chapter 44 招待されても行きたくない事はある
ご愛読ありがとうございます
大都市の冒険者ギルド協会はどんな感じなのか覗いて見る事にした。僕達の持っている冒険者カードはエストアール国内ならどこでも使用可能だ。
「クエストがとても多いね」
「ゴラス帝国に対抗する為、前線に砦を築くのね」
「大量の物資が必要って事か……」
宿屋に戻ってお風呂に入る事にした。先にミンフィーに入ってもらってから僕が入る。髪を整えて上げないとね。
「モッシュ聞いて!」
ミンフィーが大興奮してお風呂から帰って来た。よっぽど良いお風呂だったみたいだね。
「ここの温泉は飲めるそうよ!!」
「へぇ〜 美味しいの?」
「美味しくないわ! でも覚えてね!」
美味しくないならどうでもいい事のような気がする。
「とてもお風呂に使える量は出せないよ?」
「そうよね……いいえ! 良いアイデアがあるわ!」
ミンフィーはそのアイデアを新しく建設中の室内訓練所に導入すると言っている。
「来て良かったわ! 大収穫ね!」
〜 ギルド『レザムールズ』ハウス 室内訓練所 〜
室内訓練所が完成した。ミンフィーのアイデアによりお風呂が設置された。
ミンフィーに新しく出来たお風呂へ案内された。絶対に完成するまで見ない様に言われていたので楽しみだよ。
「あ! コップだ!」
お風呂が白いコップの形をしている!
「そうよ! これはコップよ!」
イメージが大切だ!
もう僕はコレをコップにしか思えない。
さっそく温泉を出してみると見事に成功した!
「せっかくだから一緒に入りましょう!!」
「え!? う、うん」
なんか勢いで一緒に入る事になってしまった。
僕が先に入って待っているとミンフィーが入ってきた。
「最高ね! まさかここで温泉に入れるなんて!」
「そんなに温泉が好きなの? 確かに気持ちいいけど」
「あそこの温泉は美肌に良いと評判なのよ」
ミンフィーの白い肌がしっとりツヤツヤしている。
綺麗すぎて頭がクラクラしちゃうよ……
「屋内訓練所は窓が無いんだね?」
「外から訓練が見えない様にしたのよ」
ミンフィーは訓練を見られたくないそうだ。
「ポイントで交換した『カカシ』も楽しみだね」
『カカシ』はミンフィーの瓢箪と同じ不壊属性を有している棒だ。どれだけぶっ叩いても壊れないサンドバックだね。
「武器が傷まない特殊効果が付いているから、思う存分叩いてもいいわよ」
最高だよ!! どれだけでもぶっ叩けるなんてさ!
「シャバニさんから上半身を鍛えるよう言われているから、重めのウォーハンマーを作ってもらって『カカシ』を叩いてトレーニングしようかな」
「いいわね。それとティアナの練習相手になってあげて欲しいのよ」
「ティアナの?」
「レイピアという細い剣を使う練習よ」
それならティアナにも扱えそうだね。でもティアナは魔剣になったニャンタを使う為に両手剣スキルを上げていたはずだよね……レイピアは刺突がメインの片手剣だったはず。
「レイピアから始めて細身のクレイモアに挑戦する予定よ」
なるほどね。ティアナも早く魔剣ニャンタを持って暴れたいだろうな。あんなに大きな剣で敵をぶった斬ったら気持ちいいだろうな!
〜 ギルド『レザムールズ』ハウス ロビー 〜
カラン! カラン!
呼び鐘がロビーに鳴り響いた。結構、夜遅い時間なのに誰だろう? 一時期、入会の問い合わせに直接来る人が居たので、門には新規入会お断りの看板を出してある。
玄関を出て門まで行くと……
そこには誰も居なかった。悪質なイタズラだな!
「ピンポンパンポーン! ギルド『レザムールズ』に召還命令を下します! 詳しくは手紙にて!」
よく見たら大きなカラスが門の前にいる。足元には手紙が1通落ちていた。
怪しすぎる……
しかもあのふざけたアナウンスと同じ女性の声だ!
「誰か知りませんがイタズラは止めてください」
カラスに向かって話しかけてみる。通じるかは分からないけどね。
「モッシュさん! カラスは魔法使いの代表的な使い魔ですよ! 離れて!」
ティアナとニャンタが慌てて駆け寄ってくる!
「あなた達ね……私の使い魔が入れない程の防御魔法陣を敷いちゃって! 私は東の森に住む魔女。そして、ここ『シャングリラ』の都市管理者よ! 召還に応じなければ大変な事になっちゃうからね!」
黒いカラスが女性の声で喋りながらピョンピョン飛び上がっている……多分、怒っているんだろうけど怖くない。
手紙を残し、バサバサっと音を立ててカラスは飛び去っていった。
栞さんを呼んできて手紙を鑑定してもらう。
「大丈夫ですね。普通の手紙で呪いは掛かっていません」
ロビーに持ち帰ってミンフィーに手紙を渡した。
「魔女に召還されるなんて……厄介ね」
「自分はシャングリラの都市管理者だと言っていたよ?」
「魔女が都市を管理しているなんて聞いた事が無いわ」
ミンフィーが慎重に手紙を開けると……
紙が1枚入っていた。招待状と書かれているその手紙にはミンフィーと僕の名前が書かれていた。
〜 招待状 〜
ギルド『レザムールズ』マスター ミンフィー及びサブリーダー モッシュを我が家に招待する。
明日正午、東の森に来るように
東の森の魔女 より
「最悪ね……魔女に目をつけられるなんて」
ミンフィーは手紙をジッと見つめている。
「魔女ってそんなに危険なの?」
「性格にもよるでしょうけど、あのダンジョンの声と同じ声だったのよね?」
「間違いないよ。来ないと大変な事になるってさ」
どう大変か分からないけど無茶苦茶やりそうだね。
「西の魔女はゴラス帝国と手を組んで非道の限りを尽くしているので有名ですが……東の魔女は聞いた事がありません」
ティアナは魔女の事も詳しいみたいだね。何か魔女にやられたのかな……表情は暗く沈んでいる。
「行くしかないわね。モッシュ、ボス戦レベルの準備で行くわよ」
「待て……」
シャバニさんがミンフィーを止めた。
「相手の方が遥かに強いなら逆効果だ。正装して礼儀正しく振るまった方がいい」
「なるほど……そうね……東の森まではかなり遠いわ。馬車を手配しましょう」
ギルドメンバーが森までは護衛してくれる事になった。




