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GIANT KILLING 〜荷物持ちのファンタジア〜  作者: ふぐ実
第一章 貧民区のお嬢様
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chapter 48 進化するお嬢様

ご愛読ありがとうございます

 〜 スライムダンジョン 改 〜


 今日もスライムダンジョンで前後衛を入れ替えての攻略をするんだけど……


 何故か冒険者ギルド協会のミシェルさんが同行する事になった。都市管理者から特別クエストが出て、冒険者の実力を上げる為の調査をする事になったそうだ。

 

「躍進を遂げているギルド『レザムールズ』に一週間体験入会をして、ダンジョンの改善点を調査する様にとの事です」


「ねじ込んだわね……あなたレベル1でしょ?」


「初心者育成も大事ですよ!」


「まあいいわ。手加減はしないわよ」


 それはちょっと……


「ミシェルは午前は後衛、午後からは前衛ね。パーティーはいつも通りクジ引きよ」


 特定の人とパーティーを組まないようにクジでパーティーを決める事にしていた。


「これだけの人数しか居ないのに2組に分けているんですか?」


「相手はスライムよ。もう1組作ってもいいくらいだわ」


 ミシェルさんはいきなり驚いているけど……それ位で驚いていたらとても……


 クジを引く。僕とフェンは小さな箱から引く。AかBと書かれてた紙が入っている。

 栞さん、ティアナ、アイリス、ザリウス、ミシェルさんが大きな箱からクジを引く。こちらにもAとBの紙が入っている。

 チーム分けが終わるとみんな扉の前に置かれたリュックサックを背負ってダンジョンへと入っていく。


「ミシェルは今日が初めてだからコレを背負って貰うわ」


 そう言ってミンフィーがミシェルさんにリュックサックを手渡した。


「重い……何ですかコレ?」


「鉱石5キロよ。他の人は倍の10キロね」


「はい?」


「ほら! サッサと背負って行く!」


「は、はい!」


 協会のエリート職員が何でこんな所に来ちゃうかなぁ〜


 最初の小部屋に到着した。僕はミシェルさんと同じ組だ。


「この飲み物を飲んで下さい。ミンフィーがせっかくなのでレベルを上げて行くようにって」


 ミシェルさんに経験値UPのアイスティーを渡した。


「美味しいですね! 何処かで飲んだ事があるような……」


 それは真似だからね!


「僕は回復役です。ミシェルさんは魔法使いですね」


「精霊魔法が使えます」


「じゃあ天井のスライムを任せますね」


 簡単に打ち合わせをしてバトルを開始した。もうみんな慣れているのでサックリと倒して次に移動する。

 ミシェルさんはしっかりとスライムにファイアボールを唱えて倒してくれた。さすが冒険者一般コースの最優秀者だね。

 

「なるほど……ギミックがあるから飽きないんですね」


「状態異常魔法の治癒も必要なので、後衛必須なのも重要かもしれませんね」


 ミンフィーはみんなの動きを確認しながらアドバイスしている。第3層でしばらく訓練して帰る。お昼ご飯を食べて、またクジ引きをして訓練に行く。

 夕方になってハウスに戻ってきたら、当然のようにみんなボロボロだ。


 ミシェルさんなんて喋る気力もない感じだよ……


「もう動けません……ここに泊めて下さい……」


「しょうがないわね……ここのお風呂は筋肉痛に効くわ。しっかりとマッサージするのよ」


 次の日はミシェルさんを普通のダンジョンに連れて行く事になった。スライムとヒツジダンジョンだ。

 ミンフィーは農場の仕事があるそうなので、僕は薬草採取に行く事にした。

 最近、ポーションの需要が増えてきたので露店のポーションがよく売れているらしい。


 近くの森に薬草を採取に行くと以前とは違って数名の人が採取をしていた。需要に供給が追いついていないらしく、価格が上がっているそうだ。


 採取を終えてシャバニさんの店に行くと店番は近所のおばあちゃんがしていた。


「シャバニさん居ますか?」


「ん? なんだ? モッシュか」


「薬草の価格が上がっているそうですよ」


「勿論知っている」


「ポーションの値段も上げた方がいいんじゃないかと思って知らせに来たんです」


「値段は絶対に変えない。ちなみに品質も変えない」


「どうしてですか? 儲けるチャンスですよ?」


「値段も品質も常に一定なら同業者も文句は言えない。ウチはまだまだ新参者だからな。もめたくない」


 露店には鉄の剣なんかも置いているそうで、それも一定品質、価格にしているみたい。

 シャバニさんの店舗も品揃えが増えてきている。とは言ってもシンプルなシャツ、ズボン、スカート、タオルくらいだね。ミンフィーが畑で作った野菜も売られている。


 それも安いや……


 この店、儲かっているのかな……


 ちょっと買い物して行こう。


「おばあちゃん、シャツとズボンとスープを下さい」


「はい。ありがとねぇ。全部で10ゴールドよ」


「ん? シャツが4ゴールド、ズボンが6ゴールド、スープが1ゴールドだから11ゴールドですよ」


 おばあちゃん……計算間違えてるよ。


「ここで何か買った人にはサービスでスープが付くからね。10ゴールドでいいんですよ。神の御加護がありますように……」


 おばあちゃんがお祈りして、スープをくれた。今日は芋のスープだね。素朴だけど美味しいや。



 〜 レザムールズ 農場 〜


 近くに来たので農場の様子も見て行こう。ミンフィーは畑で芋を植えていた。


「ミンフィー! 薬草の苗を取ってきたからあげるよ!」


 ミンフィーがタオルで汗を拭きながらこっちに来た。ミンフィーの他にも5人、農場で働いていた。


「ありがとね。後でハウスの方に植えるわ」


「シャバニさんの店に行って来たんだけど、大丈夫かな? あそこ儲けるつもり無いような……」


「あの人は前世で90年も生きてきたんですって。任せておけば大丈夫よ。物はよく売れてるらしいわよ」


 確かにシャツもズボンも良い品質だったしね。もっと高くすればいいのに……


「ここには芋を植えてるんだね」


「シャバニさんに頼まれたのよ。甘くて美味しいさつま芋が欲しいそうよ。デザートを作りたいみたいね」


 あの人、本当に甘い物が好きだよね。見た目は怖いけど。


 畑で働いている人の様子を見ると熱心に芋を植えている。


「あれ? みんなさっき買った服を着ているね?」


 ミンフィーも同じシャツとズボンだ。


「シャバニさんがくれたのよ。その代わりに芋を植えてくれって。別に植える物は何でもよかったから」


 ミンフィーは『イモのお嬢様』と呼ばれる様になっていた。前のよりは少しマシなような気もするね。

 

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