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GIANT KILLING 〜荷物持ちのファンタジア〜  作者: ふぐ実
第一章 貧民区のお嬢様
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chapter 64 また呼び出しをくらう

ご愛読ありがとうございます

 〜 ギルド『レザムールズ』ハウス モッシュの部屋 〜


 ニャンタが付与をする為の矢尻を大量に準備している。


「ニャンタはこの付与に賭けています」


「そうなの? イマイチ分からないな」


「ニャンタが自力で使える唯一の魔法なんです」


 あまり踏み込んで聞くと呪いに関わってしまう。ティアナが慎重に言葉を選んで話してくれた。


「付与は強化魔法の一種なので、頑張れば強化魔法スキルが上昇して魔力も増すかもしれません」


 なるほどね。ティアナは本当に魔法ついて詳しいな。ニャンタはティアナが居ないと魔法がほぼ使えないのか……

 ティアナとニャンタはハウスに居る時間が長いので、この付与による魔法スキル上げは合っているね。


「部屋の扉を開けておくから好きな時に来ていいよ」


「ニャー」


 ニャンタは感謝しているようだね。

 作業台の上に矢尻をズラっと並べて、大きめの魔石をセットした。ニャンタが矢尻に手を添えて一個ずつ付与していく。付与が終わった矢尻を器用に手で下に落として、カゴに入れた。しばらくやるとロビーに行ってソファーで眠る。


「これなら矢尻さえ用意していればいつでも出来るね」


「そうですね。私も頑張って沢山作っておきます」


 ティアナも矢尻を仕上げるのが早くなってきたよ。かなり多く作ったから、気分転換にティアナの剣技の訓練をする。

 ティアナは両手剣の特訓中で少し重い剣も扱えるようになってきていた。


 でも……魔剣になったニャンタを使うのには程遠い。ニャンタは少しずつ大きくなっている。ティアナも必死に鍛えているけど、魔剣ニャンタを地面に刺して固定するので精一杯だ。


 ティアナがブンブンと練習用の剣を振って攻撃してくる


 ティアナが焦っているのがよく分かる。何とかしないといけないという気持ちが伝わってくる。


「一緒に頑張るから落ち着いていこう。焦りが剣に伝わっているよ」


「ニャンタにも同じ事を言われました……頭では分かっているんですが……」


 こんな時ミンフィーが居ればアドバイスしてくれるのにね。いつも僕のそばに居てアドバイスをしてくれた。


 それは当たり前の事では無い 感謝しないと! 


 僕にはアドバイスなんて出来ない。なら、とことん付き合うだけだよ。


「よし! 気にせずどんどんやろう! 夢中でやっていればその内に変わるさ」


「はい!」


 うん! ティアナがいい笑顔で答えてくれた。2人共、フラフラになるまで訓練した。いい汗をかいたね!

 

 

 一週間経ってようやくミンフィーとアイリスが帰ってきた。でも、予定では二週間って言っていたんだけど……


 何かあったのかな? ちょっと表情が冴えないよ


「おかえり。どうしたんだい?」


「魔女様の使い魔がエルフの里に来たのよ」


「へぇ〜 それで?」


 ロビーにみんなを集めてミンフィーが説明する。


「魔女様から手紙が届いたわ。ラミアを倒した者達は東の森に来るようにって」


 むむ? 魔女様はその事を知っているって事か。でも、誰が倒したのかは知らないみたいだね。


「申し訳ないのだけど、今すぐ準備してもらえるかしら? 手紙を受け取ってから2日も経過しているから」


 みんな慌てて準備を始めた。ミンフィーとアイリスはお風呂に入り行ったので、僕は馬車を手配しに行く。

 馬車を借りてハウスに戻ると……


 アイリス、フェン、栞さんがドレスを着ていた!


 アイリスは緑色のドレス、フェンはオレンジ色、栞さんは水色だ。


 勿論、ミンフィーもドレスだよ。


 ティアナが栞さんの髪を結い上げていて、ホクトさんがアイリスとフェンのアクセサリーを選んでいた。


 ミンフィーはもう完璧にお嬢様へと仕上がっている。


「す、凄いね。みんなのドレスを準備していたんだ」


「一流なら当然だ。お前も準備しろ」


 シャバニさんに言われて僕も着替えた。ザリウスはもの凄くビシッと決まっている。スノウもブラッシングをしてもらったみたいだね。


 ホクトさんが馬車を操って東の森へと急いだ。みんな緊張しているみたいで、馬車の中はとても静かだ。


「わ、悪い事はして無いんだし大丈夫だよ」


 雰囲気がとても重い……みんなかなり魔女が怖いみたい。


 森の入口に着くとまたウサギが立っていた。みんな馬車から降りてウサギの所へ歩いていく。


「魔女様からのご指示により参りましたラミアを倒した者です。お取次願います」


「以前ここに来た者か。着いて来るように」


 またウサギが老人の声で喋った。みんな驚いているけど僕とミンフィーは2回目なので大丈夫。


 グニャリと歪んだ不思議な感覚の森を歩いて進み、魔女様の小屋に案内された。小屋の前で弟子の老人が待っていた。


「魔女様がお待ちです。中へどうぞ……」


 老人は何だか疲れているみたいだ。魔女様の機嫌が悪いとマズいな……とても気分屋っぽいんだよね。


「魔女様、ラミアを倒した者達が来ました……」


「うむ! ご苦労! お前は話の補佐をしなさい」


 小さな可愛いらしい少女が緑色の鮮やかなローブを着て椅子に座っている。


「かしこまりました」


 老人は魔女のそばにソッと控えた。


「僕達がエルフの里でラミアを倒しました」


 僕がパーティーリーダーだから受け答えをする事になっている。


 小さな魔女はコクリと頷いた。


「よくラミアを倒してくれた。感謝する」


 魔女様がチラッと老人の方を見た。


「魔女様……最初に『そびえ立つ壁』を倒した者達です」


「む? そうだっけ?」


 魔女様が僕とミンフィーを見てコクリと頷いた。


「なら話が早い。西の魔女からの申し出があった。ダンジョンを攻略した対価を渡したいそうだ」


「ダンジョンですか? 確かに階段と通路はありましたが迷路も有りませんでしたし、敵もラミアだけでした」


 魔女様がチラッと老人の方を見た。


「現在、国内各地にて西の魔女のダンジョンが生成されて、大変な事態が起こっています。『シャングリラ』だけが何の影響も受けていないのです。それはラミアがダンジョン生成した直後に、あなた方が討伐したからです」


 あれは出来たてのダンジョンだったんだ。これから大きくなっていく所だったみたいだね。


「ラミアはCクラスボス級のモンスターよ。最速クリアとダンジョンの無力化ボーナスまで加えられるわ」


 魔女様がチラッと老人の方を見た。


「相応のスキルガチャ、装備ガチャ、ジョブ専用ガチャが相応しい対価になります」


「そ、それは凄いですね……でも、西の魔女の所になんて行ったら殺されそうですが……」


 どう考えても僕達の力で対抗出来る相手じゃないよ。



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