺には痛みがなかった。
明日からイジメも受けるだろう。
だけどそれでも良い。
俺はリセットしたかったから、だ。
「全てをやり直してもう関係を断つ。これで良いんだ」
そうは思わないか。母さん。
そう思いながら俺は空を見る。
そして歩き出していると。
俺の前に幼馴染が現れた。
つまり浮気した、飯島春香が。
「.....何の用事だ。飯島」
「その.....えっと.....」
「.....早くしろ。帰るぞ」
「しずちゃん.....」
「.....」
俺は眉を顰めてからそのままその場を後にする。
そして帰る.....事が出来なかった。
それは何故か。
俺の腕を掴まれたから、だ。
何だ一体.....。
「お願い!私の話を聞いて!」
「.....絶対に嫌だ。.....言い訳だろ。どうせ」
「.....しずちゃん.....」
「お前のせいで壊れたんだ。話す事は何も無い」
それから俺はそのまま帰宅した。
泣きじゃくる幼馴染を置いてから玄関に入ると。
小学生の妹が顔を見せた。
盾宮静香だ。
お兄ちゃん、と言いながら。
俺は笑みを浮かべる。
「どうした」
「.....ううん。お帰りなさい」
そんな感じで俺達は会話をしたが。
静香がぎこちない感じだ。
どうしたのだろうか、と思う。
俺は思いながら見つめる。
.....。