chapter 57 冒険の旅に出る
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北西の山に調査に行く事にした。パーティーは僕、ミンフィー、栞さん、フェン、スノウ、ザリウスの予定だった。
「私も行きます!」
アイリスがどうしても行くと言って聞かない。呪われているアイリスが行くのは危険だと、ホクトさんは言っているんだけど……
「占いではアイリスが行くのは良し悪しってところです」
ホクトさんがお守りのペンダントをアイリスに作って渡した。ほんの少しだけど呪いに抵抗出来るんだって。
旅支度をしっかりと整えて、馬を6頭レンタルして出発した。
北西の山の麓には深い森が広がっている。その森がエルフの隠れ里がある場所らしい。そこから多くのエルフがシャングリラに避難して来たみたい。でも、誰も事情を話せない。
呪われているからね……
テントで2泊してようやく森の入口に到着した。エルフの住む森は幻想的でとても美しいと聞いていたけど……
全く反対の風景がそこには広がっていた。薄暗く妖気に包まれているような森へと変貌してしまったようだ。
一応、道らしき物は残っていたので、馬を木に繋いで歩いて進む事にした。
武器を持って戦闘態勢で進む。先頭はいつも通りフェンとスノウだ。
「モンスターの気配がします。警戒して下さい」
前方にゴブリンが3匹いた! ザリウスが睡眠魔法で眠らせる。フェンとスノウがサクッと倒してくれた。
「弱いですね」
森の奥に行くにつれ、モンスターの数は増えたがゴブリンばかりだし、そんなに強くない。
エルフ達が住んでいた集落に到着した。ゴブリンがいたけどサクッと倒しちゃう。
集落を捜索すると……
ダンジョンらしき入口が広場にあった!
広場の中央に下へと続く階段がある。
「危険すぎるわ……」
ミンフィーは戸惑いを隠せないでいる。このダンジョンは東の森の魔女様が冒険者育成の為に作った物ではない。
『正真正銘のダンジョン』だ!
「行ける所まで行ってみよう。危なかったら即、逃げよう」
フェン、スノウを先頭にダンジョンの中に入っていく。そこはいつもの洞窟タイプのダンジョンではなかった。床も壁も全て石で出来ている。明かりはあるけど辛うじて見えるくらいの明るさしかない。
「罠が怖いです……慎重に進むけど私では全ての罠を発見出来ません」
フェンは斥候役として罠を見破るのを勉強してくれていた。でも実践は初めてだ。
「恐らく低脳なゴブリンが通る通路だから罠は無いわ」
ミンフィーは大丈夫だと思っているみたいだね。通路は1本道で迷路にはなっていない。すぐに下へと降りる階段があった。どんどん下に降りて行くけど敵はいない……
かなり下に降りた所に大きな扉があった。扉を開けて中に入った。
そこには大きな空洞があった。
「鍾乳洞ね……」
薄暗い鍾乳洞を進んで行くと大きな湖があった。
「地底湖ね。ここが水源かしら……」
ミンフィーが警戒しながら探索している。
「水が真っ黒に汚染されているわ……」
「湖の中から反応有り! 巨大です!」
フェンが大きな声でみんなに呼び掛けた!
僕を先頭に密集陣形を整える。
大きな水柱が湖から上がって巨大なモンスターが姿を現した! 見た事の無い敵だ!
上半身は女性で下半身は蛇だ!
大きい3メートルはある……とても醜い姿をしている
「ラミア……」
「人間か? ノコノコと食われにくるとは」
喋れるのか……魔族というヤツか?
「ここで何をしている?」
話してみようと問いかけてみたけど……
ラミアはゆっくりと陸に上がってこちらに向かってきた。
話す気など無いようだ。強化魔法を掛け直して武器を構えた。
アイリスが必死になって演奏をしている。いつもよりかなり大きな音がしている。
「ラーーララーラーラーララーラーー」
ラミアが歌った! とても美しい歌……
アイリスの竪琴が歌の邪魔をしている……わざと調子を狂わせているのか!?
「行くぞ!!」
ドン!! ビリビリ……ラミアの体に攻撃がヒットした。
「毒に注意よ! 尻尾の攻撃メインなはずだわ!」
ミンフィーからアドバイスが飛ぶ! さすがだ! 見た事も無い敵の知識もちゃんと有る。
ラミアは尻尾で僕を捕らえようと攻撃してくる。フェンとスノウがサイドから攻撃してそれを防いでくれた。
細長い手には鋭い爪がある。今度は爪で引っ掻こうとしてきた。
意外に素早い……回避しきれず右腕に少し当たった!
「キュア!!」
栞さんが治癒魔法を唱えてくれた。盾をしっかり構えて相手の動きをよく見る。始めての敵で行動が読めない。
尻尾と爪……爪には毒が付いているな。
「ウォーーーー!」
ドコ! ビリビリ……ぶっ叩いて攻撃する!
ムキになって僕に爪で攻撃してくるけど、1度見ているので受け流せた。ボコ! ビリビリ……カウンターで攻撃を加えてやる。完全に頭にきて僕しか見えていない。
ミンフィーがラミアの背後に回ってジャンプして後頭部に回し蹴りを放った!! ラミアは前のめりになった。そこに僕が頭部に向かって強撃を加えた。 ドゴ! ビリビリ……
ラミアの尻尾にフェンの仔猫のしっぽが巻きついていて動きを鈍くしている。
右サイドからはミンフィーが凄まじい連撃を加えていた。
スノウが尻尾に噛み付いた!
「ギャーーー!!」
ラミアがスノウを振り払おうとしている。スノウに向かって手を伸ばした瞬間に……
ミンフィーがラミアの腕に飛びついた。ラミアの腕を足の間に挟んで手首を両手で掴んだ!
ミンフィーの腕十字固めが炸裂した!!
「ギャーーー!!」
ラミアが地面に崩れ落ちた。そこに前衛陣から凄まじい連撃が加えられる!
狙いすまして頭部に渾身の1撃を放った!!
ポトン……
ラミアは大きな魔石になった!




