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GIANT KILLING 〜荷物持ちのファンタジア〜  作者: ふぐ実
第一章 貧民区のお嬢様
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chapter 42 変なあだ名をつけられたお嬢様は我が道を進む

ご愛読ありがとうございます

 ミンフィーは最近悩みがあるそうだ。


「私がネズミをどれだけ駆除しても、あの人達が清潔な暮らしをしてくれないとまた増えてしまうわ」


 通称貧民区は建物もボロいし、あまり清潔とは言えない。


「しょうがないよ……事情があって力仕事が出来なかったり、冒険者にもなれない人ばかり住んでいるんだから」


「貯まったポイントを使って土地を買い占めましょう。全て更地にすればネズミも住めないわ」


「そうだけど更地なんて役に立たないから無理だよ。みんなで貯めたポイントなんだから有効に使わないと」


 出て行かされた人の居場所も無くなっちゃうし


 ミンフィーは途方に暮れている……ネズミの駆除であちこちの家に入っているけど、暮らしぶりが良くなくて掃除までして帰ってくる事があった。


「更地では無くて農地にしましょう! そこであの人に働いてもらえばいいわ」


「ミンフィーが農場を経営するって事かい?」


「ええ、そうよ! 雇用する条件は貧民区に住んでいる事、それに住んでいる場所を清潔にしている事よ!」


 ミンフィーが飛び出して行った!


 多分、冒険者ギルド協会に行ったんだろうな。とにかくネズミを根絶やしにするつもりらしい。最近、ようやくギルドハウスからはネズミが居なくなったみたいだけど、周辺では未だに多くのネズミが駆除されている。多少は減ったようだけどね。


 

 城壁で囲まれている小都市「シャングリラ」の中には農場なんて無い。あっても家庭菜園くらいだ。ミンフィーは自分のギルド周辺の空き地を買い占めて農場にする計画をギルド協会に伝えた。

 農場は都市の郊外に作るのが普通だけど、都市管理者も見捨てた貧民区を再生しようとするミンフィーに協力してくれる事になった。


 人が住んでいる一部の住居の移転費用を負担してくれる事になったそうだ。これによりまとまった更地を手に入れる事が出来た。

 移転させられた人は新しい家に住めるので喜んで移転したらしい。


「でも、ミンフィーが農場経営までやるのは忙しすぎるよ」


「そうね……ミシェルみたいな有能な人材がウチのギルドにも欲しいわね」


「農場経営とギルドの運営サポートだね」


「装備はシャバニさんがいるから大丈夫だけど、他の面ではほとんど私頼りなのよね」


 ミンフィーみたいに何でも出来ちゃう人はそんなにいないからね。


「またしばらく『出会える飲み物』を飲んでみるよ」


「そうね……うーん……まあいいわ。お願いするわね」


 なんか迷っていたみたいだけど、いいみたい。



 〜 ギルド『レザムールズ』ショップ 〜


 ギルドハウスの隣りの土地にシャバニさんの店舗が開店した。とても開放的なお店で大きなガラス張りの窓から店の中の様子がハッキリ見える。天気の良い日には扉を片付けて更にオープンな感じになる。

 シャバニさんは店舗の奥にある作業場の炉で鉄製品を作っている。まずは『アイロン』を作ると言っていた。


 店舗の店員はやっぱりシャバニさんでは無かった


 栞さんが水色の法衣を着て店舗に立っている


 置いてある売り物は安いクッキーと薄茶色の麻のシャツと下着だけだ。ここは貧民区なので贅沢品を置いても買う人なんて居ない。ほとんど原価に近い格安の価格設定になっている。


「ポーションは置かないんですか?」


「栞が治療するから薬は要らない」


 シャバニさんは教会での栞さんの活動をここでやらせてあげるつもりみたいだね。


 その代わり店員さんをやらされているけど……


 カウンターの上に『スープ 1ゴールド』と書かれた貼り紙がしてあった。


「1ゴールドって安すぎませんか?」


「ウチの余った食材で作ったスープだからな。飲むか?」


「飲んでみます」


 どんなのか味見してみたい。


「1ゴールドな」


 ちぇっ! 僕も払うのか……


 1ゴールドを栞さんに渡した。


「ご寄付に感謝いたします。あなたに神の御加護を」


 そう言って栞さんが祝福してくれた。なるほどね。寄付って形になっているんだ。


 栞さんが小さな深皿に温かいスープを入れてくれた。具は小さな豆と細切れの野菜が少しだ。味はしっかり塩味がついているけど具が少ないので物足りない。


 たった1ゴールドなら安いと思うけど買う人いるのかな?


 しばらくの間、『ねずみのお嬢様のギルドが1ゴールドのスープを売っている。1ゴールドねずみお嬢様』と言われて馬鹿にされていたけど、ミンフィーは何とも思っていないみたい。


 ミンフィーは他人に何を言われてもビクともしない!


 自分を信じ切っているからね!


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