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15、鈴とのデート(?)

.....。

ゴタゴタがありながらテスト当日になった。

だけどみんな必死にやってくれたお陰と俺も必死にやった結果。

取り敢えず鈴は頑張れた様だった。

俺はその事に、ふむ、と納得しつつ.....午前で終わりなので帰宅の準備をしてから。

そのまま待ち合わせ場所に向かった。


「よお」


「雫!」


「.....早かったな」


「そりゃね。.....だって雫に会うと心臓がドキドキする」


「お、おう」


この前の図書室から帰宅する際の約束事を叶える為に俺達は会った。

つまり.....付き合う約束。

実は俺が体調不良だと見送ってくれたのだ鈴が。

それで今日は約束を果たせそうだという事でこうなった。


「駅前にタピオカ屋さんがあるの。行こう」


「.....そうか。じゃあ行くか」


「その.....幼馴染さんは大丈夫?」


「.....ああ。.....アイツにも話した。.....そして鈴香にもな。今日はお前に付き合うよ」


「.....やった。有難う」


「.....良いんだ」


そんな言葉を話し合いながら俺達は歩き出す。

それから俺は鈴を見る。

鈴は恥ずかしがりながらも俺をはにかんで見てくる。

俺はその姿を見ながら、この前はすまなかった、と言う。


「だって雫だって忙しいでしょ。.....あの時は本に当たって打撲していたし」


「まあそうなんだけどな。.....御免な」


「うん。.....有難う。妹を守ってくれて」


「.....気にするな。その点は」


そして歩いていると.....鈴が、ね、ねえ、と言ってくる。

俺は?を浮かべて鈴を見る。

鈴は小さな手をワサワサ動かしていた。

手を繋ごう、と言う感じだ。


「.....お、おう」


「その方が恋人っぽく見えるから」


「.....オイオイ。俺はまだ誰とも今は付き合う気は無いぞ」


「そうだね。.....あの後だし。.....でも.....私が君を好きだってのは知ってほしいしね」


「.....分かったよ.....」


そしてそのか細い手を握る。

それから歩き出した。

何これ....よく春香と一緒にやっていたのに改めるとクソ恥ずかしいな。

思いながら歩いて駅前にやって来ると。

あ、あそこだよ、と鈴が指差した。


「ああ。あれタピオカ屋だったのか」


「そうそう。女子高生に話題なの」


「.....そうか。.....俺は行っても良いのか?」


「うん。大丈夫。私が居るしね」


俺はその言葉を受けながら少しだけ赤面する。

すると鈴は、じゃあ行こうか、とギュッと握ってくる。

そして店内に入ると.....旗本が居た。


目を丸くしながら俺を見てくる。

ほほーう?、と言いながら俺に笑みを浮かべてくる。

ニヤニヤしながら。


「いや。お前.....」


「.....何何?遂にもしかして鈴さんと付き合い始めたの?」


「違うけどな。.....ちょっと約束していてな」


「.....そうなんだ。.....アハハ。じゃあ私はお邪魔だね。帰ろうかな」


言いながらゴミ箱に飲み物のケースを捨ててから。

そのまま俺に手を振る。

その.....旗本につい聞いてしまった。

旗本。お前.....絶対に恋はしないのか、と、だ。


「.....それはどういう意味かな?」


「.....いや。御免な。やっぱり忘れてくれ」


「もしかして佐藤くんの事?」


「.....!」


俺はギクッとする。

コイツ.....気が付いているのか?

考えながら俺は旗本を見る。

だが旗本は、御免ね。私は恋はしないよ。.....もう傷だらけだから。.....佐藤くんには申し訳ないけど、と言う。


「.....でもちゃんと言わないとね。.....有難う」


「.....旗本.....」


「.....私は.....御免ね。減点ばっかりなの。だから.....恋は出来ない」


言いながら旗本は手を笑顔で振って、じゃあね、と去って行く。

俺はそれを静かに見送りながら、何かあったの?、と聞いてくる鈴を見る。

鈴に、そうだな。色々な、と説明する。

アイツは昔に恋で傷を負ってな。それで恋に臆病なんだ、と言う。


「.....そうなんだ.....そんな事って.....可哀想.....」


「.....とある男に好かれているんだ。旗本がな。.....だけどその事を旗本は受け止めないんだ。過去の事があるから」


「.....そうだよね.....」


「.....鈴。そんな悲しい顔をするな。アイツならきっと大丈夫だから」


俺は思いながら旗本の去った方角を見る。

そして顎に手を添えながら考える。

それから溜息を吐いて空を見た。

厄介だぞ佐藤、と思いながら。

お前の行く道はな、と。


「.....ねえ。何か出来る事は無いかな。旗本さんに」


「.....残念ながら無いだろうな。例えあったとしても.....アイツがそれを受け入れるとは思えない。俺達のお世話は.....邪魔でしかならないだろう」


「そうだね.....」


正直恋ってのは.....難しいよな。

俺は考えながら、注文しよう、と明るく振る舞う。

そして目の前を見ると。

恋人割、と書いてあった。

注文するには店員の目の前でキスをしろ、と書いてあるんだが.....。

.....。

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