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冤罪〈クラウンside〉

本日3話目です。

「チャボットが毒殺?」


「はい。ルーザリア様が犯人だと……そんなはずないのに……」




 ルーザリアと仲の良かった男爵令嬢がそう言ってきた時には頭が真っ白になった。


 事情を聞けば、ルーザリアが犯行に及んだとされる時間には、私と過ごしていた事が判明した。


 大丈夫だから安心しろと言って、急ぎルーザリアのもとへ走ると、彼女は学園の面談室で教師たちから責められている最中。


 私は迷わずその場に割って入った。




「ルーザリアは無実だ」


「クラウン様!」


「殿下……。どうなされました?」




 その場にいた学園長たちは困惑した様子だったが、私の話を聞き彼女が無実だと分かってくれたようだ。


 疑ってすまなかったと詫びられ、今日の所はこれで終わりにという事になった。




「大丈夫かい? 怖かったろう?」


「えぇ。でも、きっと殿下が助けに来てくれるって……私信じていました」


「そうか」




 私を信じて待っていたとは……。


 彼女にこんなに頼られるのが嬉しい。




「それで、誰がルーザリアが犯人などと言ったのだ?」


「それは……」


「良いの、言わないで……」




 友人の男爵令嬢の言葉を遮るルーザリアの行動を不思議に思った。




「どんな事があっても君を信じるから、私に全部話してくれ」


「クラウン様がそう言うなら……」




 そう言って語られた真相は、グレイシアの罪の告発だった。


 全てが明らかになって思ったのは……。




 これはルーザリアを公妾(こうしょう)ではなく、王太子妃にできるチャンスでは?




 普段抜け目ないグレイシアを婚約者の座から引きずり下ろすのには最適な事件だった。


 しかもその日は実習で学園外に出ていたフールが戻ってきて言うには、飼育員と共に現場にいたそうだ。


 グレイシアらしい人影の事が問題にならなかったのは、彼女がそんな事をするはずないと最初から除外されていたためだ。


 フールもその時はまさかルーザリアが犯人とされるなど思いもしなかったので、箝口令(かんこうれい)に従っていたとの事。


 だからこそ、あの日のパーティーで、ない事にできないように婚約破棄騒動を起こしたのに……。


 これは一体どう言う事なんだ!

次話『断てない想い〈クラウンside〉』


*先日18話目がダブって投稿していまして、19話目を正しく投稿し直しております。

大変申し訳ありませんでした。

まだ目を通してない方、もし良かったら読んで頂けると幸いです。

最終話まで残り少なくなっていますが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾

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