chapter 63 情熱のサポーター
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〜 ギルド『レザムールズ』ハウス モッシュの部屋 〜
骨の矢尻を雷属性の付与をしながら作成する。戦闘の時は効果時間が切れたら魔法を再詠唱していたけど、これは矢尻を作成する度に魔法を詠唱している感じだよ。
結構、魔力を消費するなぁ〜
魔力を回復する緑茶を出して、飲みながら作り続けた。
コン! コン!
「ティアナです。モッシュさん宜しいでしょうか?」
「はい。開いているのでどうぞ」
ティアナが扉を開けて部屋に入ってきた。その後ろをニャンタもついてくる。
「実はニャンタが骨細工をやりたいそうなんです」
「ニャンタが?」
いくら魔猫だからって物を作るのは無理だよ。
「私が形を作ります。付与だけニャンタがやればいけるはずです」
「なるほどね。初心者セットを使っていいよ。材料は沢山あるからやってみようか」
ティアナに骨の矢尻の作り方を教えてあげた。僕は使わなかったけど、初心者セットにも魔石を嵌める所がある。
「じゃあ、ニャンタ。いくわよ」
「ニャー!」
ニャンタが白く光った!
出来上がった矢尻を栞さんに鑑定してもらった。
骨の矢尻 聖属性 +0.1
「お! 成功しているね」
品質はノーマルだね。マイナスでは無いから納品可能だ。
「ニャ!ニャ!」
ニャンタはとてもとても嬉しそうだよ。ちょっとティアナの作業見守っていたけど、すぐに寝ちゃった。
「すみません……眠った方が魔力を多く回復出来るみたいなんです。ニャンタ、失礼なのでロビーに行って」
ティアナが扉を開けるとニャンタがノタノタとロビーに歩いて行き、聖書を読んでいる栞さんの膝の上で丸まった。
「別に気にしないからいいのに。魔力が足りなくなったらミルクを出してあげるね」
「魔力が枯渇する寸前まで消費して、自然に回復させる事で自然回復力や魔力の最大量が増やせないか試したいそうです」
それならミルクはあまりあげない方がいいね。
「ニャンタがそう言ってるの?」
「はい……ニャンタは元々の魔力がとても少ないんです。私達は何でも試してみるしか無いので……」
「協力するから遠慮なく言ってくれればいいよ」
ティアナと2人でどんどん矢尻を作っていく。たまにニャンタが来て扉をカリカリするので、扉はもう開けっ放しにする事にした。
ニャンタは属性付与工程だけの担当だね。
「頑張ってますね。私も何かやってみようかな」
栞さんがニャンタと一緒に部屋に来て、僕達の様子を眺めている。
「錬金術の初心者セットがあるからやってみますか?」
ミンフィーには新しい初級者セットを買ってあるし、自由に使ってもらっていいよね。
栞さんは蒸留水を作る練習を始めた。みんなで話ながらやると単純作業でも楽しく出来るや。
でも、ニャンタは次第にフラつき出した。必死に魔力を絞り出しているようだね。付与してリビングへ帰っていく。フェンの膝の上に乗りたいみたいだけどジャンプが出来ないみたいだ。
「はい。どうぞ」
フェンがニャンタを持ち上げて膝の上に乗せてあげた。
「クゥーン……」
スノウもやって欲しいみたいだね。
「はいはい。おいで」
スノウがフェンの膝にのっそりと乗っかって、嬉しそう撫でられている。ニャンタは全く気が付かないで寝ているね。
ニャンタも頑張ってるし、僕も同じ事を試してみようかな。僕だってスキルが無いから魔力はとても低い。日頃の訓練で少しでも上乗せ出来ればいいよね。
「よし! 僕も飲み物無しで頑張るよ!」
魔力を枯渇させる為、みんなに強化魔法を唱えていく。
「クイック!」
そして、骨の矢尻をどんどん作る! 魔力が減ってきているのがハッキリと分かる。頭がフラつくし、激しい頭痛がしてきた……これはやばいよ……何とか移動してベッドに倒れ込んだ。
ニャンタお前……
こんなキツい事を小さな体で……
魔力が時間経過に寄って次第に回復してきた。そうすると頭痛もフラつきも収まっていく。
少し動けそうなので普通の冷たい緑茶を『大きなコップ』に出した。それを自分のコップに注いでから飲む。
みんなにもどうぞと言って配っていく。
ふぅ……これは大変だ
「ニャンタ、冷たいミルクを出してあげるよ」
『大きなコップ』をもう一個持ってきて、冷たいミルク出した。それをニャンタとスノウにあげる。
ペロペロとニャンタが飲んでいる。何だか気持ち良さそうだよ。
「一緒に頑張ろうな」
「ニャー」
翌朝、栞さんとティアナと一緒に完成品を納品しに行って
から、また矢尻作りをする。栞さんは店番だってさ。
栞さんとは別れて、ティアナとギルドハウスに帰る。
「骨材と魔石を提供して頂いたのに先程の取り分では申し訳ないです……」
「そんなのはいいんだよ。楽しく作業が出来て嬉しいし」
「モッシュさんは……何の為に戦っているんですか?」
「僕かい? 僕は……」
始まりはギルドを見捨てた人達を見返す為だった。でも今はそんな事どうでも良くなってきた。
「僕にとってはミンフィーのギルドが全てなんだよ。ウチで一緒に活動する人達の為に僕は戦っているよ。ただそれだけなんだよね」
「私達には別の目的があります……」
「そんなの当たり前だよ。みんなそれぞれの考えがあるさ。もし何かあってウチを離れる事があっても恨んだりはしないから。逆に応援して送り出しあげるよ」
「ありがとうございます……」
「ティアナ、どんな事情があるのか僕には分からないけど前向きにやっていこうよ」
ティアナにニコッと微笑んだ。僕達のギルドは明るく、前向きなギルドにしたいんだ。
ティアナとニャンタが頑張って前に進もうするなら、僕は全力でサポートする。
僕はこのギルドのサポートなんだからさ!




