18、誕プレ
.....。
春色ちゃんの事は取り敢えずは解決しそうだ。
俺はその事を思いながら.....考える。
キス.....されたんだが、と。
そして真っ赤になる。
「.....いや待って。アイツ何考えてんのマジに」
俺は自室で悶えていた。
マジに何なのアイツ、と思いながら。
そしてベッドに転がる。
でも此処まで回復したんだな、と思える。
それは.....俺達の絆が、だ。
「.....まあそれは喜ばしい事なのかもな」
考えながら俺はメッセージを送る。
その相手は鈴だった。
すると鈴は、何〜?、とメッセージ。
俺は、有難うな、とメッセージを送る。
(もしかして春色ちゃんの事?.....気にしないで)
(そうは言ってもな。.....感謝しかない。お前が背中を押してくれたんだろ?)
(私は背中を押しただけだよ。.....全部春色ちゃんが頑張った。それだけ)
(そうか。サンキューな)
春色ちゃん可愛いよね。
私の妹にしたい、と言ってくる鈴。
俺はその姿に微笑ましく思いながらも。
少しだけ真剣な顔になる。
(なあ。お前が記憶を失った事。それは.....鈴香は知らないだろ?.....何で知らせないんだ)
(それでどうなるの?.....伝えてから)
(.....いや。それでどうなるのって.....)
(私は良いの。.....お姉ちゃんだからね。.....だから鈴香は知らなくて良いの)
俺は眉を顰める。
そして文章を見ていた。
しかしこれで良いのだろうか本当に。
そう考えながら、だ。
すると.....メッセージが届いた。
今度は鈴香からメッセージが、だ。
俺は?を浮かべて読む。
(お姉ちゃんの誕生日です)
(え?それは何時!?お前もだろ!?)
(明後日です。まあ確かに私の誕生日もそうですけど.....)
(何でそんなギリギリになった!?)
(お姉ちゃんから言われたんです。.....この事は内緒で良いよって。でも私は嫌です。.....先輩にも祝ってほしいです。.....だって仮にも記憶を失っていますしね。お姉ちゃんは)
(.....お前.....知っているのか!?)
俺は愕然としながら文章を打って送信した。
すると、当たり前です、と返事が来る。
それから、私はお姉ちゃんの妹ですから。.....隠し事なんて出来ませんよ、と言う。
俺は唖然としながらも、そうか、と返事をする。
(一緒に私と誕プレ買いに行きましょう。先輩)
(そうだな。それは賛成だ)
(お姉ちゃん今.....先輩とメッセージをしていますね?.....多分記憶の事ですけど。.....私は心底心配です)
(.....言ってやらなくて良いのか)
(お姉ちゃんから話すまでは内緒でお願いします。.....だってお姉ちゃんにショックを与えたくないですから)
その言葉に俺は、分かった、とメッセージを送る。
じゃあせめてものお前らの事を盛大に祝おうか、とも。
すると鈴香は、そうですね、と笑顔の絵文字。
俺はその様子に笑みを浮かべる。
(お前は優しいな。有難うな。.....春色ちゃんの事)
(何もしてないですよ。.....全部お姉ちゃんがやっちゃいました)
(そうなのか)
(はい。私は何も手助け出来ませんでした。.....先輩の時と同じですね)
(それは違う。.....思い詰めるなよ?)
はい、という感じで返事はくれた。
だが何だか物寂しそうな感じはする。
俺はその姿に少しだけ唇を動かす。
すると、でも私はもう大丈夫です、と送って来た。
(昔と違います。先輩の気持ちも仮にも分かった。成長しましたから。.....昔の子供の頃とは違います)
(.....鈴香)
(先輩。有難うです)
(俺は励ましただけだからな)
そんな感じで会話していると。
おーい、とメッセージが来た。
鈴からである。
俺は、はいよ、と返事をする。
すると、ゴメンね。トイレ行ってた、とメッセージ。
(まあ取り敢えず記憶の事は黙っておいてね。.....お願い)
(ああ。了解だ)
なかなか難しいもんだな、と思う。
この先の事だが.....どうなっていくのだろう。
俺は考えながらメッセージを見ていると。
ところで.....明後日鈴香が誕生日だよ、と言ってくる。
ああ.....忘れてたが姉妹だったしなコイツら。
(誕プレ用意した?)
(してないな。.....よく考えたんだがお前も誕生日なのに)
(私はどうでも良いよ。お姉ちゃんだから)
(そうか?じゃあ何も要らないんだな?全くお前は.....)
(.....強いて言うならキスをしてほしいかも)
いきなりそんな事を言われた。
衝撃が頭を走る。
俺はボッと火が点く様になる感じになる。
そして、な、何を言ってんだ、と書くと。
鈴は、鈴香と何かしなかった、と書いてきた。
(鈴香に負けちゃうからね。.....これだけは絶対に誕生日でも譲れない。.....誕生日プレゼントはキスで)
(おま.....)
(嫌と言うなら私はえっちぃ事をされたって警察に行くからね)
(.....マジか)
真剣な覚悟の上だろう。
俺はその言葉に、分かった、と返事をする。
そして、じゃあ誕プレはキスな、と言う。
すると鈴は、宜しい、と言ってくる。
何様だコイツは。
(私は君が大好き。.....だからそれぐらいはしてもらっても良いかなって.....)
(.....わ、分かった)
マジかこれ.....。
誕生日プレゼントがキス!?
俺は真っ赤になりながら唇を噛む。
マジに困った、と思いながら。
.....。