chapter 82 パクパク
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今日は元Sクラスギルドのパーティーに参加する。今まで筆頭ギルドだったけど、今は第2位なんだってさ。
ギルド『フラッグシップ』のパーティーだ
で、何故かサポーターがもう1人いる……
聞いてないよ……
「よく来てくれたね。今日はよろしく!」
エクスカリバーの勇者オルフレッドさんだ。
「何でサポーターなんてやるのよ? 勇者でしょ?」
「ミンフィー、君だって数十年に1人の逸材って言われたモンクだろ? 更に区長様で、新進気鋭ギルドのマスターだ」
「そうね……まぁいいわ。よろしくね」
どうもミンフィーはオルフレッドさんが苦手みたいだね。
「ミンフィー、どうするの?」
「もういつも通りでいいわ。どうせしつこく探るだろうから見せて構わないわ」
Sランクの冒険者パーティーは流石に凄い! 無駄な動きがほとんど無いや。
罠も完璧に解除するし、宝箱も素早く開けちゃうよ。
それをクルミが双眼鏡でジッと見ている。
「なるほどね。見て覚えているのかい?」
「そうよ」
もう堂々と言っちゃったよ!
「いい心掛けじゃないか。昔はみんなそうやって覚えたらしい。今みたいに何でも誰かに教えてもらうのは当たり前では無かったそうだ」
感心しちゃってるよ。流石だね勇者さんは!
「どれくらい見てきたんだい?」
「B、Aクラスギルドの主なシーフ、レンジャーは見たわ。Sはこれからね」
「ウチのシーフは超優秀らしい。是非、勉強して行って。後で話も出来るようにしとくよ」
ミンフィーがジッとオルフレッドさんを見つめている。
「目的は何?」
「ははは。ちょっと頼みがあるんだ。簡単な事さ」
「一応、聞いとくわ」
「ダイヤモンドスターのパーティーに入ったら、どんな感じだったか教えてくれないか? 流石に僕はあそこには入れてもらえないからね」
「……分かったわ」
今、筆頭ギルドはイージスの女性勇者スカーレットさんがいるダイヤモンドスターになった。各地から有名な冒険者を引き抜いているらしい。
元Sクラスのギルドの方が安心してパーティーに参加出来る。Sクラスでおかしな事をしたら評判がガタ落ちになっちゃうからね。サポーターを見捨てて置いてきたなんてあり得ない事だよ。
「どうクルミ? Sランクの冒険者テクニックは?」
「やっぱりダントツでフラッグシップのシーフさんが上手いですね」
それは僕でもなんとなく分かった。早くて正確なんだ。
次はいよいよダイヤモンドスターのパーティーに参加だ。
「まさかスカーレットさんが来ないよね?」
「あの子は絶対に来ないわ。来たら褒めてあげるわよ」
待ち合わせ場所に行ってもスカーレットさんは居ない。ちょっとだけホッとした。またバトルが起こったら大変だ。
流石に筆頭ギルドだけあって凄い勢いで攻略が進んでいく。クルミも必死に双眼鏡で覗いているけど……
「全く理解出来ません……今までとは次元が違います」
「スキルかしら?」
「そうだと思います。普通じゃないですね」
どうも特別なスキルで罠を解除したり、宝箱を開けたりしている様だ。特別過ぎてクルミにも理解不能らしい。
ダイヤモンドスターのパーティー全員がそんな感じだ。
次元が違う……理解が追いつかないんだ……
突然、パーティーの進行が止まった。
何が起こったんだろう?
「お祈りの時間です……神に祈りを……」
パーティー全員がお祈りをしている。どうも全員が聖心教徒みたいだね。
僕達も合わせてお祈りしとく。パーティーに参加させてもらっているしね。
結局、分からないって事だけが分かった。
まあそれも収穫だね!
〜 ギルド『レザムールズ』ハウス ロビー 〜
ソファーに座ってクルミが箱開けの練習をしている。ホクトさんの新作宝箱を開ける練習だよ。
カチ!
宝箱が開いたみたいだ。また閉じて練習している。
カチ!
開いたね。
「もう私ではクルミの課題を用意出来ません。相当な腕前だと思います」
クルミは新作宝箱が気に入ったみたいでカチカチ開けて遊んでいる。ホクトさんが左右に首を振っている。かなりの力作だったらしいよ。
僕等は元Cクラスのダンジョンのボスを全てクリアした。時間は掛かったけどCクラスのギルドになった。
ここからが本当の戦いだよ。
〜 スパイダーダンジョン 〜
Cクラスのダンジョンに初めて挑戦する。事前に情報は仕入れてあるけどね。ここからは敵が宝箱をドロップする事がある。それは今までと変わらないそうだ。
でも、敵は今までのBクラスダンジョンの敵だ。
「全力でいくわよ」
ミンフィーも気合いが入っている。今日はみんな本来の役割に戻って動く事になっている。装備も本職用だね!
でも栞さんだけが侍の装備で来ている
「どうもこちらの方が合っている気がして」
「いいですよ。今日アタッカーで」
「いえ。ちゃんとヒーラーもやりますのでご心配なく」
詠唱が無茶苦茶早いから戦いながらでもいいってさ。
「モッシュ、頑張らないとターゲットが栞さんになるわよ」
攻撃しながら回復までしちゃうと敵の注目を集めちゃうからね。これは相当、頑張らないといけないな!
デカイ蜘蛛が部屋の中央に1体いる。
「よし! みんな行くよ! サンダー!!」
蜘蛛に魔法で先制攻撃して、長い足をぶっ叩いた! すぐにみんなが配置につく。右側にミンフィー、左側にフェンとスノウ、敵の後ろに栞さんとティアナだ。
僕は冷静に敵を見て攻撃を重ねていく。焦る必要は無い。僕だってソロでずっと鍛えてきたんだ。スッと敵の攻撃を受け流すと同時にカウンターで打撃を加える。ビリビリ……
盾の扱いも上手になってきた。完璧に敵の攻撃を防ぐから回復魔法は必要ない。
「みんな! 遠慮なく攻撃して!」
絶対にターゲットは僕が維持するぞ
ザリウスとティアナが状態異常魔法を掛けてくれたな。ちょっと敵の動きが悪くなった。
アイリスが竪琴を演奏している。こちら動きが良くなっている。自分達はどんどん強化されて、敵はどんどん弱体されていく。
ニャンタが僕の後ろに隠れてファイアボールを唱えた!
「ニャー!」
ボン! 蜘蛛の大きな目玉に火球が炸裂した!
何か無茶苦茶に蜘蛛が僕の事を怒って攻撃し始めた。
僕じゃないんだけど……
まあいいか!
しばらくすると蜘蛛がミンフィーの方を気にし始めた。
うう……頑張らないと……
ちょっと蜘蛛が横を向いた瞬間に……
サク!
クルミが蜘蛛に飛び掛かってレイピアを深く突き刺した!
そして、スッと僕の後ろに隠れたよ!
また蜘蛛が怒って僕を攻撃してくる!
うーん。僕じゃないんですけど……
まあいいか!




